めもめも ...〆(。_。)
認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。
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思わず「うおおおおおおおおおおお」と頭を抱えて叫びたくなるようなネタがひさしぶりにvikingさんのところで出てたので釣られてみる。
参照→http://viking-neurosci.sakura.ne.jp/blog-wp/?p=6140
釣られポイントその1.
”真っ当な「神経科学の研究者」が言うことはつまらない”とか本気で言ってるんかああああああ。
わたしの敬愛する某S先生なんて、ガチガチのマウスに電極系神経科学のひとですが、うちの部局一おもしろくて学生に人気のある先生だというのに!
某F先生だって、著書はわたしのよーなあんぽんたんには難しいけど、お話はすごくわかりやすくておもしろかったというのに!
一人でもまともに神経科学者と話してから書けよ!
というわけで、”一般向けの「脳科学本」を執筆することもない。科学者は、市井の人々に語る言葉を持っていないのである。”という命題に対して反例をいくつかあげておこう。
反例があるんだからこの命題は真ではない。
とりあえず前に出した入門書紹介。
http://azcog.blog.shinobi.jp/Entry/329/
脳に焦点をあてるなら
このブルーバックス上下巻はオススメ。
著者は日本人ちゃうやんけーと言いたいひともいるだろうけど、ちゃんと日本語訳されてるんだからありがたいことだと思う。
日本人じゃないけど売れ筋なのは
もし、「日本人著者じゃなきゃ反例にならない」というのであれば
と、まあざっとあげてみるだけでこれくらいはある。
このへんのはだいたい教養課程大学生向けだから、社会人は当然読めるはずだし「一般向け」と言っていいはず。
ゆとり学生あほだあほだと言ってるマスコミの方々なら難なく読みこなせるはずだよ!
だから「つまらない」なんて言う前にちゃんと読んでくれよ。と思う。
釣られポイントその2.
”似非脳科学者たちを妄信する愚を繰り返さぬよう、国民の科学リテラシーを高めることこそ急務である。”について。
実はもうわたしは「国民の科学リテラシー」などというものに期待はしていない。
と、言い切ってしまうと危険だけど、「国民の科学リテラシーを高める」なんて崇高な課題が一朝一夕でできるわけない。
勿論、科学リテラシーを高めるための科学教育は重要なことに異論はない。
だけど現在の「似非脳科学」が広まっている状況をどうにかするには「科学リテラシーを高める」という方法は迂遠過ぎる。
以前友人と少し話したんだが、「合理的でないひとに合理的な説明を以って説得するという方法は合理的ではない」からだ。
合理的でないひとは、合理的な説明や論理展開が苦手だ。
合理的でないひとは、そのひとの感情に沿った説明や説得に従う。
「こうだったらいいのにな」という合理的でない願望に沿った説明があるのならば、その説明に従うだろう。
「このひとはなんとなく好きだな。じゃあこのひとが言うことは信じてもいいだろう」と、印象からくる好悪の感情で真偽を判断する。
それらの是非はおいといて、実際に「似非科学」に踊らされるひとはそういうものだ、たぶん(他のタイプもあるだろうけど、わたしが観察した限りではそう思う)。
だから、合理的ではない人々に「似非科学」(わたしが接するところでは「似非脳科学」、随分長いことはびこっている「似非心理学」)の非合理性、非論理性を説いたところで「わからないこと/むずかしいことを言うひとだ。このひとはあまり好きじゃないな」となって説得としてはネガティブなものになってしまう可能性が高い。
個々の「似非科学」に対応するには、合理的でない人々の説得が必要なのだ。
「こうだったらいいのに」と願うあまり似非科学を受け入れるひとには、「実はそれは逆効果だよ」とその願いと似非科学の無関係さを伝える(この場合、本来ならば科学的検証が必要だが、合理的でない人々が受け入れやすいように戯画化するしかない)べきだ。
似非科学を語る/科学を騙る人物のほうが好意を持たれその言説が安易に信用されてしまうのなら、その人物は好意にも信用にも値しないことを示すか(・・・悪口になってしまうね)、自分あるいは別の専門家のほうがより好意や信用に値することを示すしかない。
結局、合理的でない人々にとっては、「どちらを信じるか」という問題でしかないのだ。
彼らの視座にたてば、科学も似非科学も「宗教」の問題になってしまう。
「科学も宗教のひとつ」という言明は、その一面(だけ)に注目しているものなのだ。
本当に「科学も宗教だ」と思っているひとに、論理的思考による判断を強制することは徒労である。
(長い長い説得の末に変化することはありうる。でも、長い長い説得が可能であるケースというのは少ないのではないか?)
