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めもめも ...〆(。_。)

認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。

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期末時期が近づいてくると学生も先生も頭を抱えるレポートあれやこれやですが、そういう現場まっただなかに放り込まれている立場から言えることを述べておきたい。

例の事件やなんやかやで、「剽窃=コピペはどうも悪いことらしい」という認識がちょっと広まったかなーとか甘いこと考えていたのですが、やっぱりその程度で世の中どうにかなるほど甘くなかったぜ!

具体的に体験した例を問題ない形で抽象化したかたちで言うとですね、「コピペは悪→じゃあコピペじゃなきゃ悪くない→文献見ながら手打ちすればいい!」って考え方する場合だってあるんだぜ、と。
(……これくらいなら言ってもいいよね?特定の誰かの発言じゃないし)
もちろん、それも「剽窃」なんですが、「剽窃」というものが何かというのを理解するのって意外と難しいぞ!ってことがわかった。
定義だけで説明してもだめだし、例示で説明しても「じゃあそうしなければいいよね」ってなるし。
両方をうまく回さないといけないんだな。

どんな媒体であろうとどんなツールをつかおうと、他人の書いたものを原典示さずに自分のレポートなり論文なりに書いたら剽窃だよ!
「一 字一句そっくり同じじゃなきゃ剽窃にならないよね!ちょっと語尾かえたらいいよね!」ってのもアウトだよ!それは「直接引用」にならないだけであって、 「間接引用」として当たり前の話だし(そもそも間接引用はもう少し文脈に合わせて文をカスタマイズすると思うけど)、間接引用だって原典示さなきゃ他人の ものを自分のものに見せかけてるって点では一緒だよ!
それと、「引用」っていうのは「直接引用(原典の文章をそのまま写すこと)」だけを指すと思っている学生って少なからずいる。
まあ大学によるのかもしれんが、いるっちゃーいるのである。
間 接引用(文献の内容を自分なりにまとめる)も立派な引用だよ!むしろ研究者の間では間接引用を推奨してるよ!直接引用が多すぎる論文なんかへたしたら受け 入れてもらえないぜ(知らない学生が偶然検索でここを見ないとも限らないから説明しておくと、論文というのは書いたら終わりじゃなくって、ふつう論文を載 せているジャーナルに投稿して、審査を受けて、パスしたら掲載されるけどダメって言われたら突っ返されるというシステムがある。つまり直接引用だらけの論 文は突っ返される可能性がある)!
だから「引用元明らかにしてるのにー!」って主張しても、直接引用だらけのレポートは「自分で文章書いてない」 という点で減点されても文句は言えないんだぜ原理的には。まあそのへんは各大学各学部各講義で違うから一般化できないけど。でもそういう観点から直接引用 だらけのレポートを減点する先生がいても、それはむしろ普通のことなんだぜ。

こういうことは折に触れていうようにしているけども、果たしてどれくらいの学生の記憶にとどまってくれるのかは不明。
まあそのへんは学生を信じるしかないよねー。
それと自助でこういう情報を探す学生がいるかもしれんと思って一応書いてみる。
まあ本当に検索でたどり着くことがあるかどうかはわからんが。
情報のありかは多いほうがいいだろう。
なんか気付いたら、日本心理学会の「投稿の手引き」が改訂されていた件。
現在の投稿の手引きはこちら

基本的にわたしは指導教員とか周囲が「論文は英語で書いて国際ジャーナルに投稿するもの」って言ってるのを鵜呑みにしていて、まだ『心理学研究』等に投稿した経験がないのですが(なお「就職する際に『心理学研究』が 1本あると有利」という噂を聞いたことはありますが実際どうなのかは未検証です。だれか『心理学研究』持ちで超さくさく就職したって例やそうでもなかっ たって例をご存じでしたらこっそりとあるいははっきりと教えていただけると幸いです)、そんな環境においても「日本語で何かを書くときは日本心理学会の投稿の手引きを参照しろ」というのは常々言われていましたね。
まあようするに、日本語で何かを書くとき=レポート、卒論、修論、(人によっては)博論、ですが。
悲しいかなわたしは英語ぐだぐだマケグミ学生だったので博論も日本語でしたよええ残念ながら。
なので『心理学研究』投稿経験こそないものの、「投稿の手引き」とは(こちらから一方的に)親しいお付き合いをさせていただいておったのですが、やはりこの時代の変遷への対応が必要になったのでしょう、結構がっつり改訂が入ったようですね。
まあ2005年からこっち、APAもとうの昔に6版が出てその翻訳も出ましたからね。


