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めもめも ...〆(。_。)

認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。

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今日で某大への出張非常勤担当分しゅーりょー。
…まあレポート採点とかあるんですけど、出張して講義するのはしゅーりょーなのでよしとする。
せっかくなので、某大行く道の途中にあるお菓子屋さんでホールのアップルパイを買って、研究室の後輩たちを自分打ち上げに巻き込む。
かんけーないのにひでえwwww
でもアップルパイうまかったのでよしとする。
当初の目論見どおり、アップルパイとアールグレイのアイスティーはなかなか相性がよろしかった。
くだもの系なのがよいのか?


非常勤向けにまとめた話で、ちょっと毛色がかわったのをのせとく。
顔に関する症例研究。
まあなんかのネタになるかもしれん。

・相貌失認
顔に関するもので一番スタンダードなもの。
顔を見てもそのひとが誰かわからない。
顔の弁別ができないから、日常生活では声や髪型、服装などで判断する
性別や年齢の判断もできなくなる場合がある
視覚認知そのものは良好
表情の識別はできる
後頭葉や側頭葉下部(紡錘回含む)損傷でおこる

・カプグラ症候群
顔の認識はできる
人が、その人ではないように感じられる(「あれはよくできたロボットだ」「宇宙人があの人になりすましている」等の訴え)
人に対する既知性だとかfamiliarityの障害

・統合失調症
感情の平板化、幻覚などいろいろな症状
しばしば妄想を伴うが、妄想では人の顔の表情や視線を「誤解」する(「嘲っている」、「監視している」などの訴え)
責任部位は扁桃体とかいろいろいわれてるらしい

・アレキシサイミア(失感情症)
他人の表情&感情が理解できない
自分の感情も表出できない
自分の情動的反応をそれと認識できないこともある
行動の理由を自分以外に求める
帯状回などが責任部位か?


「顔」という情報が特殊だ、というのは心理学の世界では耳にたこが明石の海レベルでできるくらいに聞く話ですが、「顔」に関する神経心理学というと相貌失認ばっかに注目がいきがち。
んでも顔認知に関する症状ってのはそれだけではないよな。と。

とはいえ、「顔」と「表情」ってまた別もんだよなあ。刺激の種類としても研究のジャンルとしても。
なんて思ったりする。

かお
最近の興味と通ずるところがあったので。
点が3つあれば顔になるとか言うけども、近頃ですね、ゲシュタルトとして把握されて、かつ、「表情の座となる」ような対象とか部位を、〈顔〉として考えることにしているんだが、すると、人体では、手も十分〈顔〉であったりする。脚は、手より〈顔〉にならないことが多い。
漫画家とかでも、手を〈顔〉として描ける人がいるいっぽうで、顔も〈顔〉にできない人がいたりね。
〈顔〉を認識する側を考えるのも、〈顔〉をつくる側を考えるのも、おもしろいなと
by K 2010/07/09(Fri)11:31:43 編集
Re:かお
ようひさしぶり。

点が3つあれば顔に見える、というのは「シュミラクラ現象」というもったいぶった名前がついているらしいが、どうも俗説らしいぜ!
実際のとこ顔に見える気がするから妥当そうに思えるが、ちょっと調べたところではちゃんと研究した文献が見つからなかった。
どうもオカルトな人々の間で「そういう研究があるらしい」と囁かれている都市伝説っぽい。

ただ、心理学の研究のなかでは、顔のような配置の図形は顔部品をランダムにならべた福笑い状態の図形よりもこどもが好んで見る、などの研究があって、「顔選好」という言い方はするけどなー。
「顔選好」がつよいあまり顔っぽい配置のものを探し出してしまうのかもしれん。

顔認識については、「配置」がだいじだといわれていて、その「配置」がくずれちゃうと違う顔だとみなしちゃうようだ。
「配置」を「ゲシュタルト」と言うことは可能かもしれんな。しかし本読みはいちいち言い回しが古いのう。今ゲシュタルトとか言うやつ少数だろ。
表情についても、配置がだいじなんだが、表情ごとに重要視されるパーツが違うとかいろいろあるみたいだぜ。
そこらへんはあんまし詳しくないのであんまはっきりしたことは言えんが。

手については、ジェスチャーとかそこらへんだな。
誰だっけ、葬式で泣かない女がハンカチをにぎりしめてて指が真っ白になってるのを見て、その女の悲しみの深さを知ったとか書いてたやつ。
たしか日本人だったんだけど。
吉行?太宰?鴎外?忘れた。

「表情を理解する」という「理解」の点に興味の重心をおくなら、「メンタライジング」的な研究テーマについてぐぐるとよいかもしれんね。
まあ違ってても責任もてんけど。
2010/07/09 21:28
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