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めもめも ...〆(。_。)

認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。

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今日はおよそ一年ぶりくらいになるんじゃないかというSF話。

某国の某なめくじが道路に突進してくる都市のことをもうすこし好きになろうと試みてみる。
某都市を舞台にしたSFを読もうじゃないか。
そうすれば、雨の多い某国の中でも特に雨が多くてなめくじが大量発生してパン屋さんもカフェもろくにない某都市のことをちょっとは好きになれるかもしれない。
某都市出身で、某都市を舞台にしたSF作家の翻訳が早川さんとこにあるというので、てけとーにぽちって読んでみた。

『ヴァート』という若干サイバーパンク的なお話。


詳細はつづきのところで。



タイトルの『ヴァート』というのは、この作品世界のドラッグの一種の名前。
羽の形をしていて、それをのどにつっこむとトリップできるというシロモノ。
・・・考えただけでもえづきそうですが、そこは考えないことにいたします。
合法ものと違法ものがあって、合法ものは青い色をしていて、違法ものは黒なんだそーな。
青色はお手軽なおなぐさみトリップをもたらし、黒はなにかと危険なトリップ。
他にも、合法&えろえろな桃色羽、黒よりさらに危険な黄色羽、羽ドラッグ製造者が使う銀色羽があるそうな。
トリップといっても、(たいていは物語性のある)仮想空間が羽ごとにあり、摂取するものはその仮想空間へとはいっていく設定。
なので一枚の羽/仮想空間を複数人で共有することも可能。
このヴァートという羽ドラッグを主軸に物語が進んでいきます。

わりと世界観つくりこみ系SFで、このほかにもドラッグ的ガジェットいろいろ登場。
たとえば「ヴァズ」というグリセリンみたいなやつ。なんかいろんな機能が練りこまれたジェルで、こいつを車やら銃やらに練りこんだりして操作性を高めているシーンがあります。
なにそのドラ○もんジェル。
他にも多種多様なドラッグがあるようですがそこんところは本筋に関係ないんで略。

人種の設定も、「ヒト」のほかに「犬」「ロボ」「シャドウ」「ヴァート」がある。
犬やらヴァートは人間型じゃないですけど。
シャドウというのは、影でできた体をしていて、煙を出したり思考を読み取ったり摩訶不思議な人種。
「ヴァート」は、ドラッグでできた体を持つ生物。
この5種は混血可能で、混血がすすめばすすむほど、ドラッグな世界では「クール」なようで、たびたび「The pure is poor」という標語が登場します。

そんな舞台で主人公は一人のアウトロー青年、その名は「スクリブル」。
仲間とつるんで生活保護をもらってヴァートに明け暮れる日々。
しかも実の妹が恋人。
ところがある日、危険なヴァートのトリップで妹がヴァート空間で行方不明になってしまう。
かわりにスライムみたいなヴァート生物が残された。
果たしてスクリブルは妹を取り戻すことができるのか!?
というのが物語の主軸。

違法ヴァートやら犯罪にも手を出してるので警察にも追われるし、妹を取り戻す手段はなかなか見つからないし、仲間割れなんかも起こるし・・・多種多様なヴァート世界と某都市の裏路地な場所を転々と行ったり来たり七転八倒を繰り返して、やがて破滅のようなそれでいて幸福なような終末にたどりつきます。


で、感想。
うーむ。
世界観とか面白いんだけど、ドラッグトリップがメインのいかにもなアングラものってそんなに好きではないんだよなー。
まあ古い作品だからしかたないんだけどねー。
インドとかオランダとかの「そーゆー話」が好きなひとなら楽しめるかなー。
そいえば某I先輩がオランダ行ったときは、空港に降りた時点でトリップして床をごろんごろんしてるヒトがいたっていってたなー。
そういうのを見て楽しめるヒトにおすすめ。

あ、あと世界観とかガジェットの説明とかわりと後ろのほうで説明されるんで、最初のうちは何が起こってるのかちょっと把握しにくいってのがやや読みにくいかも。
把握しとくといい設定はすでに↑で書いちゃったから、これ読んだひとはそんなに困らないと思うけど、何も知らずに読み始めると知らない単語知らない現象のオンパレードが若干うっとーしく感じられる可能性はある。
結末には納得がいってるので今となっては気にならないけどね。


肝心の「某都市」描写としては、車で逃走するときにこまかなストリート名が出てくるんですが、どうも都市のアングラなかんじの部分のストリートらしくさっぱりわからず。まあ「ディスコ(古い本なので表現が古い)」だのドラッグであるヴァートの店だのが想定されるような街の部分には行ったことないから当たり前っちゃ当たり前なんですが。だってこわいし。チキンより弱いひよこだし。
あ、運河も出てきたけどさすがにそれはわかった。まみどりの水の上に、ちっさい家をのっけたようなボートがいくつも浮いてるとこだ。
あとわかるのはチャイナタウンくらい。まあチャイナタウンはどこの都市でもあるからなあ。
某都市に愛着を持つには至らず。
他にももう一冊この作者の本買ってみたので、とりあえずそれも今度読んでみよう。


あ、どうでもいいことですが、作中に「おいしい料理を作る料理人」というのが登場するので、その「料理」をちょっと書き出してみる。
「豚の血でシチューした華奢なツバメの羽」「ヤシの葉に並べたイカ墨の袋」「ミソサザイの卵の炭焼き」「サフラン風味マリネ」「まぐさの繊維で蒸し焼きにした子羊の目玉をシャドウ油で揚げたもの」「香辛料を効かせた野菜」「ぱりっとしたサラダ」「しょうがとにんにくのペースト」「シナモンカスタードの入ったアップルパイ」など。
・・・うーむ。さすがというかなんというかあんまし魅力を感じないな・・・
まあメニュー名がそんなに魅力的じゃなくても、食べる描写に魅力があればおいしそうに思えるものですが、味については「うまい料理」とかしか言及がないんだよな・・・
食べる描写も「夢中でたべた」とか「口のまわりをべたべたにした」とかそんなかんじだし。
いわゆる「下層」な生活してる人という設定だからお行儀がよろしくないのは別にいいんだが、それにしてもおざなりだ。
やはりごはんがまずいことで有名な国だけあって作家の描写もそんなんなっちゃうのだろーか・・・?
いやでも知ってる某国某都市の教授は「店においしい料理がない」という理由で自分でスモークサーモンやらなんやら作っちゃうって言ってたから、某国人でもちゃんとした味覚の人はいるはずなんだけどな・・・
ただまあ都市部の飲食店の料理のなげやりっぷりを考えると、全体的に食事に興味があるひとが少ないのかもしれない。

結局は、どこにいっても生き延びられるように、自分の料理の腕を磨くしかないということだろう。
・・・まあそれ以前に、「どこか」に行ける実力が伴わないといけないけどな!
なんという自虐ネタ。

後味がわるくなったところで今日はおしまい。

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