忍者ブログ

めもめも ...〆(。_。)

認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。

2024/11    10≪ 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30  ≫12
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

vikingさんとこでおもしろいネタ(と言っていいのかどうか)が展開されてるから、おもしろがって補足いれてみるのまきー。

www.mumumu.org/~viking/blog-wp/
リンク先見てもらえれば一目瞭然ですが、例の「脳トレ」で訓練の効果が見られなかったという論文が出たよー、というにゅーす。

脳トレといえばまあいろいろつっこみたい話もありますが、そこはおいといて。
訓練の「結果」とはどういうものであったのか?というのがちらっと気になったので、せっかく心理畑でちょみっと知能検査的なこともかじったんだからそこんとこ補足いれてしまおう!という試み。
あくまで「ちょみっと」なので、あんましあてにしないでね。

ちょっと好き勝手言い過ぎてるんで、つづきのとこに書きます。



きぶんてんかんにろんぶんどもをながめる。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20375074
Tootellがlast authorな論文でFFAとか言い出してる!というだけのびっくり。
いやまあ偏見ですけど。
だってほら、ガボールパッチとかそっちのイメージが強くて。

話としては、Fusiform Face Area(FFA)と呼ばれる領域は顔に選択的に反応すると言われているけど、いわゆるlower visionというか初期知覚ってーか、まあ要するに傾きとか大きさとか位置とかによって反応変わってくる(「顔」という概念に特異的なのであれば、そのへんの知覚情報が変わっても反応変わらないはず)んで、FFAの「顔選択性」ってどーなのよ?というおはなし。
まあ比較として、視知覚情報によって反応が変わってくる、いわゆるレチノトピックな領域V1を持ってきて、FFAが顔に対してどれぐらい普遍性を持つのか調べよう、と。
んで結果的には、FFAもけっこー知覚情報の変化に反応するから、あんま概念的な表象をしてるわけじゃないかもよ?と。

ローカライザー何使ってFFA決めたのか気になって見てたけど「室内シーンと顔でローカライザーした」としか書いてねえ。
んでSuppelementary Fig.1見たけどFFA広すぎワロタ。
いやなんか解剖的に場所絞ったらしいけど。

…それってちょっとどうなん?
たとえばローカライザーなら、視知覚情報に反応するとこ落とすために、スクランブル画像との引き算は基本っすよね?
そこすっとばしてんのに「FFAは初期知覚にも反応するぞ!」っていいのかなあ?
紡錘回だもの、初期知覚に反応するボクセルもあるろー。
FFAの定義は「紡錘回ん中の顔に選択的に反応するとこ」なわけで、ちゃんと初期知覚に反応するボクセルおとしとかないとそれってFFAといわなくね?

それから、「初期知覚情報の変化」と言っても、「典型性」みたいなん絡んでくるんちゃうんかと思う。
オブジェクトの典型性と視点なんて、心理学ん中ではけっこーだいじなトピックよ?
真正面から見る顔と、傾いた顔では「顔らしさ」が変わってくるわけですよ。
そこらへんほっといてぜんぶ初期知覚って言っちゃうのどうなのかねえ。
(逆にいうと、典型性の話をしようとしたときに「初期知覚情報が違うからじゃね?」という反論をしばしばされる)
そのへんを引き算するためにも、非顔なオブジェクトでおんなじことやったときの反応を調べるべきだったんじゃね?
(なんか最後の実験に合成オブジェクト出てくるけど、そこだけ出してもどうなのよ)
それはともかく、FFAな方々は反論してくださるかどうかが楽しみですねー。

どーでもいいけどこれ解析にFreeSurfer使ってるのね。
まだ現物みたことないや。


www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20385243
つながってそーな動きだとV2・V3・V4でデコーディングできたぜ!っていう。
えなんでV4って思ったけどまああのへんってけっこー手広くレチノトピーあるんだっけか。
レチノトピー的なとこでは、「見えてないけどものがあると思ってる」とこちゃんと反応してるぜって話につながるか。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20382237
まだあんまし進行してないdementiaの診断にサポートベクターマシンつかおうぜ!っていう。
まあそうだよね。そういう方向になるわな。
そしたら「精度」が問題になってくると思うんだけど、工学的(モデルの改良)アプローチ以外になんとかならんのか、と思う。
んでも結局それも工学的アプローチか。
うーんやっぱちゃんとべんきょうするしかねえ。

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20382239
覚えたものと再認プローブが一致してたら活動増える系の話のEEG版。
脳波やる先輩が今度こっち来たらきいてみてもよいかも。

あとでダウンロードするやつ
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20381474

だらだらめもるだけ。

いよいよ新年度ということで、実験実習のサポートを一年やっていかねばならんわけですが。
そんななかに気になる情報が!

