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めもめも ...〆(。_。)

認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。

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というわけで学会まとめさらにつづき。
前回「あてんしょん&こんしゃすねすやるぜー」って言ってたけどでこーでぃんぐ・こんしゃすねすも(一応)聴いてたのだった。
なので2ついっきにまとめよう。

どうせ前回とおなじく途中でみみずの呪いにかかりますから。
ほんとなにしにいったんだ自分。
まあジャンル的にアウェー感パネェので致し方なし。

とりあえずこれで学会ノートまとめ終わり。
またちまちま自分の勉強に戻ろう。


まずはでこーでぃんぐ。

Fukudaの"Correlation with Default Mode Network can be manipulated by unconscious operant conditiong with real-time fMRI neuro feedback"とかそんなの。
左motor areaにtask positiveな、(どっちか忘れた)lateral parietalにtask negativeなフィードバックを与えてresting stateがどう変化するか、を見たようだ。
課題はタッピングかなにか。
フィードバックを与える訓練をするグループと、イメージの中でタッピングする課題するグループと、偽のフィードバックを与えるグループとで比較。
試行(ブロックか)の前後にresting stateをいれる。
訓練は1~4日くらい。
訓練の2ヶ月後、ちゃんとフィードバックしたグループでのみパフォーマンスが向上した。
フィードバックしたグループでは、左motorやIPS、MT+、FEFがポジティブ・ネットワークを形成し、LPやMPFやPCCがネガティブ・ネットワークを形成していた。
ポジティブ・ネットワークとネガティブ・ネットワークはフィードバックグループで正の相関があった。
task positive/negativeは意識的につかいわけることが不可能。
ネットワークの相関は日が経つと減っていくのがふつう。
行動データは提示されず。
Default Mode Networkの相関は統合失調症で高いことが知られている(出典めもれず)。


つづいて、Sandbergの"Predicting the conscious experience of other people"について。
両眼視野闘争状態にMEGかけて、どう見えているのかデコーディングするという研究。
prior knowledgeなし(訓練試行なしってことか?)のデコーディングをめざす。
実験参加者は6人で275チャネルのMEGにかけた。
顔とガボールパッチの回転したのみたいなやつで両眼視野闘争状態にして、どっちが見えてるか報告させた。
刺激オンセットから分析してぜんぶのチャネルにSVMかけた。
2-10Hzのフィルタかけて、10freqごとにわけた。(あんまこのへんよくわかってない)
まずはwithin-subjectでやってみた。(1このデータ抜いて残りでSVM、1こを予測できるか、みたいなやりかたのやつ)
within-subjectの予測の正確さは最大で80%(といっても「平均」とったらもっと低そうなグラフ)、ピークは187msと267msに。
betweenでやったらピークは同じだけど正確さの最大値は58%くらいになった。
顔とガボールパッチのコントラストをとったらやっぱ紡錘回由来っぽいとこ出る。
ERFは20Hz以下が予測に有効そう。40~80Hz帯も試行全体での予測に有効っぽい。
これからはもっと精度をあげたいな、だそーな。
両眼視野闘争なんだから知覚交代が起きてるはずだけど、それに関しては何もせず。


続いて、Jean-Remi Kingの"Detecting conscious and unconscious processing at single trial level"という話。
Bekinschtein et al. 2008 PNASにtwo-level odd ballという課題が出てくる。
30秒くらい馴化してから3~4分のテスト試行する。
ブロック1では、刺激Aばっかでる馴化してから80%が刺激Aで20%が刺激Bなテスト試行する。
ブロック2では、刺激Bで馴化して80%がBで20%がAなテストする。
これをEEGでやったり頭蓋内の電極でやったり注意+MEGでやったりした。
Global effectというのがP3bという波で430msのとこにでるらしい。
1試行を除いてぜんぶの試行を訓練にしてその残り1試行を予測できるか、という例の方法でデコーディング。
頭蓋内のと注意MEGでは比較的遅い成分でもlocalで予測に成功。
早い成分ならGlobalでも成功。
(このへんから意味不明になる)


