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めもめも ...〆(。_。)

認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。

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前回からだいぶあいてる?
「お察しください」
ja.uncyclopedia.info/wiki/%E3%81%8A%E5%AF%9F%E3%81%97%E4%B8%8B%E3%81%95%E3%81%84

まあしょせんはあほねこなので、ぼちぼちじわじわとべんきょうします。
今回も引き続き、MRIの基礎の基礎、わりかし工学的な部分。
・・・文系にはなかなかハードだせ。


MRIの研究が本職な方に和文の解説論文をいただくという非常にラッキーなできごとがありんす。
ひゃっほーい。これに頼りすぎるとウェブ上でみんなでおべんきょうってスタンスは崩れちゃうかもしんないけど、自分がかわいいので読んじゃう!
まあこの論文でわたしが理解を深めて、ざっくりかみくだければいいんじゃね?
今のままだとちっこいのうみそには理解しきらんもーん。
というわけでぶいぶい第2回をば。

前回
azcog.blog.shinobi.jp/Entry/161/
は、T1とかT2とかありよるーってとこらへんでした(ひでえざっぱ加減)。
T1=「縦緩和」、T2=「横緩和」ということさえおさえておけば、ぶっちゃけvikingさんが教えてくれたサイトみたほうがわかりやすいです。
www.hitachi-medical.co.jp/info/nyumon/04/index.html
こっちだと動くし。メンタルローテーションしなくて済むし。

んでさらにT1強調画像とT2強調画像の違いを、しぬほどわかりやすく図示しているサイト見つけたので貼っておく。
web.sapmed.ac.jp/radiol/MRIexample.html
もちが結合した水、みかんが運動制限の少ない自由な水…すげえ!見たら納得してしまう!

あと、T2とまぎらわしいのにT2*というものがある注意。
90°パルスのあとじわじわT2緩和が起こって、自由減衰信号(Free Induction Delay:FID)というものが生成されるそーな。
この「見かけ上のT2」のことをT2*というらしい。

前後するけど、核スピンを傾けるパルス照射の方法にはいくつかあるらしい。
ひとつは「スピンエコー法 (spin echo, SEなどと省略される)」というもの。
90°パルスをかけたあとに、設定したTE(エコー時間)のはんぶんの時間がすぎたら180°パルスをかけるそーな。
そうするとそれとおんなじだけの時間をかけてスピンが揃って、スピンエコーの波のピークが発生するそーな。
(だからエコー時間のはんぶんなのですね。)
これも
oshiete1.goo.ne.jp/qa1663060.html
を見てなんとなくの理解。
ゆるふわ学習。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16276507
んで、↑の論文によると、スピンエコー法、脳を見るにはなかなかよい方法らしいんだが、S/N比がちょっとよろしくないそーな。
はいわたし自身ではちっとも読んでませんすみません。もらった論文に書いてあったからアブスト見ただけです。
…あれこれってやばいよな。ふつーもらった論文を引用するよな。
でもこれほんとパーソナルコミュニケーションものなんだ。引用しようにも引用文献として書きようがないんだ。
どうしよう。
とりあえずそのまんまで。

でもウィキペディア見たら、構造画像はスピンエコー法で撮るみたいな書きかたしとる。
ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%B3%E3%82%A8%E3%82%B3%E3%83%BC%E6%B3%95
あれそうだっけ?
手元にあった論文ぱっとみたら、むしろスピンエコーじゃなかったんですけど。
どっちがメジャーなのかはあとで調べる。
www.fujita-hu.ac.jp/~sfujii/satuei/satuei19.html
を見ると、TRを短くしてTEを最小にしたらT1強調画像になるっていうのがあるからきっとこのへんの話だな。
逆にTRを長くしてTEを最大にしたらT2強調になるようだ。


まあともかく、スピンエコー法よりもメジャーっぽいパルスのかけかたに、「グラディエントエコー法(Gradient Echo,GREとかGEとか略される)」というのがあるのだそーな。
さっきわたしが手元で確認したやつもこっちの方法つかってた。
スピンエコーで90°とか180°のパルスを照射してたけど、グラディエントエコーでは、フリップ角分のパルスを照射するのだそーな。
180°のときは、信号減衰はT2だけであらわせたけど、そうじゃないと磁場が不均一なことでも信号が減衰して、実際のT2と見かけ上のT2*が違ってくるらしい。
だからT2*というのはグラディエントエコーだけの現象。

