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めもめも ...〆(。_。)

認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。

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昔vikingさんがエイプリルフールに「漫才師のfMRIとったらよいコンビは脳活動が同期してた」とかそんなかんじのネタをつくってはったけど(ログには当たれず。あしからず)、それに近いような論文が出てた。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23136442
漫才師じゃないけど、対面して会話してる人の脳活動が同期してるっぽいという話。
これはMRIじゃなくてNIRSだけど。

「単に情報の入ってくるタイミングがそろってるだけじゃないのか」とも思ったけど、対面じゃない背中合わせ状態ではあんまし同期してないっぽいからそれは否定できるっぽい。
どう解釈するにせよこれはおもしろいな。

どうでもいいけど自分のエイプリルフールネタで気に入ってるのはねこのFFAだったりする。
http://azcog.blog.shinobi.jp/Entry/449/
誰かねこのFFA実現してくれないかなあ。


あとおもしろいなーと思ったのは
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23015794
アメリカの「コミック」と日本の「漫画」の違いは注意配分の文化差に関係しているのではないか、って話らしい。
日本人はわりと周囲の情報に影響されやすいって話(社会的な話だけじゃなくて視覚系の話でも)はよく聞く。
それをアメコミや漫画に結びつけるってのがおもしろい。


それとろんぶんめも。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23100140
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23154380
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23067117
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22984951
文献よむのってやっぱたのしいな。

見ましたか?

見ました。
金星の太陽面通過。

肉眼ではちょっと無理そうだったんですが、望遠レンズごし(というかカメラモニタ越し)なら見えました!
そして撮影もちょこちょこと。

まあ平日の朝から昼過ぎにかけての天体ショーなので、完全に太陽にべったりってわけにはいかなかったのですが、まあ「見えたらよい」「撮れたらよい」のスタンスなのでよし。

どんなかんじだったかというと

DSC_3927_s.jpg

こんなかんじ。

例によって時系列順に写真をざくざく貼っておきますので、興味をお持ちの方はつづきのところからご覧ください。

そいえばネタにしようと思ってひろっといたのにネタにし忘れてるのがあった。
http://japan.digitaldj-network.com/archives/51905694.html
これってどうなん?

とりあえず日本語記事のとこを引用すると

南カリフォルニア大学のプレスリリースによると、同大学・医用生体工学学科のセオドア・バーガー(Theodore Berger)教授が、海馬という脳の長期記憶を司る部位の機能を模倣したチップを使い、ラットが学習した記憶を複製することに成功。

また脳につながれたスイッチを「On」することで長期記憶を復元し、「Off」にすることで忘却させることができたそうだ。ここからさらに忘却したラットにエンコードした記憶を再インストールするとこもできたという。また、このデバイスをラットに繋いだ状態で学習を行ったところ、ラットの記憶能力を向上させることにも成功したという。

という話。
あと付け足されているのは書き手の感想と妄想なのでおいておくとして(なんでかブレイン・マシン・インタフェースが出てきてるけど)。
とりあえずさいごに論文が引用されているのはよいな。ソースを探す手間が省ける。

んで出されている論文がこれ
http://iopscience.iop.org/1741-2552/8/4/046017/
Free Articleだから門外漢でも読めるよー。
れっつやじうま!

まあ日本語記事を読んで気になるのは
  • 「海馬(左画像) という脳の長期記憶を司る部位の機能を模倣したチップ」とあるが、海馬の/長期記憶の何の機能を模倣したのか
  • ↑についてはどう模倣したのか、という疑問もあるけど、文系心理やさんじゃあ聞いてもわからん予感
  • 「ラットが学習した記憶を複製することに成功」とはどのような行動をさすのか
  • 「脳につながれたスイッチを「On」することで長期記憶を復元し」の「復元」はどのような行動をさすのか(上の「学習成功」とおなじ達成率とかか?)
  • そもそもスイッチとは何なのか
  • 「「Off」にすることで忘却させることができたそうだ」の「忘却」とはどのような行動をさすのか
  • 「忘却したラットにエンコードした記憶を再インストールするとこもできた」の「エンコード」とは何をさすのか、ラットが記銘した?チップに何らかの入力を行った?
  • 「ラットの記憶能力を向上させることにも成功した」の「記憶能力」とはどんな指標によるものか?
といった点ですな。
まあ工学的な点は工学やさんがつっこんでるだろうし、神経科学っつっても細胞系はとんと素養が無いんでつっこめないし、とりあえず心理やさんが気にする心理・機能・行動んとこだけ確認しておくことにする。