なんと、大学新入生がレポート説明を聞いている間の脳活動をMRIで調べ、それをSVMで分類して、レポート成績を予測することに成功した、という論文を見つけたのですよ!

I know your grade: decoding of academic performance by university students
Watanuki, Takahashi, Suzuki & Tanaka JCN (in press)

SVM、サポートベクターマシン、いわゆるパターン分類のツールですね。
昨今のデコーディング研究に頻繁に出てくるアレですよ。
しかしもはや「陳腐」に見えるまでにいろんなひとがあれよあれよと飛びついたがために、もはやSVMを使っただけでは有名ジャーナルには載らない、というのは最近の神経科学の流れ。
著者らは、ここはひとつキャッチーなネタを!と意気込んだんでしょうな。
去年、著者らの受け持つ実験実習を受講する新入生をつかまえて、レポートの書き方に関する説明(…うちも毎年この回の講義がカオスだものね…)をMRI装置の中で聞かせて、提出レポートをTA(著者には含まれてない、仮説にナイーブな大学院生だそうな)に採点させて、説明を聞いている間の脳活動を分類して採点結果を予測できるか!?ってやったらしいです。
んで、ちゃんと予測できた確率はだいたい7~8割ぐらい。
これはけっこう高い確率じゃないのかね!!??
なんならもううちのとこでもやってほしいぐらいだよ!

というわけで、詳細を見ていきましょうか。

他研究室の後輩だけどおもろい論文をレビューしてたのであまったレジュメもらってきた。
ひさしぶりのびっくりネタなのでさらに要約してここに晒す。

ネタは
A new method for studying problem solving and tool use in stingrays (Potamotrygon castexi).
Kuba, Byrne & Burghardt (in press) Animal Cognition
というもの。

ざっぱにいうと、「エイだって道具使用できるよ!」
だってさ。

エイですよ。
エイヒレとかがお酒のおつまみになるアレですよ。
水族館とかで、うらっかわが顔みたいでかわいいアレですよ。
そりゃー気になりますよね!!!

論文ではもちろん「エイかわいいよかわいいよエイ(*´д`)ハァハァ」とかはなくて(当たり前)、今までの魚類の認知研究では硬骨魚類(いわゆるふつーの「魚」。さんまとかいわしとか鯛やひらめの舞い踊り。ええおなかすいてますが何か)ばかりで、軟骨魚類は少なかったと。
軟骨魚類っていえばかわいいかわいいエイやサメですね。
浸透圧に尿素を使う力技なやつら。
進化の系統でいえば硬骨魚類よりも軟骨魚類のほーが古いのに。
認知機能の進化を考えるなら軟骨魚類を検討すべき!!!というのがこの論文の主張らしい。
うんエイかわいいよね(違う)。

まあさっくり内容を見てみます。

被験体はアマゾンタンスイエイ5体。内訳はオス3メス2体。
パイプチューブの中にうまそーなえさ(えびとか)をいれて、エイがパイプからえさを出して食べられるか調べたみたい。
ほそいパイプなので中に入って食べることは不可能。
どうやってえさをとるのか?