ウィキペディアでみると、グラディエントエコー(グラジェントと表記されてるけど綴り同じ)はスピンエコーより画質が劣化するって書いてある。
ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%A8%E3%82%B3%E3%83%BC%E6%B3%95
あれ?
画質が劣化するのとS/N比高いのって両立する?
あ、Smoothingかけてるようなもん?
ぬう。わからん。
とりあえずfMRIだとグラディエントエコーのほうがメジャーっぽい、というゆるふわどころかずるずるな認識で。

グラディエントエコーについては、↓がわかりやすいかと。
members.jcom.home.ne.jp/ci-ken/mri-kisonokiso3.htm
あとこれ。
www.hitachi-medical.co.jp/info/nyumon/06/index.html
こっちみると「磁場均一度の差異や傾斜磁場のわずかな乱れから道のりに差が生じ」、画像が劣化しやすいってかいてあるなあ。
スピンエコーで90°パルスを照射するタイミングに相当するときに、グラディエントエコーではフリップ角分の度数のパルスを照射するらしい。
利点は、TEやTRを短縮できること。さくさく撮像できるわけだ。
つまり、中で状態が変わることを想定しているfMRIはグラディエントエコー向きなわけだ。
特にevent-relatedデザインであればなおさらだろー。(なが~いブロックデザインだったらスピンエコーでもいいのだろうか?)

(ちなみに、パルスを照射することを、どうも「印加」というようだ。定義があってるのか不安なのでわたしは使わない。文系乙)


だんだん「べんきょうするのにつかったサイトの紹介」になりつつあるなー。
いいのかなー。
まいっかー。

他に、エコープラナー法(Echo Planar Imaging: EPI)というのがある。
これは超高速らしい。
グラディエントエコーで使うGRE-EPIでは、90°パルスの後でエコー信号を収集する。FID信号を用いるのでFID-EPIともいうそうな。
ほかにスピンエコーを使うSE-EPIというのがあって、スピンエコーの90°パルス、180°のパルスの後でスピンエコー信号を収集する。
1回のパルスで画像を構成するシングルショットEPIというのと、何回かのパルスにわけてそれをあわせて1枚の画像にするマルチショットEPIというのがある。
当然ながらマルチショットのほうが(空間的に)解像度は高い。

基本的にEPIは磁化率の差の影響が出やすく、SN比が低く、空間分解能が低いものなんだそーな。
でもちょー高速。
なので、構造画像とちがって数秒の変化を見たいfMRIに適している。

EPIをつかうものとしては、他にdiffusion MRIがある。
これは水分子の動きの違いを画像化するそーな。
diffusion tensor MRIというやつは、いろんな方向に磁場をくわえて、水分子のくものこ散らし方がおんなじかどーか調べる方法らしい。

fMRIではBOLD信号、血中のオキシヘモグロビン濃度の減りっぷりを見るわけですな。
まあBOLDについてはもちょとあとでみっちりやるとして。

スピンエコーとグラディエントエコーについてはこっちの説明のが楽かもしんない。
断面位置の変更は周波数の調整、スライスの厚さの調整は傾斜磁場の傾き、というのはしっかり覚えておいたほうがよさそうだ。
もらった論文によると、だいたいスライスの厚さが3mmで64×64ピクセル、40スライスもあれば大脳はカバーできるそうな。
ただし小脳を含める場合は増える。
(そいやわたしがMRI実験するときも、「小脳は必要か」というの聞かれたなあ)

んで、得られた信号を画像化するわけだが。
それに関しては
www.hitachi-medical.co.jp/info/nyumon/02/index.html
を見たり、冒頭でもち画像だしてるとこの「7.二次元画像再構成」を見たりしよー。

