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めもめも ...〆(。_。)

認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。

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しぬほどつかれた。

・・・きょうね、今年度の講義下働きの開講オリエンテーションやってきたの。
1限なの。
教室キャパ2倍近い学生がきたの。
廊下まで溢れるこどもたち。
・・・正直人に酔った。

基本研究室で数人にしか顔を合わせない生活だから、百単位のこどもたちとか本当に手に負えないかんじがする。
しかも全学共通科目。
ほとんど1回生。
未成年のこどもたち。
うあ。

んでもって、わたしのおしごとは、講義の準備と、出席点となるコメントカードの管理。
こどもたちの「心理学って占いの一種じゃないの~?」という無邪気無知なところに、先生方が楔を打ち込んでくれる、その楔の打ち込まれ具合を見られるわけですね。
流石にコメントを詳細に載せるわけにはいかないけども、こどもたちのコメントの傾向がおもしろかったのでもやっと勝手に紹介。

・心理学ってこんなにいろんなことに関連してたんだ~
(まあ学問って根本的にはそんなもんだと思いますよ)
・心理学って科学的に実証できるものなんだ~。でもどうやってそんなことできるの?
(それは講義なり実験実習でちょっとずつあきらかになるよ!)
・どうぶつにこころなんかあるの?
(ちょwwwwwwおまwwwwwwwwいきなり大御所にケンカふっかけるのイクナイ。
まあその回の講義をたのしみにまっててね~@旧ドラ口調)
・それは脳科学であって心理学なんかじゃない!
(「脳科学」が何を調べているのかもっかい冷静に考えてごらん)
・心理学を勉強して、心の中がわかるの?
(きみちゃんとオリエンテーション聞いてた?もし廊下にはみだして聞けなかったのならごめんね)
・○○なんてことが起こるんだ!すごい!ふしぎ!
(学問のタネですね)
・○○ってほんとう?
(学問の「芽」ですね)
○○、のとこにはオリエンテーションで紹介した心理学の有名どころトピックスがてきとーに入ります。

まあだいたいこういうパターンに集約されます。
でっちあげの「心理テスト☆(笑)」ではない、ほんものの心理学に初めてふれたこどもたちの感想は、なんだか微笑ましいものがありますね。
はじめてのおどろき、ってやつは、そのときにしかないものねえ。


なんかすげー年寄りになった気分だ。

わたしのときは、「すげえ!文系でも実証学問できる!」って興奮して、「実験心理学に進みます」って1回生のクラス分けんときに宣言してたもんなあ。
1回生だから、専攻とか考えてるやつほとんどいなくて、いてもみんな「臨床に興味があって…」ってひとばっかでちょっとわびしかったけど。
そうかなんだかんだいってわたしあのこどもたちと同じ年齢の頃からぶれてないのか。ちょっと安心した。

とりあえず、このこどもたちが、これから一年どんなことに驚いてくれるのかな、と思うと少しわくわくするね。
ああでもこの大学のことだから実際に期末試験に辿りつくころには半数以下になってるんだろーなー…
何にしても今年度はこの講義の受講者数が今までにない数をたたき出してしまったので、人数調整かなんかせなあかんな…
こういう雑務はめんどい。

まあこーゆーのも含めて、「That's大学」ですわなー。
大学のおしごと、めんどいけど面白いな。
でも人多すぎてめんどいのはちょっとしんどいな。


名前登録のときにべんりな「旧字変換」
www.geocities.jp/qjitai/
おなじく「異体字検索」
glyph-on.jp/20070518/udvs_02/cgi-bin/variant.pl
けっこうむずかしい名前の学生さんいはりますからね。
あとIMEパッド最強。

なんで電子化するなら労力を最小化してくれないのかと愚痴。
まあ現行のシステムではどもならんのですけどね。

とりあえず行動データの分の解析は終わった。
なんときれーいに仮説通りの有意差出てたひゃっほう!
ここ数年で見る行動データのなかでいちばんきれいなデータかもー。
MRIデータなくても心理で投稿できるんじゃね?とか調子にのって思った。
行動でちゃんと出てる、ということは、対応する活動を拾えればそれだけでなんとかなるお!
と見通しの甘いことを言ってみたりのたりくたり。

そんな甘ったれたあたまで解析ちまちま進めてて、ろーからいざーでROIが出ないひとがいてやべえと焦ってたら、データを似た名前のひとと取り違えてることに後から気づいた。
解析は慎重にね☆
そんなうっかりさんってわたしぐらいのものかもしれませんが。

このままの勢いでぶわんぶわん解析を進めたいところなんですが、今週は新年度講義開講週間でしたっぱどもはうろうろしないといけないのと、ちょっと注力すべき書類仕事があるので、いったん解析を休みます。
やべえせっかく覚え始めたもろもろを忘れてしまわないかな。
でも〆切のある仕事を優先させないとな。しぬる。