「似非科学」を「倒す」のには、科学的方法では足りないのだ。
「似非科学」がやらかしたように、合理的でないひとの感情に寄り添って「こちらに靡け」と説得する必要がある。
リテラシーの向上じゃない。説得が必要なんだ。
科学サイドはこのへんをもちょっと認識しないとだめだ。科学サイドは「みんなよく考えたらわかってくれるよ」という性善説ならぬ性科学説に傾きすぎだ。
つまりアレだ。
Change Blindnessを「アハ体験」とか言うやつはPerception系の学会で土下座して謝ったほうがいい。
今の世の中で求められているのは、イケメン/美人神経科学者だ!!!
見目麗しく優しい声の科学者が、難しいことを脇において、やっさし~く説得してくれるという構図が必要なのだ!
それなりに論理的な思考ができるひとに対しては、引き続き研究者達は科学リテラシー向上につとめる必要があるのは言うまでもなし。
急募!美貌持ち&優しい説得のできる神経科学者!
・・・まあ何がどうなるわけでもないけれど。
ところで、今年は某学会大会で心理学者vs.某K先生のシンポジウム(正式名称は忘れた)がありますね。
残念ながらわたしは出席できないのですが、心理学方面にあまり深入りせずに「認知機能改善」を旗印にあげた某先生に対して、ど真ん中心理学者たちはどんな反応をし、どんな質問をするのでしょうね。
出席できないのが本当に残念です。
参照→http://viking-neurosci.sakura.ne.jp/blog-wp/?p=6140
釣られポイントその1.
”真っ当な「神経科学の研究者」が言うことはつまらない”とか本気で言ってるんかああああああ。
わたしの敬愛する某S先生なんて、ガチガチのマウスに電極系神経科学のひとですが、うちの部局一おもしろくて学生に人気のある先生だというのに!
某F先生だって、著書はわたしのよーなあんぽんたんには難しいけど、お話はすごくわかりやすくておもしろかったというのに!
一人でもまともに神経科学者と話してから書けよ!
というわけで、”一般向けの「脳科学本」を執筆することもない。科学者は、市井の人々に語る言葉を持っていないのである。”という命題に対して反例をいくつかあげておこう。
反例があるんだからこの命題は真ではない。
とりあえず前に出した入門書紹介。
http://azcog.blog.shinobi.jp/Entry/329/
脳に焦点をあてるなら
このブルーバックス上下巻はオススメ。
著者は日本人ちゃうやんけーと言いたいひともいるだろうけど、ちゃんと日本語訳されてるんだからありがたいことだと思う。
日本人じゃないけど売れ筋なのは
もし、「日本人著者じゃなきゃ反例にならない」というのであれば
と、まあざっとあげてみるだけでこれくらいはある。
このへんのはだいたい教養課程大学生向けだから、社会人は当然読めるはずだし「一般向け」と言っていいはず。
ゆとり学生あほだあほだと言ってるマスコミの方々なら難なく読みこなせるはずだよ!
だから「つまらない」なんて言う前にちゃんと読んでくれよ。と思う。
釣られポイントその2.
