めもめも ...〆(。_。)
認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。
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おとろしいことに気づいたよ。
同じ学問の括りでも、研究の枠組みによって、同じことばがぜんぜん違う意味を持つ。
そんなことは、わかっているつもりでいたよ。
でも、おなじ枠組みの中にずっといると、「実際に」気づかないことだってある。
今日そのことでわたしがぞっとしたのは、実験心理学における「familiarity」について。
言語や概念(意味)のfamiliarityと言ったら、「親近性」(?)とでも訳すのか、単語(「いぬ」とか「ねこ」とか「あるぱか」とか「うぉんばっと」とか)の意味が、日常的にどれくらいなじみがあるものなのかという概念。
(例えば「いぬ」「ねこ」は親近性が高い。「あるぱか」「うぉんばっと」は親近性が低い。)
さまざまなテクスト(これは「文学」でいうところのテクスト)の中での単語の頻度情報に依存する。
つまりは単語の持つ特性パラメータ。
でも(長期)記憶のfamiliarityと言ったら・・・こっちの訳なんていうんだろ、「親密性」?
とある記憶表象に関してどれくらい記憶している実感があるか、というか。
Jamesが「わたしはそれを記憶しているというあたたかいfamiliarity」みたいな記述をしていた(ちょーうろおぼえ)アレです。
記憶痕跡へのアクセシビリティによって記憶の強度が決まるとかそういう文脈で、記憶表象がちゃんと自分の記憶であるという確信度の判断になるところのものです。
長期記憶の再認実験で、Remember(確かにちゃんと覚えているという実感がある。当該表象をいつ・どこで覚えたのかなども思い出せる)からKnow(確信はないがたしかおぼえていたような気がする)の尺度で評定をとるのは、familiarityが連続的変数だと想定されているからで。
つまりfamiliarityは記憶表象がいかに記憶されているかのパラメータ。
近い研究領域、同じ単語でまったく違う意味。
これが何を生み出すのかというと、「研究領域は近いはずなのに、2研究者の間で意思疎通ができない」または「研究領域は近いはずなのに、一方の論文の意図をもう一方は理解できない」などなど。
てゆーか言語記憶研究者は即ハマるんじゃないのかと。
いや、ちゃんとした研究者なら両方とも熟知した上で区別して使い分けるんだろうけど、わたしをはじめ研究者のたまごたちや、知識が不十分な学生さんなんかはこのドツボにはまる可能性がかなり高い。
今回は、わたしはたまたま気がつけたけど、ひょっとしたらまだ他に2つの違うタームを混同していることがあるんじゃないのか?
そして、ちっともわかってやいないのに「わかったふり」になっているのではないか?
・・・そう考えてぞっとした。
なんてこったい。
こんなおそろしいことが起こるからこそ、研究の枠組みが違うところへ行くのが重要になってくるんだなあ。
複数の枠組みを知らないと、同じように見えるぜんぜん別のものの違いに気づかない。
蛸壺こええぇぇぇ。
同じ学問の括りでも、研究の枠組みによって、同じことばがぜんぜん違う意味を持つ。
そんなことは、わかっているつもりでいたよ。
でも、おなじ枠組みの中にずっといると、「実際に」気づかないことだってある。
今日そのことでわたしがぞっとしたのは、実験心理学における「familiarity」について。
言語や概念(意味)のfamiliarityと言ったら、「親近性」(?)とでも訳すのか、単語(「いぬ」とか「ねこ」とか「あるぱか」とか「うぉんばっと」とか)の意味が、日常的にどれくらいなじみがあるものなのかという概念。
(例えば「いぬ」「ねこ」は親近性が高い。「あるぱか」「うぉんばっと」は親近性が低い。)
さまざまなテクスト(これは「文学」でいうところのテクスト)の中での単語の頻度情報に依存する。
つまりは単語の持つ特性パラメータ。
でも(長期)記憶のfamiliarityと言ったら・・・こっちの訳なんていうんだろ、「親密性」?