というわけで気を取り直してKingsonの"Multisensory representations of object identity"へ。
Driver & Noesselt 2008 NeuronのfMRIによるmultisensory mappingを下敷きとする。
あとDamasio 1989 CognitionやMeyer & DamasioのTiNSに出てくるConvergence-Divergence Archtectureというものも。(よくわからん)
それと初期知覚野→連合野という考え方も。
日常オブジェクトを用いてクロスモーダル(実際には視覚と聴覚)分類課題をさせた。
(たとえば、いぬの絵といぬの吠える声とか、電話の絵と電話の鳴る音とか)
学習段階では、視覚&聴覚提示、聴覚だけ提示、視覚だけ提示をぜんぶ出した。
それをゆっくりめなevent-related designで実施。
ローカライザも設けて視覚と聴覚に関して典型的なエリアも特定。
ただしオーバーラップしているところもあった。
んで同じモダリティに関してMVPA。
6way classificationに成功。だいたい40%くらいのAccuracyだった。(6択ならチャンスレベルは33%か・・・?)
聴覚試行を訓練にして視覚試行をテストにすると15~30%くらいのAccuracyだった。(うーむくるしい)
できなかったヒトもいるが、グループで平均したらできてる。(それはいいのか?)
Kriegeskorteのサーチライト分析したら右TPJが視覚・聴覚共通して予測に重要な部位だった。
じつはこの部位はローカライザでもオーバーラップしてた部位なんだよ!な、なんだってー。
ふーむじゃあ視覚&触覚ではどうだね、って質問がフロアからきたけど、MRIでは触覚実験むずかしいよねーという逃げを打ってた。
(個人的には、できるヒトできないヒトをまるめてしまうのがこの場合よいことなのかどうか非常に気になる)


そして、このあと2人ばかし続くのだけども、どちらもタイトルとイントロをめもったあたりでみみず文字に陥ってた。
結果さえ聞いてないなんて本当にどうかと思う。
うーむ。ちゃんと眠気対策をしておくべきだった。
反省。


嘆いていてもしかたがないので、このままあてんしょんコーナーになだれこむ。
まああてんしょんコーナーでも陥るところはおんなじなんだけどな!
とりあえず自分の意識のあったところを復習できればそれでよし。
あてんしょん研究なんだからちゃんと聴衆のあてんしょんを惹いてくれないとねー。
と責任を転嫁してみたりのたりのたり。


まあいいや。
Lammeの"Cognition is nice, but consciousness is better"という何が言いたいのかつかみにくいタイトルの話から。
オブジェクトのchange detectionのあとの再認というのはあんましできがよくない。Sligte et al. 2008, 2009, 2010
アイコニックメモリとワーキングメモリはどちらがconsciousか?実は答えは「両方」なんだよ!な、なんだってー。という話らしい。
課題は、オブジェクトのchange detectionしたあと、変化する前のオブジェクトが何だったか再認させるもの。
Feedforward sweepとしてV1→V4→TEという古典的モデル採用(てことはサルだ)。
このへんはLamme & Roelfsema 2006 TiNSや2003,2006のTiCSを参照のこと。
Processingをdepth process (cognition)とfeedforward/recurrent (unconscious vs. conscious)との2軸に分類。
さらに、マスクかけて知覚できない顔vs.知覚できる顔を作ってunconscious vs. consciousの状況作ってみた。
知覚できない顔というのはすばやく減衰する(アイコニックメモリに対応か?)が、知覚できる顔は長持ちする(ワーキングメモリに対応か?)
右FFAの活動はやっぱし知覚できる顔>できない顔。
でも知覚できない顔もfeedforwardを活性化させる。IFGも活性化した。
注意が向けられていない状態というのは、「完全に気づいてない」「cognitionに至らない」「knowing(記憶か?)に至らない」の3種類あるのではないか。