そんなわけで、「あとまわし」にしてた文献チェックを日がな一日やってみた。
・・・・・・うん、文献チェックなんかをあとまわしにするものではない。
ちゃんとこまめにやりましょう。

とりあえず、今日はまだpdfが整ってなかったりエラーで取得できなかったやつのPubMedリンクをだらっと貼っておく。
完全に自分用のめもです。元々そういうスタンスです。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20233584
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20226767
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20230804
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20232398
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20303267

わたしの興味に限って言えば、最近いちばん「いい仕事してる」論文誌はExp. Brain Res. な気が。
いやわたしが実験屋さんなんだからしょうがないんだけど。
今日「ほへあ」と思った論文をはっておこう。

Bläsing, Schack & Bruggerの、身体表象を「分類」する話。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20333367
いわゆる「健常者」と、車椅子スポーツをしているひとたちと、足に麻痺がある患者さんとで身体表象の階層化が変わってくるよ!ということらしい。
具体的に言うと、「健常者」=統制群では、身体表象のおおきなカタマリは、「上半身」「下半身」「頭」「手」ってなかんじなんですが、患者さんにとっては、つまさきや肩や口などが同じ大枠に分類されるという・・・ああちょっと説明が意味わかんないな。図が見せられたら一発なのにな。
まあざっくり、「身体表象」ってのはその「身体」に基づく、とか言ってしまうか。
それだとこの話のおもしろさが伝わらんような。ええいくやしいのう。

もいっこ紹介するネタは実にわかりやすい。
Mitchellの、ストループ課題のエラーとBOLD信号は比例しますよ、という話。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20336280
ストループ課題ってーのは、ここいらで心理学やるひとは実習でやらされるからご存知だと思いますが、心理学やらないひとのためにざっくり言うと、赤いインクで「あお」って書いてある文字は青いインクの「あお」って書いてあるやつ、また色と関係ないことば「ぱお」よりも読みにくいよねーって話を下敷きにしております。
んでたいていは、
あおきいろ」とか書いてある文字を見て、「インクの色だけ答えて」っていうんだけど(この場合「あか」「みどり」が正解)、けっこーみんな「あお・・・じゃなくてあか」みたいな間違いをしちゃう。
この間違える度合いと、ACCだのDLPFCだの認知屋さんには「ベタ」な部位の神経活動(といってもBOLDですが)が相関しますよー、というおはなしだったのです。
おもしろいから実習のレポートに引用してもいいよ。でもこれ以上は教えないからみんなちゃんと読んでね。
って実習やってる学生が検索してここに辿りついたら結構恐怖かも。いやまあいいか。わたしはまじめにべんきょうする学部生を応援するぞー。
でもちゃんとレポート書かないと減点しちゃうぞー。コピペはたいがいの大学関係者に嫌われるから、コピペはやめてなるべく自分のことばに翻訳したり概要をまとめたりするんだぞー。
・・・話がずれた。

あとわたしのなかでは、今側頭葉がアツい。キテる。と思います。
うしろのほうでもまえのほうでも。
いやだってけっこうそんなかんじだって。たぶん。
そのうちおもしろかった側頭葉特集でも組むかな。


あと、オトナの事情で論文輪読研究会的なものがほぼない状況に置かれるので、今年はここでひとり研究会をしようと思いました。まる。
なんでもかでもひとりでできるようになってこそ一人前だよな!
いや一般的には共同研究者がたくさんいるひとのほうが偉いんですけども。
ちゃんと一人でいろいろできるようになってからじゃないと、共同研究とかできる気がしない。
いやよくわかんない。ぐだぐだ。
まあいいや。精進します。

講義って開講してからよりも開講前の準備がいちばんめんどくさい。
というわけで今いちばん大学がめんどくさい時期です。ああめんどくさい。
結局今一番リソース食ってるってそーゆーおしごとなんかもしれん。
でもおしごとってそういうもんよねー。


書籍情報を見るのは、ぐぐる先生も便利だが、やっぱ大学図書館が一番だなー。
翻訳書の原題知りたくて翻訳題でぐぐったところで、出るのは本屋の広告ばかりで欲しい情報がない。
図書館の蔵書検索なら一発で原題も著者名の綴りも原著の発行年も出る。すばらしい。
そのへんはさすが大学。

…と思ってたら書いてない文献もあるううううう。
おいおいしっかりしてくれよ図書館。
結論:データベースは複数あたるもの
ですよねー。


とりあえず実験はひと段落しました。
「吉報を待ってるよ」とせんせいにもいわれました。
わたしだって吉報をお伝えしたいですよう。
今一番怖いのはおばけでも夜道でもなく頭部運動です。
やめてー!うごかないでー!ボクセルサイズ以上うごかないでー!!!
念を送りながらの解析です。まあなんて非科学的な。
科学やってるからって厳密に科学的な精神生活してるとも限らないよねー。わたし文系だし。
よい結果が出るよう祈りながら解析するのは、データ捏造するよりましだから大目に見てやってほしいものです。