つまり。
二次元画像再構成でいえばx軸に傾斜磁場をずがーんってしてから切ると、x軸方向に波がうにゃうにゃってくる。
波はx軸方向に来てるので、y軸のほうでは波風立たない。
これは、同一の周波数で違う場所(時間か空間かが)では位相が違うってことになるっぽい。
んでy軸方向に傾斜磁場ずがーん→y軸も波。
周波数方向にも傾斜磁場を与えることで、各画素に異なる周波数、位相という情報が「重畳された」ということだそーな。
(ここでdeconvolutionということばがでるのか・・・?)
周波数に関しては、周波数分析(フーリエ変換)すればわかる。
(あああ結局フーリエ変換やらなかったからいまいちぴんとこねええええ。
画像処理のローパス・ハイパスのフィルタのイメージしかねええええ)
位相に関しては、位相方向の傾斜磁場をちがうやつ3パターン打ち込んで、その3回で信号がどんなふーに変わったかを分析してかんがう。
・位相方向傾斜磁場を-1したやつ→信号1
・位相方向傾斜磁場を0(与えない)→信号2
・位相方向傾斜磁場を+1した→信号3
んで位相変化を調べたときに、変化がないやつってのはまんなか、進み方向に変化するやつは軸の値大きいほう、遅れ方向は逆のほう、という場所のわりふりができるんだそーな。
あ、この3つというのは日立の例でいえば、ということで、実際にはスライスの枚数分だけ数があるのか。
この周波数方向傾斜磁場のことを「周波数方向エンコーディング(傾斜磁場)」、位相方向傾斜磁場のことを「位相方向エンコーディング(傾斜磁場)」というそうな。
記憶のエンコーディング(符号化)と間違えないように注意。


ということで、MRIには「傾斜磁場」というのがとてもだいじ。
MRI装置は、
・均一な静磁場を作るでかい磁石(超伝導磁石だとか。こいつを維持するのに液体ガスが必要になるわけだ)
・傾斜磁場を設定したように出す傾斜磁場コイル(装置の洞窟の「ガワ」に相当)
・人体にそれを照射する照射コイル(洞窟の内側。たぶんここに0.1トン以上あるヒトが詰まる)
・人体からの信号を受信する受信コイル(頭のまわりにぐるっとあるやつ。頭でかくて目が悪いひとだとゴムめがねでぱつぱつになるとこ)
・信号を処理して画像を再構成するコンピュータ
から構成される。


今回はまあこんなかんじで。
ひー。
次からはもうちょいバイオな話になる予定。

というか
もし構造画像の撮像にMPRAGEをお使いであれば、基本的にはfMRI実験時には「全部」EPIでスキャンしているはずですよ。SEは他のfMRI実験では一般的なシーケンス(T2* BOLD-EPI / MPRAGE)に比べれば遅いので、すぐわかると思います。

基本的に、GEはSEに比べて血管の影響を受けやすいということが従来から言われていて、Logothetisの2008年のNature総説でも同じ指摘がされていたと思います。ですから、世界的にはできるだけSEで、なおかつBOLD効果がin-flow効果よりも優位になる高磁場でfMRI実験はやるべきだという流れに傾きつつあるようです。

ちなみに、マルチショットは3T以下の静磁場スキャナのfMRI実験では推奨されていないと思います。理由は簡単で、シングルショットに比べてTRが延びてしまいやすく、実験時間が無駄に長くなってしまうからです。4T以上の超高磁場になるとT2*がものすごく短くなってしまってシングルショットではエコーが追いつかないので、ダブルなりトリプルなりにするのだと理解しています。
by viking URL 2010/06/08(Tue)20:52:42 編集
Re:というか
毎度どうもご教示ありがとうございます!

おお、まさにご指摘のMPRAGEでした。
実験やってるときはもう原理的なこと後回しでしたので何が何やらさっぱり理解していなかったのです・・・本当にお恥ずかしい限りです。
Logothetisの総説を読もうにも基礎からつまづいていたので、かたつむりのごとき歩みながら少しずつ勉強するしかないですね。

マルチショットについては、実際に(被験者なりそういう研究している方のお話を聞いたりの)経験したことはないです。というか高磁場MRIも経験したことがないです。あー、そりゃあ聞き慣れないはずですね・・・。
あんまりよくばらず、地道に勉強していこうと思います。
2010/06/08 23:01
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