つづいてKeizerの"Consciousness is not necessary for feature binding"という話。
(このへんについては数年前にけっこーJEPとかそこらでガチバトルだったよーな記憶がうっすらあるけど、まだ決着ついてなかったのだろーか)
Object detectionで、同じ位置に同じオブジェクトが出ると検出が早い。違う場所にオブジェクトが出ると検出が遅い。
位置のマップと形のマップはConflictが起こるのか?
De-bindやRe-bindが起こるのか?
そんなテーマで閾値ぎりぎり以下なオブジェクトを同じ位置に提示してみた。
オブジェクトはガボールパッチで、オブジェクトがあるかないか判断させる課題で、判断がちょーど50%になる度合いをあらかじめはかっておく。
本実験ではパッチの向きを判断させる。そこに(たぶんパッチと同じ位置に)閾値下のうっすーいマスクをかける。
閾値下だけどマスクの効果があったよ!これはバインディングにはconsciousnessいらんってことだろー!という結論らしい。
これからの改善点としては、
・マルチモーダルなバインディングでも起こるか?
・unconscious bindingの神経基盤/相関は何か?
・(個々の特徴情報は個別に処理されるのに)conscious experiencesではunifiedな表象になるのはなぜか?(個人的にはこの疑問にすごく興味がある)
フロアから出た質問「Attentionは必要じゃないのか?」「必要かも」(え、どういうことだ)、「特徴バインディング(とくに位置に基づくもの)特有の現象か?時間に基づくバインディングではどうなるか?」「(わからんけど)可能性はある」
とかそんなかんじ。
だんだんAttentionとConsciousnessの関係がわからなくなってくる。
そもそもわかっていないというツッコミもあり。


続きましてCohenの"Visual attention is necessary for visual awareness"というなんかさっきと似たようなタイトルの話。
似たようで全然違うともいう。
まずAttentionを「選択を行う機能」と定義付ける。
その上で、Awarenessあり/なしのAttentionとAttentionあり/なしのAwarenessを検討する。
AttentionなしのAwarenessについてがこの話。
あとKoch&Tsuchiya 2007参照。
自然風景なぞのgistについては、Mack & Rock 1998でマスクかけたりしてもちゃんと風景gist把握できる。
・風景gistとInattentional blindnessに関する発表者の論文が今度Psyc.Sci.から出るからそれも参照。
風景gistとattentional blinkについてはMarois&Chun 2004 Neuron参照。
・Object detectionもAttentionなしでできる例があって、Li et al. 2002 PNASの動物か乗り物を検出する課題を課した二重課題とかあった。
オブジェクト検出とInattentional blindnessについては前述のin press論文にあるからそれも参照。(論文宣伝多いな)
シングルタスクのがデュアルタスクよりパフォーマンスよいとするWalker et al. 2008も参照。
・ポップアウトとか視覚探索とかの課題では、ディストラクタが増えてもRT変わらないという例(Jose?? et al. 1997 Nature 悪筆すぎて著者名解読できず)
Attentional blinkもあり(詳細不明)
視覚探索でもシングルタスクのがデュアルタスクよりパフォーマンスよいというMost et al. 2005 Psyc. Rev.参照。
ポップアウトとInattentional blindだと32%がMiss試行になる。
そんなこんなの総括で、まずは単純なモデル。
情報InputはAttention向けられる/向けられないで選別され、さらにAttention向けられたものがConscious/Unconsciousのふるいにかけられ、Consciousなものだけが被験者に報告される、というモデルを提案。
Attentionは一枚岩ではない。という結論。


上のAttentionなしAwarenessの話を受けて、次のHsienの"Unconscious Pop-out"の話が展開する。
さっきの逆、つまりAwarenessのないAttentionは存在しうるのか?という問題提起。
これを調べる方法としてポップアウトを使う。
刺激がSalientだとConsciousになってしまう。
んでFlash suppressionという課題を用いた。
片方の目にdynamicなモンドリアン図形、もう片方の目にポップアウトする図形とガボールパッチしてステレオスコープで提示、方向と見える見えないを強制二択で答えさせた。
パフォーマンスは、ポップアウト図形の位置に灰色のガボールがあるターゲット>逆の位置にガボールがあるコントロール
ISIを100~300msに伸ばすと、遅延の大きいほうがターゲットとコントロールの差が大きくなった。
そしてAwarenessは報告されなかった。AwarenessなくてもAttentionは向けられる。
トップダウンAttentionはどうか。ということでモンドリアン図形のほうに数字を足してみた(この手続きでトップダウン注意って言っていいものなのか?)→効果なし(差がなくなった)
このへんはPsyc. Sci.に論文出る予定だそうな。