”似非脳科学者たちを妄信する愚を繰り返さぬよう、国民の科学リテラシーを高めることこそ急務である。”について。
実はもうわたしは「国民の科学リテラシー」などというものに期待はしていない。
と、言い切ってしまうと危険だけど、「国民の科学リテラシーを高める」なんて崇高な課題が一朝一夕でできるわけない。
勿論、科学リテラシーを高めるための科学教育は重要なことに異論はない。
だけど現在の「似非脳科学」が広まっている状況をどうにかするには「科学リテラシーを高める」という方法は迂遠過ぎる。
以前友人と少し話したんだが、「合理的でないひとに合理的な説明を以って説得するという方法は合理的ではない」からだ。
合理的でないひとは、合理的な説明や論理展開が苦手だ。
合理的でないひとは、そのひとの感情に沿った説明や説得に従う。
「こうだったらいいのにな」という合理的でない願望に沿った説明があるのならば、その説明に従うだろう。
「このひとはなんとなく好きだな。じゃあこのひとが言うことは信じてもいいだろう」と、印象からくる好悪の感情で真偽を判断する。
それらの是非はおいといて、実際に「似非科学」に踊らされるひとはそういうものだ、たぶん(他のタイプもあるだろうけど、わたしが観察した限りではそう思う)。
だから、合理的ではない人々に「似非科学」(わたしが接するところでは「似非脳科学」、随分長いことはびこっている「似非心理学」)の非合理性、非論理性を説いたところで「わからないこと/むずかしいことを言うひとだ。このひとはあまり好きじゃないな」となって説得としてはネガティブなものになってしまう可能性が高い。
個々の「似非科学」に対応するには、合理的でない人々の説得が必要なのだ。
「こうだったらいいのに」と願うあまり似非科学を受け入れるひとには、「実はそれは逆効果だよ」とその願いと似非科学の無関係さを伝える(この場合、本来ならば科学的検証が必要だが、合理的でない人々が受け入れやすいように戯画化するしかない)べきだ。
似非科学を語る/科学を騙る人物のほうが好意を持たれその言説が安易に信用されてしまうのなら、その人物は好意にも信用にも値しないことを示すか(・・・悪口になってしまうね)、自分あるいは別の専門家のほうがより好意や信用に値することを示すしかない。
結局、合理的でない人々にとっては、「どちらを信じるか」という問題でしかないのだ。
彼らの視座にたてば、科学も似非科学も「宗教」の問題になってしまう。
「科学も宗教のひとつ」という言明は、その一面(だけ)に注目しているものなのだ。
本当に「科学も宗教だ」と思っているひとに、論理的思考による判断を強制することは徒労である。
(長い長い説得の末に変化することはありうる。でも、長い長い説得が可能であるケースというのは少ないのではないか?)
「似非科学」を「倒す」のには、科学的方法では足りないのだ。
「似非科学」がやらかしたように、合理的でないひとの感情に寄り添って「こちらに靡け」と説得する必要がある。
リテラシーの向上じゃない。説得が必要なんだ。
科学サイドはこのへんをもちょっと認識しないとだめだ。科学サイドは「みんなよく考えたらわかってくれるよ」という性善説ならぬ性科学説に傾きすぎだ。
つまりアレだ。
今の世の中で求められているのは、イケメン/美人神経科学者だ!!!
見目麗しく優しい声の科学者が、難しいことを脇において、やっさし~く説得してくれるという構図が必要なのだ!
それなりに論理的な思考ができるひとに対しては、引き続き研究者達は科学リテラシー向上につとめる必要があるのは言うまでもなし。
急募!美貌持ち&優しい説得のできる神経科学者!
・・・まあ何がどうなるわけでもないけれど。
ところで、今年は某学会大会で心理学者vs.某K先生のシンポジウム(正式名称は忘れた)がありますね。
残念ながらわたしは出席できないのですが、心理学方面にあまり深入りせずに「認知機能改善」を旗印にあげた某先生に対して、ど真ん中心理学者たちはどんな反応をし、どんな質問をするのでしょうね。
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もっさり:日々の雑感をもっさり。
がっつり:論文や研究関連をがっつり。
びっくり:科学ニュースでびっくり。
まったり:空想科学などでまったり。
ばっかり:デザイン系自己満足ばっかり。
ほっこり:お茶を嗜んでほっこり。
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性別:
非公開
自己紹介:
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分野は視覚認知。視知覚にがて。
あと記憶全般。
カテゴリ (semanticsか?) とかも。
最近デコーディングが気になる。
でも基本なんでもこい。
好奇心は悪食。
好きな作家(敬称略)
川上弘美
小林秀雄
津原泰水
森茉莉
レイ・ブラッドベリ
イタロ・カルヴィーノ
グレッグ・イーガン
シオドア・スタージョン
分野は視覚認知。視知覚にがて。
あと記憶全般。
カテゴリ (semanticsか?) とかも。
最近デコーディングが気になる。
でも基本なんでもこい。
好奇心は悪食。
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