本文を見ると、「記憶」を調べる課題としては遅延見本あわせ(delayed-nonmatch-to-sampleって書いてあるけど、あれmatchじゃなくてnonmatchなの?)をつかったそうな。

まずラットは目標課題正解率に達成するまで訓練されてる。
この目標正解率不明(えっ)。
まあ工学系論文誌なら行動指標をおろそかにすることもあるだろう・・・
最初この正解率を「85%」と読み間違えたけど85%なのは体重だった。
(おなかすいてるほうがえさが報酬の実験をまじめにやるため、動物の実験では体重をコントロールするらしい)
課題内容はこの研究グループの先行研究と同じって書いてあるから、そっちに詳しく書いてあるのかもしれない。
とりあえずこの論文に書いてある範囲でわかる課題内容みる。

実験するはこみたいなやつにねずみをいれるんだけど、はこの片側の壁に水いれがあって、その水入れの右と左にそれぞれレバーがある。反対側の壁には、ねずみがはなっつらつっこむとこがある。

まず、どっちか片方のレバーが出てくるので、ねずみは出てきたレバーをおす。
しばらくしたら、鼻つっこみどころに鼻をつっこむ。
鼻つっこみのあとしばらくしたら(この「しばらく」は1秒~30秒ほどばらつかせている)、レバーの両方が出てくるので、「さっきおさなかったほう」のレバーをおす。
ちゃんと正解したら水入れに報酬として水が出てくる。最初におしたレバーとおなじレバーおしたら水は出ない。
という内容。
(だからnonmatchなわけね。イメージ的にはgo/no-goと似たようなもんか。やってることちょっと違うけど)
で、課題の正答率(ちゃんと「さっきおさなかったほう」をおせた割合)をみますよ、と。

んで、海馬(CA3とCA1)に電極さして、課題を学習(=encoding)するときの細胞の活動を記録しておく。
ここの研究グループはCA3とCA1の発火のモデリングやってて、CA1の発火からCA3の発火を予測することができるようになってるらしい。
そのモデルを利用して、さっきの「鼻つっこみのあとしばらく待つ」状態で電気刺激を与え、「さっきどのレバーをおしたか」の記憶を変容できるか、というのがこの実験のおおまかな流れのよう。

・・・ん?
「記憶を複製するふしぎなチップ」の話がいっこうに出ないぞ・・・?
海馬にさされてるのってそんなに特殊な電極でもないっぽいしなあ(技術の粋ではあるけども。あとシングルよりもマルチのがたいへんって話もあるけど)。
これチップがどうこうのはなしじゃなくって、モデリングがすごいって話じゃね?

結果の図とか見てても、最初は「このモデルで課題成績予測できたよー」で、次が「学習時の活動パタンを増強するような電気刺激を送ったら正答率うp」で、その次が「学習時の活動パタンをまぜっかえすような電気刺激を送ったら正答率ダウン」って話みたいだし。
たしかに正答率ダウンのとこではチャンスレベルきってるし(とはいえ「しばらく」の遅延期間が長すぎると特になにも刺激あたえてなくってもチャンスレベルなみの正答率だけどな!)。
記事のスイッチってまさか電気刺激いれる機械のスイッチか?
スイッチいれるいれないの話なんかないぞ・・・

日本語記事の「スイッチひとつで忘却」ってのとずいぶん開きがある気がする・・・
まあいつものパターンっちゃパターンか。

まあでもすごいよね!
単純な内容(かつ「長期記憶」としては短いスパンの情報保持)だけど、実験者のコントロールする電気刺激でその内容を変容させてるっぽいところが。
大きくみると、電気刺激のとこは無理にしても、ヒトのデコーディング研究も似たようなアプローチだと考えられるよね。
これをヒトに応用するには気が遠くなるくらいものすげーおかねと時間をかけたステップが必要だけど、まあ千里の道も一歩からっていうし。
おもしろい研究であることには間違いない。

でも

「少なくともラットの段階で「攻殻機動隊」や「マトリックス」のように記憶を消し去ったりバックアップしたりすることができるようになったということらしい。さらに、このデータをオンラインに繋ぐことはきっと簡単なこと・・・」
(日本語記事からの引用)