んで次の話者がUnconsiousなトップダウン注意はありやなしやという話をしていたっぽいが、みみずどころか完全撃沈していて詳細不明。
「不可能ではないらしい」というめもがあるから、まあありうるのかもしれん。



感想。
AwarenessとConsciousnessって違うんじゃなかったっけ?
なんか気づいたら「AwareじゃないからUnconsciousだ」とかそんな言い回しに塗れたよーな。
そもそも、定義が話者/研究グループによってばらばらっぽい気がする。
そしてAwarenessとConsciousness、どっちを日本語の「意識」と呼んだらいいのかわからん。
「この課題にこの反応したら意識」という定義しかできないのだろーかー。(それは心理学の宿命でもある)
じゃあ課題変わったらそれは違う「意識」を扱ってることになるのか?

あと今回知覚やさんがメインだったからさらに思うのだけど、知覚(特に「意識」)って「ほんとうにそう思ってる」担保がとりにくくないですか?
記憶なら、正答誤答があって、チャンスレベルとかで「こいつてきとーやってやがる」という評価ができるけど、「何が意識に上っているのか」っていうのは被験者がてきとーやってない保証をどこでとるのだろう。
昔先輩がやってたmotionの実験に参加したら「オブジェクトが動いて見えたらボタンおしてください」なんていうアバウトな教示をうけて「そんなんでええんかーちうか動いて見えるって定義はなんじゃー」と思いながらもおそるおそる課題やったこと思い出した。
「見えてる」あるいは「意識に上っている」保証のとりかたをもちょいうまくやらないでよいのだろーか?
それとも、知覚というのは厳密なものだから、心的過程の担保なんかとらんでも必然的に結果の分散ちいさくなるものなのだろうか?
そんなんで脳イメージング、ましてや「デコーディング」なんてよけーわけわからんくならん?
いや、保証がとれないからこそのデコーディングなのか。
知覚研究の文法の外側(といってもすごい近所な外側だけど)にいると、そのへんの大枠からして疑問に思ってしまう。
(とはいえ認知やさんのおおざっぱすぎる論法に眩暈を感じることも多し。ああ心理学研究って孤独な営みなのね)
その大枠について、この学会は「既になんらかの合意を得た」のか、それとも「あえてそこらへんは目をつぶって百花繚乱を狙ってみた」のかどっちだったのだろーかー。
まあ、今回に限っていえば、どうも後者くさいのだが、これから彼らはどこにいくのでしょうね。(他人事)

今になって、工学から心理学に流れてきた先輩の「心理学なんて所詮“博物学”ですよ」という言い回しに実感が出てきた。
現象を並べるだけでは、体系的な知にたどり着かない。
『犬は勘定に入れません』で歴史学の教授たちが言うところの「グランドデザイン」が必要なのだ。
記憶や初期知覚に関しては、わりとモデルがたってるからうっかり安心してしまうけども、さらに大きなグランドデザインでなければ、ヒト認知そのものの解明とはいえないのではないか。
「意識」は古来哲学からのテーマで・・・という「意識」研究の紹介は、個々の思想をまとめあげきれてないからざっくり博覧してみましたよということの独白ではないのか。
当人たちはどう思っていたのだろう。


とはいえ、当人たちにそんなつっこんだ話を英語でつっかかる英語力も気力もなかったので、ぼんやりした頭にぼんやりした疑問を浮かべるだけだったとさ。
これだからあほのこは困る。
次に学会に参加するときはもうちょっとあたまのはたらきを鋭くしたい。
もうちょっとだけでも。

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