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めもめも ...〆(。_。)

認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。

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「あまりにも説明できすぎる説明は“科学”にならない。
なぜなら検証も反証すら不可能だから。」

Aという結果も対立するA'という結果も飲み込める説明やモデルは、最初言い出したときこそドヤ顔できるのかもしれんが、それは「その先はない」ということだ。
検証可能性を放棄するのなら、それはもう文学の領域として論文ではなく随筆を書いてもらわねばなるまい。
いや随筆もうつくしいものはたいそう読み応えがあって社会的に価値があるし。

むしろこのご時世では論文より随筆のがありがたがられる。
反証できる可能性を残した仮説よりも、すべてくるんで断言する説明のがありがたがられる。
このへんがかんたんに似非科学に「転ぶ」原因になる。
「わかってもらう」には随筆の体を成すのがてっとり早い。
しかしそこにはもう「転ばせる」影が忍び寄っている。

本来随筆が及ぶべき範囲でないところまで及んでしまった場合をわたしは憎悪する。
もちろんこれは個人的感情だ。
しかし、随筆でなく論文を、できすぎる説明でなく検証可能な仮説を必要とする場が確かにあるというのに、そこに座り込んで動かん随筆がいるのだよ。
わたしはそれを憎悪するあまりに、自分がべたべたな「文系」であるにも関わらずこんな道に踏み込んだのだった。
思えばなんて文系的な動機。
まあ動機なんてしょせんそんなものか。

いやまあ個人的な憎悪なんかどうでもよくて、問題は「説明できすぎる説明」だ。
モデルを立てるにしろ仮説を立てるにしろ、If...Then...ElseIf...Then...を作りこみすぎてそれを1つのものとしてしまった場合、反証の手からするりと逃げて結局何をも言わないことになってしまうのではないか。

と、いうのを、えらいひとたちの仕事を眺めながら思ったり思わなかったり。


まあ他のひとのことはともかく、まずは自分のことだわな。

無題
「科学」の定義に関連して、私の先生もazさんと同じようなことを言っていました。
by 毛先がQ太郎 2010/12/03(Fri)12:50:06 編集
Re:無題
コメントありがとうございます。

やはりどんな分野であれ、同じような問題があるのですね。

「すべてを説明できる」というのは結局はただの思考停止に他ならないのかもしれません。

とはいえ、研究をしている上で「すべてを説明できる(どんなケースも例外でなく処理できる)すばらしいモデル」を構築したいと思ってしまうのはしかたのないことなのかもしれません。
そこに到達してしまうと「すべてが解明された」ことになるのでしょうか・・・?
2010/12/06 17:48
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