今回の改訂で「投稿の手引き」を読み返してみると、結構APA5版と記憶が混じってる自分がいて若干驚く。
たとえばAPAには、編集された書籍の特定章を引用する方法も、編集されていない(著者がまるまる著者)書籍の特定章を引用する方法も書いてあるけど、投稿の手引きには前者しかない。

2005年と2015年を比較すると、けっこう引用関係に関しては手引きが変わってて、例えば直接引用の箇所に関しては、2005年度版は””を引用符として使用するようにってなってたけど、2015年度版は「」も引用符として使用できるようになってる。
(追記:2015年度10月改訂版ではさらに、引用符を””でなく「」でつかえっていってて若干混乱)

あと、わたしが学部生のころ卒論の形式の参考のときに読んだ記憶だと、「孫引き」に関する記述があったように思うんだけど、2005年度版ですらそれはない。
ただ「間接引用」という単語がつかわれていて、
"間接引用は出来る限り避ける。止むを得ない場合は,依拠するところを明らかにする。"
としか書いてない。
ただ文献の文章をそのまま引用してくることを「直接引用」と言っているため、「じゃあ間接引用ってなんだ???」となってしまう。
2015年度版にいたっては
"原則として間接引用はしない。"
としか書いてなくて、いやまあ正しくはそうあるべきなんだけど、学生のレポートに孫引き禁止したところで、ちゃんと原典にあたれる学生ってめっちゃ少ないですからね。
APAでは、「二次資料」の扱いがそれにちかいかな。
他の先生方はどう苦慮されているのか知りたい。

んで、一番大きなポイントは、インターネット上の資料の扱いの変化。
2005年版では
”電子媒体からの引用は,極力避ける。但し,やむをえず引用する場合には電子媒体か
らの削除が予想されるので,必ずコピーをとって保管し,編集委員会からの請求があっ
た場合,速やかに提出できるようにする”
なんてきっついことが書いてあるうえ、
”著者名,年号,資料題名,サイト名,アップデート日,<URL>,(資料にアクセスした日)”
を全部書けってかいてあるんですよ。
一方の2015年版ではそういうけちくさいこと言わずに、でも冊子体がある場合はそっちで引用してね、doiあったらちゃんと書いてね、んで
"(著者名),(公開年),(表題),(ウェブサイト名),(Retrieved from URL),(アクセス年月日)"
を書いてねってかいてある。
まあこっちも引用するなら印刷しとけとは書いてあるけどね。
オンライン資料もそれなりに日の目を見だしたことだなあ。

あとグラフの目盛は必ず内側っていってたのに2015年は外側もありになってたり、ちょいちょい変更がいろいろとあります。
なのでちょいちょい確認しておいたほうがいいかも。
うっかり2005年版のつもりで学生にあれこれ言ってたら、たまに2015年版と齟齬が出てしまってお互い「あっれー?」ってなるので。
やっぱりこういうところでも、ちゃんと原典確認するのだいじなんだなあ。
ファイル整理してたら、「なんでこんなの読んでたんだっけ?」という論文ざっと読みめもがでてきた。
めもを読み返しても論文自体を読んでも、前の自分がなぜこれを読もうと思ったのかいまいちわからない。
とりあえずめもぶろぐにアップして供養しておく。

読んだ論文は
「Olfactory–Visual Congruence Effects Stable Across Ages: Yellow Is Warmer When It Is Pleasantly Lemony」というタイトルのもの(Pubmedリンク)。

実験の内容はというと、実験参加者に閉眼であるにおいをかがせ、においを検出したら目をあけてもらうのだけど、そのときに色パッチが提示されるので、その色が「寒色」か「暖色」か判断してくださいというもの。

ちなみに、においの種類はレモン・オレンジ・ばら・魚・ミント・タイム・ミネラルオイル(これはニュートラル刺激として扱われている。においどんなのだろう)。
これらのにおいは、事前に3段階評価で「快」・「どちらでもない」・「不快」の評価をさせておく。
また、レモンは黄色、オレンジは橙色、ばらはピンク色、魚はブルーグレー、ミントは草っぽい緑(黄緑?)、タイムはマラカイトグリーン(青緑)というふうに対応する色(典型色)を定めておく。

