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めもめも ...〆(。_。)

認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。

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Neisserに憧れない心理学専攻の学部生などいない。
という仮説を立ててみたのだがどうだろう。

あ、あと心理学から神経科学に関与するようになった学生はみんなHebbに憧れる。
という仮説を立ててみたがサンプルサイズ2の時点でこれは真。
もすこしデータとったらどうなるかな。


まあそんな与太はともかくとして、来年度のために心理学入門書やおすすめ書をだらだら列記しておくの巻。
基本的に想定されているのは「わたしのところに来る学部生」。
なので主に記憶と視覚に関して入門書を紹介する。
言語とか思考とかがっちがちの知覚とか知らん。

あとはじめてあまぞんさんの表紙が表示されるやつ使ってみる。
ちょっとは画像ふえたかんじになるかなー。 まあてきとーに。


Neisser読むならこれ読め。
『観察された記憶―自然文脈での想起〈上〉』

『観察された記憶―自然文脈での想起〈下〉』

古典。古典にして基本。

ヘッブに関してはあきらめろ。
2003年あたりにアメリカで出た新版はすでに絶版状態。
翻訳が出る気配もねえ。
旧版の翻訳は図書館とかにあるかもね。
一応あまぞんさんでも古書は出てるね。

まあおかねによゆうのある先生とかじゃないと買うこともないだろう。
ヘッブについては読む必要もそんなにないしな。

古典でおすすめなのは『情報処理心理学入門』シリーズ。
1は「感覚と知覚」。

2は「注意と記憶」。

3は「思考と言語」。


わたしがお世話になったのは2のほう。
信号検出理論とその記憶実験への応用のしかた、d'(ディープライムと読む)の算出の方法が書いてある(はず。うろおぼえ)。
再認実験やるならおさえとくべき。

記憶に関しては『記憶研究の最前線』という本は入門におすすめ。

「ぶっちゃけもう最前線でもないだろ」とか「この表紙のセンスはどないかならんのか」などのツッコミはあると思うが、興味深い現象をいろいろ取り扱ってくれているので、自分の興味のとっかかりにするにはよいと思う。
かくいうわたしも、B3のときの実験はこの本の一部から着想を得ている。
まあ無謀すぎて微妙な結果になったのも今となってはいい思い出、かな?

同様のシリーズでおすすめなのは『「顔」研究の最前線」という本。

顔研究は主におなごどもに人気なので、これをおさえておくとびじんけんきゅうしゃとお近づきになれるかもしれない。
というのはネタで、実際男性の研究者もそこそこいるのですが、まあでも他分野より女性が多い気もする。
ただしがりがり定量的に分析するのは男性が多いですね。
んでも化粧品会社の方などがたまにコラボってたりするので、実験心理学の中ではかなり産学連携に近いところにいるのかも。
『記憶研究の最前線』と同様、興味のとっかかりを探そう。

視覚に関していえば、
『視覚の情報処理―〈見ること〉のソフトウエア』

という本と
『脳と視覚―グレゴリーの視覚心理学』

という本がおすすめ。
上のは若干古いけど、おさえとくべき現象の解説がしっかりのってるから読んでおくべき。
下のももはや古びてる感はあるけど、入門にはよいと思う。
古典的3Dめがね(笑)もついてるし。

神経科学寄りの入門書としては
『「見る」とはどういうことか―脳と心の関係をさぐる』

という新書がおすすめ。
わかりやすいしカラー図版も豊富。

視覚の中でも人気者、「錯視」についてはこの本がおすすめ。
『錯覚の世界―古典からCG画像まで』

ユーモアのきいた文章で錯視を紹介してくれる。
図版も多くてぱらぱら見るだけでも楽しい。


ついでイロモノ特集。
上の本はレポートや卒論のタネになりやすいのに対し、こっちはおもしろいし興味深いんだけど深入りすると実験がぐだぐだになる可能性大のもの。
『脳は美をいかに感じるか』

今や「神経美学」の第一人者となってしまったゼキ御大のおもしろ本。
いろんな現象が紹介されてて面白い。
んが、美的感覚を実験にのせるというのは頭かかえたくなるくらいややこしいことなので、初心者にはおすすめできない。
「いつかこんな研究ができたらいいな」ぐらいに思って読む分にはとても楽しい。

あとは、「アフォーダンス」関係。
『知性はどこに生まれるか―ダーウィンとアフォーダンス』

なんかは初心者向けに書いてくれてるからふむふむと読めてしまうのだが、アフォーダンスの概念をさらに発展させようとか実験にのっけようとすると詰む。
なんてゆーか、「アフォーダンス」ってもう完結した思想なんだよね。
面白い考えだし実際そういう情報処理はありだと思うんだけど、アフォーダンスを出発点にして詰んだ学部生というのは佃煮にするほどいるらしい。
知識として知っておくべきだけど、ここから実験を考えよう!というのはおすすめできない。
でもおもしろいんだよねえ。

そして「共感覚」関係。
『共感覚者の驚くべき日常―形を味わう人、色を聴く人』

など。
実際に実験してる人は知人にもいるのだが、被験者(共感覚のひと)を見つけるのがたいへんらしい。
実験するに足る人数集めるのたいへんだろーなー。
わたし自身も、文字と色に関しては「あーあれだなー」と連想する程度の「アソシエイター」型なので、あんましはっきりしてないし実験に向いてないもんなー。
「プロジェクター」型っぽく見えるのはどうも音の「調」らしい。
でもそっちはさらに人数少ないらしいので実験にならないよな・・・
絶対音感持ちのひとは各音に色がついたりするらしいが、わたしは音の識別がつかないのでそもそも音ごとの実験だとぐだぐだになるしなw
共感覚は「おもしろいが実験できない」現象の最たるものかもしらんね。


ちなみにこれらの本は「わたしが読んで面白かったもの」という縛りで選定してるので、へんに偏ってるのはかんべんしてください。
もっと他に最適な本はあるかもしれない。
あくまで「個人的なおすすめ」ということで。

無題
ヘッブ『行動の機構』は、今年の2月ごろに3月出版とのフライング告知がありましたが、
結局4月15日に岩波文庫から出ることになったようです。
鹿取廣人先生ほか訳です。
by NONAME 2011/03/23(Wed)04:00:54 編集
Re:無題
まじですか!!???
ttp://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/33/2/339471+.html
本当だー!!!!!

情報ありがとうございます!!!
翻訳者も錚々たる顔ぶれ!!!
1000円未満で読めるようになるとは!
あ、でも全2巻か。さすがに1冊では無理か。
でも2巻あわせても中古本の4分の1程度のお値段!
これは期待。
停電とか節電に負けず岩波さんにはがんばってほしいです。
2011/03/23 17:11
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