とある記憶表象に関してどれくらい記憶している実感があるか、というか。
Jamesが「わたしはそれを記憶しているというあたたかいfamiliarity」みたいな記述をしていた(ちょーうろおぼえ)アレです。
記憶痕跡へのアクセシビリティによって記憶の強度が決まるとかそういう文脈で、記憶表象がちゃんと自分の記憶であるという確信度の判断になるところのものです。
長期記憶の再認実験で、Remember(確かにちゃんと覚えているという実感がある。当該表象をいつ・どこで覚えたのかなども思い出せる)からKnow(確信はないがたしかおぼえていたような気がする)の尺度で評定をとるのは、familiarityが連続的変数だと想定されているからで。
つまりfamiliarityは記憶表象がいかに記憶されているかのパラメータ。
近い研究領域、同じ単語でまったく違う意味。
これが何を生み出すのかというと、「研究領域は近いはずなのに、2研究者の間で意思疎通ができない」または「研究領域は近いはずなのに、一方の論文の意図をもう一方は理解できない」などなど。
てゆーか言語記憶研究者は即ハマるんじゃないのかと。
いや、ちゃんとした研究者なら両方とも熟知した上で区別して使い分けるんだろうけど、わたしをはじめ研究者のたまごたちや、知識が不十分な学生さんなんかはこのドツボにはまる可能性がかなり高い。
今回は、わたしはたまたま気がつけたけど、ひょっとしたらまだ他に2つの違うタームを混同していることがあるんじゃないのか?
そして、ちっともわかってやいないのに「わかったふり」になっているのではないか?
・・・そう考えてぞっとした。
なんてこったい。
こんなおそろしいことが起こるからこそ、研究の枠組みが違うところへ行くのが重要になってくるんだなあ。
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もっさり:日々の雑感をもっさり。
がっつり:論文や研究関連をがっつり。
びっくり:科学ニュースでびっくり。
まったり:空想科学などでまったり。
ばっかり:デザイン系自己満足ばっかり。
ほっこり:お茶を嗜んでほっこり。
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あと記憶全般。
カテゴリ (semanticsか?) とかも。
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川上弘美
小林秀雄
津原泰水
森茉莉
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イタロ・カルヴィーノ
グレッグ・イーガン
シオドア・スタージョン
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実はAction研究領域でも今日読んだ論文でobjectの意味がいつもと違ってて混乱しまくってた。
普通アクションの文脈ならobject=モノ、道具、と思っていたんだが、object=行為の目的、だった。文法用語としては確かにobjectは「目的語」だしなあ。SVOOとか習ったし。
"He used the object for his object." This sentence includes only one object.
みたいなことになるのだろうか。
さっそくのタレコミさんきうです。
objective objectとか意味わからんっていうかもはやパンクバンドの名前みたいだよねー。
あれけっきょく「目的のブツ」って意味になるんだっけ?
詳細忘れた。
また思い出したらてきとーによろしく。
今日思い至ったのは、「パラダイム」てけっこー危険だよなー、と。
実験屋さんにとっちゃ「パラダイム」っていったら実験の流れ的な話になるけど、文系(特に科学哲学)だともっと大きい枠組みの話になるし。
けど科哲とかニアミス多いから議論がへんにぐねってなりそう。
科哲系の他分野ニアミスはけっこーいろいろずれるよねえ。
けどそのずれを放置してみんな好き放題なイメージあるわ。どうなんやろ。
たとえば「意識」とか。
そいや数年前「抑制」がやたらキーワードになったとき、精神分析的なヒトから認知のヒトから細胞の神経伝達物質のヒトやらごっちゃになってカオスで吹いた覚えがある。
おんなじ単語使っといて交通整理しないってのは非学際的でよろしくないよな。
じゃあどうやって整理つけれるんだろ、って考えたら難しいのやけども。
para = side by side
deiknynai = show
だそうだ。
(http://www.etymonline.com/index.php?term=paradigm)
大昔のギリシャ人が、お手本を横においてモノを作ったり粘土板に文字を書いたりするイメージなんかなーと思った。
実験のパラダイムも哲学のパラダイムも,方法、思考様式として「手本として例示されるもの」っていうことで、同じイメージに根差しているのかもしれん。
日本人がむやみにカタカナで覚えてるものって実際のイメージと違ってたりするから気をつけんといかんよな―。
まあでも哲学ってけっきょく思考実験だし、「パラダイム」=「実験方法」って考えてもいいか。(実験屋の横暴かな?)