そんでもって、においをかいだ後に提示される色パッチが、上のにおい&色組み合わせと一致してるとき、不一致のときで寒色暖色の判断にかかる反応時間が変わるかを調べたそうな。
反応時間はニュートラル刺激であるミネラルオイルへの反応時間をベースラインとしてそこからの差分をとってる。
また、実験参加者は若年者と高齢者といて、年齢の影響があるかも調べたそうな。

結果として、年齢の効果はなし。
色の一致・不一致と、においの快・不快とが交互作用してて、レモンやばらなど「快いにおい」と判断されたものの後にそれと一致する色(レモンなら黄色、ばらならピンク)が出てきたときに反応時間が早くなるそうな。


うーん…意味的な情報がいろんなモダリティに影響する話とも言えなくもない…かな?
あと研究の結果としてはささいな話だけど魚のにおいはぶっちぎりで嫌われてるっぽい。まあそれもそうだよね。
においが意味記憶を活性化させるとすれば、快不快に関係なくプライミングとして働きそうなものだけど…いやまあ反応時間に現れるほどのつよいプライミングになるのは快刺激だけ、と解釈することもできるのかな。


本当なぜこれを読んで、あまつさえ「めもしておかなくっちゃ!」ってなったのかが全然思い出せない。
まあいいや。供養供養。
一応学会本体の話をしないというわけにもいかないだろうという配慮。
(誰に対しての配慮なんだ)

やはり実行機能に関する話題というのは認知の人々にとってはまだまだキャッチ―なようだ。
とくに、「実行機能は訓練可能か?」からの「訓練ができるとすればどうやって?」というトピックに関しては、認知系にしては珍しいくらいに人だかりができて盛り上がることができるんだなー、と。
あれか、基礎系の人と応用系の人と両方の関心を引き付けられるっていうのがポイント高いのか。

その一方で、「そもそも実行機能って何なん?」という問いも健在だし、むしろ訓練の話からかますます注目を浴びているように思える。
やはりサブコンポーネントにわけて、抑制・切り替え・更新と考えていくのか(もし何の因果かそのへんの初学者がうっかりここを見る羽目になったら、このへんについてはとりあえず三宅先生の論文読んどいてください)。
ただそれにしても、じゃあその個々のサブコンポーネントって何なん?という問いは残るわけで、わたしの関心のせいかここらへんも2014年~現在ホットトピックになっているのではないかなーと思う。
もはや実行機能は「なんでも入るずた袋」ではなくなっているのだ。
まあそれでも口さがない人とか実行機能という考え方がきらいな人とかはいろいろ言うと思うけどね。
でもさすがに”説明に便利な概念”という位置づけは脱していくんじゃないかなあ。


あと、どうでもいいけど&関係ないけどピアジェの功罪ってまだ糸引いてるんだなあと思ったり。
そこらへんにあんまし関心を持たなかったので知らなかった。
自分がこれまで目を向けてこなかったことにも気づかされるというのは学会のメリットの1つでもあるなあ。
久しぶりにがっつり心理の話をしよう。
まあがっつりといっても自分の専門とはちとずれる話なので、まだ知識が浅いのだけれど。

知性(これが何を示すかについてだけでも議論が収集つかなくなるレベルになるので、今回はそのへんはもやっとしたイメージとしてスルー)やら道具使用やら、「高度」な認知活動がヒトに特有のものである、という説が広く受け入れられていたのはもはや過去の話。
(たぶん。おそらく。
まあこの説を固く支持する人もいますが)

