忍者ブログ

めもめも ...〆(。_。)

認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。

2024/04    03≪ 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30  ≫05
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ではどんどんSFだ。

今回はド古典、タイポグラフィーSFで有名なベスターの『虎よ、虎よ!』です。


よくラノベを批判するやつをひっかけるために、タイポグラフィーの実験してるページが貼られるアレですね。
まあこれを持ち出すまでもなく、『不思議の国のアリス』でもねずみのしっぽにひっかけたりしてたと思うのですが、一応「アリスはこども向け」ということなのかな…

あ、あといわゆる「ワープ」「テレポーテーション」を「ジョウント」と呼ぶ元ネタでもあります。

そんなふうに古典として愛され引用されている『虎よ、虎よ!』でありますが……

……うん、これひとを選ぶわ。
ものっそい疾走感、徹底してダークなアトモスフィア(なにげにばれないように忍殺語を混ぜればいいってもんじゃない)、ひたすら自己中心的な人物たち、それがぶつかりあってぶつかりあってタイポグラフィーであらわされるような「メエルシュトレエム」に収束していくというスタイル。
いやもう本当に「メエルシュトレエム」としか呼びようがないよ。
辻褄とか情緒とかふっとばして突き進んでいくさまは、ふだんブラッドベリの短編をちまちま読んでいるような軟弱ものには咀嚼しきれない恐ろしさがあります。
…これまさにハリウッド映画向きなんじゃないかなあ。
この爆走っぷりは、むしろ映像で見たい気がする。
でも、映画化権はやりとりされてるものの映画自体はまだ音沙汰ないみたいね(だがソースはウィキペディアだ)。

…個人的に言うならば、SFとしてはそんなに好みじゃなかったな……
まあブラッドベリ好きという情緒寄り本読み向けじゃないのと、「復讐譚」というアオリを真に受けて読んじゃったのとが問題か。
これ「復讐譚」として読んだらすんげーもやもやするので、そこだけは注意を促したい。
これ絶対復讐譚じゃないから!

最初っから「すんげーパンクSFだよ」とか聞いて読めばよかった。

あ、どうでもいいけどこのプロットの一部は『宇宙クリケット戦争(前めも参照)』に併録された「若きゼイフォードの安全第一」にも生かされているような気がする。
いやあ本当に影響力の高い作品なんだなあ(判断基準がそれってどうよ)。

この記事にコメントする
              
お名前
タイトル
メールアドレス
URL
カラー
絵文字 Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
コメント
非公開 管理人のみ閲覧できます
パスワード   
* コメントの編集にはパスワードが必要です
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
カテゴリ説明
もっさり:日々の雑感をもっさり。
がっつり:論文や研究関連をがっつり。
びっくり:科学ニュースでびっくり。
まったり:空想科学などでまったり。
ばっかり:デザイン系自己満足ばっかり。
ほっこり:お茶を嗜んでほっこり。
最新コメント
※SPAMが多いのでhttpを含むコメントと英語のみのコメントを禁止しました※
[01/20 NONAME]
[05/07 ぱるぱる]
[05/06 ぱるぱる]
[05/06 ぱるぱる]
[08/29 初見名無し]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
az
性別:
非公開
自己紹介:
興味のあるトピックス
 分野は視覚認知。視知覚にがて。
 あと記憶全般。
 カテゴリ (semanticsか?) とかも。
 最近デコーディングが気になる。
 でも基本なんでもこい。
 好奇心は悪食。

好きな作家(敬称略)
 川上弘美
 小林秀雄
 津原泰水
 森茉莉
 レイ・ブラッドベリ
 イタロ・カルヴィーノ
 グレッグ・イーガン
 シオドア・スタージョン
バーコード
ブログ内検索
カウンター
フリーエリア
PR
<< Back  | HOME |   Next >>
Copyright ©  -- めもめも ...〆(。_。) --  All Rights Reserved
Designed by CriCri / Material by もずねこ
忍者ブログ  / Powered by [PR]