vikingさんの意見に同感しました。知ってて使い分ける必要がありますよね。ただ教育場面等では学習者が混乱しないように定義を明確にして使い分ける必要はあるかなーと思いました。一見同じ意味のようにして「抑制」シンポジウムなどを盛大にやると、初学者・分野がいの人間からみるとキーワードの意味が肥大化して正確な理解ができなくなるのではないかと。
「細かい違いは大人の事情でいわないことにして盛大にお金をつかって合同しんぽじうむをしているんだよ☆」
とか優しい大人の先生が教えてくれればよかったのに。無理やりまとめだすとかないわー。というのは個人的なあるシンポジウムの感想です。あれで抑制アレルギーになったような気瓦斯--;
・・・「試み」としては。
ただcnspsycho(この名前めんどくさい。もちょっとなんとかならん?)の言うとおり、同じ言葉であるということは初学者の混乱を招くんですよねえ。
果たして共通項は何なのか、区別するめじるしは何なのかをはっきりさせないと、他分野どうしでの話は難しいのではないかと思いました。
複数分野を飛び回る研究者は、使い分けができる分「区別するめじるし」を知っているはずなので、その知識を初学者に教えてくれたらいいのになー、と思います。
どうでもいいけどParaに関してはParahippocampalの「傍」だとおもうー。
まあラテン語もギリシア語もけっこーかぶってるからなー。
cnspsychoもラテン語やろうぜ!!!
時制が6つもあるぢごくを味わおうぜ!!!
無駄にラテン語訛り英語をしゃべってアメリカ人に嫌な顔されようぜ!!!!!
そしてやっぱり「抑制」で「あれ」を連想したか・・・ですよねー。
思えばうちらの「抑制」ファーストコンタクトってあれやったものね・・・
「抑制」の定義が話すひとごとにばらっばらでしぬほど困惑した覚えがあるわー。
今度から「抑制」という単語を使うときには
「~の抑制」というふうに目的語をはっきりつけてもらうようにしよう!
つまりobjectの話に戻るわけだ。
無限ループ。
入り口で地獄が見えたので引き返した。
paraは「並んで、越えて」とかいう意味もあるらしいですな。いっつもドラえもんのパラレルワールドを思い出す。並行世界で西遊記やるやつな。
ただパラダイス(paradise)は別の語源pradeisosから来てるらしい。
http://home.alc.co.jp/db/owa/etm_sch
意味はRoyal Park-王族の公園なんですな。たぶんナイトスクープ的な意味の「ぱらだいす」は古代ギリシャ人に怒られるよ。
未完了過去だとか未来完了だとか、イミフな時制に混乱しようぜ!!!
>paraは「並んで、越えて」とかいう意味もあるらしいですな。いっつもドラえもんのパラレルワールドを思い出す。並行世界で西遊記やるやつな。
どらえもん世代め。
パラレルワールドって西遊記のほかにもいろいろなかったっけ?
>ただパラダイス(paradise)は別の語源pradeisosから来てるらしい。
>http://home.alc.co.jp/db/owa/etm_sch
>意味はRoyal Park-王族の公園なんですな。たぶんナイトスクープ的な意味の「ぱらだいす」は古代ギリシャ人に怒られるよ。
deiなんちゃらは神様とかそのへんの単語じゃなかったかいな。
まあ古代は神様の子孫=王様やったから似たようなものか。
「ぱらだいす」はあれですよ、自分の王国を築いているヒトの領地を訪問するわけだからあながち間違いでもない(こじつけ)。