なんと、ひれをうねらせて水流を起こし、パイプのえさを水流にのっけしてとるみたい。
(自分のほうに水流を向かわせるってどうやるんだ?もしくは、パイプに水流ながしこんでえさをパイプから出すだけなのか?)
オスは自分の身体を吸盤みたいにしてとることもできた(????想像できない)。

あと、パイプの片側を閉じて、閉じたほうに黒テープ、空いてるほうに白テープをつけて、ちゃんと開いてるほうに行ってえさをとれることも確認。
最初間違っても、「あ間違っちゃった!てへ☆」で正解のほうに移動できた。
ちゃんと行動も修正できる。

まあだいたいそんな話らしい。

アマゾンタンスイエイで検索かけたらまったくおんなじ論文をちゃんと読んでたひとのぶろぐ見つけたのでh抜きURLはっとく。
ttp://blog.goo.ne.jp/shax2081/e/6d9d7e504e822f884cd010a038635082
どうみてもR研です本当に(ry
なのでリンクにはしません。見たいひとはお手数ですがコピペなり何なりでどぞ。

まあ上でもつっこまれてるけど、「水流を使うのは道具使用といえるのか?」というのが問題だわな。
それよりも、行動を修正できるって話でプランニングとかの話にしたほうがよかったんじゃね、とも思う。
軟骨魚類がちゃんとプランニングできるってだけでもじゅうぶんすごくね?
ただ最近道具使用ってすげーブームだからなあ。
ミラーニューロンのせいか。
ミラーニューロンも最初の論文出てから結構経つのになあ。
息の長いブームだこと。

道具使用は運動系のとか意味認知(もっと大枠なら長期記憶)とか、枠がでかくなりがちだからおもしろいけど、ちっさいねこあたまでは知識が足らんことも多いです。
おもしろがれるけど議論にはなづら突っ込めるほどの知識がない。
おもしろがるのはとくいなんだけどなあ。
研究者になるにはそれだけじゃだめだよなあ。

とりあえず今日も今日とて解析&座標ひろいの日々。
解析と並行していろんな論文をひろっていく。
そこでうっかり見てしまったPNASの表紙がものすごい件。
www.pnas.org/content/107/3.cover-expansion
ちょwwwwwwwなにこれwwwwwwwwきもいwwwwwwwwwきもかわい……だめだやっぱきもいwwwwwwwwwwwwww

このマスチフといいぷぐといい「愛玩犬」ってよくわからん生き物多いよね。
個人的にはマルチーズとかきもくてしかたがない。
犬だったらやっぱしばわんこが一番好きだなあ。

ねこでも、鼻をむりくり押しつぶしたような種の子はあんまし好きじゃないです。
ふつーのしましまとかがすき。
昔うちで飼ってたチンチラとペルシャのあいのこの美猫っぷりは今でも自慢ですがあんまし写真が残ってないのが残念。
あの子はおふろが好きという変猫でしたが、長毛種のためおふろにいれると容積半分になってたのよなー。
あと弟になついてたでかいまっくろ猫も美男子でした。
ただし奴は行動が意味不明(ひとの顔の上で寝る&口あけて寝てた弟の口ん中に前足つっこむ)だったからなあ。
美男子だいなし。

あああもふもふないきものとあそびたいなあ。
もふもふしたいなあ。

カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
カテゴリ説明
もっさり:日々の雑感をもっさり。
がっつり:論文や研究関連をがっつり。
びっくり:科学ニュースでびっくり。
まったり:空想科学などでまったり。
ばっかり:デザイン系自己満足ばっかり。
ほっこり:お茶を嗜んでほっこり。
最新コメント
※SPAMが多いのでhttpを含むコメントと英語のみのコメントを禁止しました※
[01/20 NONAME]
[05/07 ぱるぱる]
[05/06 ぱるぱる]
[05/06 ぱるぱる]
[08/29 初見名無し]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
az
性別:
非公開
自己紹介:
興味のあるトピックス
 分野は視覚認知。視知覚にがて。
 あと記憶全般。
 カテゴリ (semanticsか?) とかも。
 最近デコーディングが気になる。
 でも基本なんでもこい。
 好奇心は悪食。

好きな作家(敬称略)
 川上弘美
 小林秀雄
 津原泰水
 森茉莉
 レイ・ブラッドベリ
 イタロ・カルヴィーノ
 グレッグ・イーガン
 シオドア・スタージョン
バーコード
ブログ内検索
カウンター
フリーエリア
PR
<< Back  | HOME |   Next >>
Copyright ©  -- めもめも ...〆(。_。) --  All Rights Reserved
Designed by CriCri / Material by もずねこ
忍者ブログ  / Powered by [PR]