みたいな煽りをされてしまうと、過剰に期待してしまう罠。
それぐらい煽るんだったら、
ラットAに実験課題を学習させる→学習時の発火パタンをふしぎなチップに記録→ラットBにチップを埋め込むと、学習していないはずの実験課題がらくらくクリア!→チップのスイッチを切る(orチップを外す)と、学習してない状態に戻って課題できない→チップのスイッチを入れる(チップを入れる)とやっぱりまた課題ができちゃう!
ぐらいのすごい研究なんじゃないか!って思うよなー。
おまえは都市伝説のプラナリアかっつーの。
でもいつかそれぐらい記憶研究が発達すればいいなーとは思ってる。
ま、世の中そう一筋縄ではいかないんですけどねー。

あとまあいろんなとこで繰り返された話だけど、ヒトの記憶ってえやつがいかにあいまいで複雑でめんどくさいものかってことを考えると、「失われたときを求めて」チップなり電極なりいれても再現は難しい、というか。
そもそも「失われる前のバックアップ」ならまだしも「失われてからの再現」とか無理すぎるよなー、デコーディングなんかの手法だと。
なんかいい方法があればいいけど。

・・・まあそんないい方法思いついたら、シミュレーション書いて論文にするよな!
ほんとのうみそなんか一筋縄でいかないわ。
うっひょー見たよ見ましたよ例のアレ。
みなさん見ましたか例のアレ。
金環日食でしたね!!!

うちは(といっても朝日がどさんさんふりそそぐ弟んちで見たんですけど)どまんなかエリアじゃなかったんで、最大食んときでも完全円環にはならなかった(ちょといびつ)んですけど、それでもすごいねおもしろいね。
減光フィルタ装備のカメラのライブビューモニタ越しだったけどエキサイティングでした。
望遠(といっても200mmだけど)あるから肉眼よりちょっと大きく見られたんじゃないかな。
そんなわけで怒涛の日食写真ですよ。
ピンがあまい?撮影間隔が一定でない?
こまけぇこたぁいいんだよ!
おまつりなんだから!

でも大量になるんで、「つづき」のところにしまっておく。
忙しいひとのために、最大食の画像一枚だけ貼っておく。

DSC_3573_s.JPG

では怒涛の日食写真にれっつごー!!!

なんか某国ぼすからメールきてんなーと思ったら、なんと「チャリティーでマラソンするからよかったら協力してね」って話だった。

・・・え、マジすか!?
某国ぼすってXX歳ですよね?普段は会議会議ミーティング出張会議ミーティングってな勢いで仕事してて通勤も車だったよね?
ガチマラソン?ネタじゃなくて?
http://www.london10000.co.uk/
・・・マジですか。
タフだなー。
てゆかもうすぐじゃないですか!
そんな短期間に目標額集まるんだろうか?

そいやマラソンでチャリティーっていえば、京都でついこないだあの山中先生が挑戦されてましたね。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/31905
ちゃんと(マラソンもチャリティーも)完走されたそうで。
http://www.kyoto-np.co.jp/sports/article/20120312000013
・・・すげえ。
てゆかマラソンチャリティーはむしろ某国のが本場なのね。

山中先生のはガチ研究費獲得のためだったようですが、今回のぼすは研究費じゃなくって純然たるチャリティーっぽい。
固有名詞出てるしチャリティーのサイト貼るかどうしようか迷ったけど、まあここも結構身バレしまくってるからひらきなおろうかな。
おかねの話だから不快に思われる方もいるかもしれないんで、「つづき」のところに隠しておきます。
奇特な方のみご覧ください。

しかし、同じ研究科の後輩も出身地でマラソンしてたし、最近は研究者がマラソンするのが流行ってるんだろーかー。
「研究費を(大学の運営費に頼らず)外部から獲得する」っていう目標から言えば、山中先生のマラソンチャリティーで研究費獲得ってすごいやり方だしなあ。
・・・自他ともに認めるひよわっ子のわたしにはできないやり方だわ・・・
ひよわっ子なりの「外貨の稼ぎ方」というのも考えたほうがいいな。

まあ何にせよ、マラソンできるくらいのタフさがあれば研究生活にもよいよねー。たぶん。
わたしには無理だけどな!
でもそうやって、いろんな方法で研究者が社会参加するのっておもしろいよねー。
ちょっとわくわくするね。

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