ちょっと昔にナショジオがこんな特集を組むくらい、多種多様な動物に知的な行動がみられることが知られるようになってきました。
と、なると、ヒトに特有の能力とは何なのか…という話にもなってきます。
まあ高度な文明社会を作ってどうこうは、今んとこヒト特有のもののようですが。
(ここで「イルカがせめてきたぞ!」とか思いつく人はいろいろアレなネタに汚染されているので反省するように。わたし含め。)
そんな極端なところじゃなく、他種がぎりぎりできないラインってどこだろう。
ってなことを考えると、これわりとわかんないんですよねえ。
けっこういろんな動物が、わりかし難しいことをしてる。
けど留意すべきことに、「この行動は何をしているのか?」の解釈って観察者に依存してしまうところが多少あるんですよねえ。
たとえば、イヌやネコなどのペットを飼っている人は、「うちのペットはわたしの気持ちをわかってくれる」と思う傾向にあるようですが(ウィキペディアなら[要出典]つけられるレベルの胡乱さ)、それはわれわれが「心の理論」を持ち「心の理論」をよく働かせる傾向にある種だから、というのを抜いて語ることができないと思うんですよね。
そのへん、客観的に立証しようとしている比較心理の方々には頭が下がります。

まあわたしはむらっ気があるのとおおざっぱなのとで比較心理には向かない人材なのですが、動物は好きなので比較心理の話を聞くのは好きなんですよ。
んでこの間ちょっと古い心理本読んでたら、比較心理の研究で、ワタボウシタマリンというサルが、ヒトの発音する音節パターンを「パターン」として認識できた、つまり物理的/初期知覚的な(些末な)差異を乗り越えて共通する構造を認識できた…みたいな話があるっていうからおおお!!!って盛り上がったんですよ。
元論文を探すじゃろ。
このざまよ。

どうも有名な事件だったらしくて、日本語ウィキペディアにすら記載されてやんの(この記事)。
2010年とか自分のことで頭いっぱいだったわ……もっと視野は広く持たんといかんですな……

ただ、ワタボウシタマリンの論文はアレでしたが、どうも多少の物理的差異を乗り越えて情報を抽出する能力自体は他の種でも見られるっぽい。
そのへんについて若干興味があるので、今度比較心理のひととゆっくり話する機会があれば聞いてみたいと思っています。
ワタボウシタマリン自体は毛がふわっふわしててかわいくて好きです。
わたしのワタボウシタマリンのファーストコンタクトは某研究所見学会でしたが、臆病な性格らしくなかなか姿を見せてくれませんでした。でもその分チラ見したときのテンションがあがりましたね(何しに行ったんだ…)。

んでもって、「ルール」的なものの抽出自体はまあヒト以外の種にも可能かもしれん、というと、じゃあヒトの何がすごいんだろう?って話に戻るんですが。
誰に聞いたんだが忘れたんですが(おい[要出典])、n次の階層構造を持つ認知ができるところがヒトはすごいんじゃね?って説が最近では有力っぽいですね。
(このふわっふわさ…あてにならないすぎる)
ルールでいえば「ルールのためのルール」を抽出できるところがすごい、と。
これを突き詰めていけばたしかに高度な文明になりそうだわ……
ってことはあれか、階層構造を規定することって、認知を考えるうえでわりと重要なのか?
なんてことも思ってみたりのたりのたり。


この階層構造のすごさが手っ取り早くわかりやすいのは、「道具使用」ジャンルなんですよね。
ヒトがつかう「道具のための道具」ってめっちゃ多い。
あと「道具」の用途がitem-specificでないことも多い。
ってな話ですと、冒頭で紹介したナショジオの特集にも出てきた、道具を作り出せるカラスすげーな!ってなるんですが、なんとこれYouTubeで動画が公開されてるみたいです。

あっほんとにつくってる…って思っちゃうんですけど、それはわたしの心の理論のせいなのか、それともこれ本当にカラスの創造性なのか…
うーむ。
あ、そういえば最近は心の理論にも階層性が論じられるようになってきましたね。

どうもいろんな分野で「階層性」がキーワードになってる気がする。
「そんなのだいぶ前からそうじゃねーか…」って思う向きの方もおられるやもしれませんが、にしても心理分野でいうとけっこうなトピック数に上ってきてるんじゃないでしょうか。いわゆるa few decadesぐらいのスパンで。いやひょっとしたらここ10年くらいかも?
こりゃーマトリョーシカでも買って拝むか。
(反知性主義的結論)
まーネタはおいといて、どこまで「階層性」が必要になるのか/ヒト以外では可能なのか、はちょっと検討すべきではないかと思ってる。
…自力じゃなくて他力(誰か論文出してないかな~)で。
何にしても考えておきたいところ。
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