というわけで、またがりごり解析しつつの勉強しつつの生活に入りたいと思います。
年度はじまりのごたごたに巻き込まれてまたてきとーに中断とかあるでしょうけど。

あほねこべんきょう話についてもちょこちょこ書いてってるんですが、今日はSPMとBrainVoyagerの両方を使ったことある先輩が研究室に来ていて、おはなしを聞けたのでそのめもをうp。
「SPMとBrainVoyagerどっちがいいですか?」とまぬけに聞きました。
「一長一短ですね」と返されました。あたりまえだ。
以下その先輩が思うSPMとBrainVoyagerの長所短所。

・SPMには標準脳テンプレートがある。
BrainVoyagerには「標準脳」がなく、各人の溝をすりあわせるような作業をする
(レチノトピー見るような研究には、BrainVoyagerが向いているらしい)

・BrainVoyagerではCoregisterがずれやすいので、目で確認して修正が必要
(どういう画像が「ずれている」のか聞けばよかった)
SPMのCoregisterはずれにくい
(何にせよ目で見て確認)

・SPMはツールをあとから足していかないとできないことがある(ROI解析とか)。
BrainVoyagerは最初からコミコミ。

・BrainVoyagerを扱うには、SPMよりもMATLABの知識が必要。

・BrainVoyagerのスクリプトは、ちょと癖があるが、バッチが作りやすい。
(なんかボタン押しのためだけのスクリプトがあるとかないとか)

思い出せるのはこれくらい。
どのみちわたしは既にSPMで始めてしまったので、今更乗り換えることもできないんですが。
「次」があったらBrainVoyager試してみたいなあ。
んでその一長一短を自分で体感したいなあ。

あ、あとそれと「SPM8のほうが便利ですよ」って言われた。
SPM5だと、グラフィックとなんか入力する画面がおんなじウィンドウでめんどくさいんですが、SPM8では分離されているらしい。
…むうー。SPMはSPMでも5は(めんどくささにおいて)失敗ですかなー。
だってさいしょに解析するとき、SPM5までしか使ったことないひとしかまわりにいなかったんだよう。
もっと自学自習せんといけませんね。

あ、あと頭部運動の「アウト」な閾値がむつかしい。
なっがい実験のときは、10mmとかを基準にすることもあるらしいと聞いた。
そんな動くやついるんかよー。
でもわたしも2時間を超えるfMRI実験に参加したことがないのでわからんぬ。


あー。
とりあえずろーからいざーとにらめっこしつつ合間にべんきょうします。

今日MRI実験してたら、
「うちのMRI装置で1実験にリクルートした被験者さんの多さはきみが1位だよ」
と言われた。

わーい天下の某所でとっぷになったよー。
・・・うれしいようなそんなことでよろこんでる場合じゃないよーな。

えらいひとたちは、わたしがどっからそんなに被験者さんをリクルートしてくるのか不思議がったそうです。
まあ、実験心理ものだったらいつもヒト対象に実験してるから、被験者さんリクルートに慣れてるものね。
しかもわたしは認知分野だから、知覚のひとたちよりもたくさん被験者さんの数が必要になるし。
知覚のひとたちは、最低で2人(しかも1st&2ndの著者とか)なんてのもアリだものね。
厳密な実験を好む某所の方々が、心理のひとと共同研究する場合って、たいがい知覚らへん寄りだから、そんなにたくさんの数いらんものねー。
認知は誤差ひろいせいか、10人以下とかほとんどないものねー。
ましてやややこしい実験ともなると数も増えるし。
被験者間要因はいったらそれだけで2倍に膨れ上がるし。

そんなにたくさんの被験者リクルートが必要だったという実験デザインの鈍さを笑われているのではなく、単純に実験にがんばって取り組んでいることを(質ではなく量だけだけど)評価されたのだ、と思いたい。
そうでなければ、ちょっとわびしい。
でも先方は親切で頭の切れるひとばかりなので、どろくさくがんばってる文系のあほのこを、ちょっと応援してくれているのだ、と勝手に信じることにする。
思い込みでもいいよねー。
のほほんポジティブ。

いよいよ新年度ということで、実験実習のサポートを一年やっていかねばならんわけですが。
そんななかに気になる情報が!

なんと、大学新入生がレポート説明を聞いている間の脳活動をMRIで調べ、それをSVMで分類して、レポート成績を予測することに成功した、という論文を見つけたのですよ!

I know your grade: decoding of academic performance by university students
Watanuki, Takahashi, Suzuki & Tanaka JCN (in press)

SVM、サポートベクターマシン、いわゆるパターン分類のツールですね。
昨今のデコーディング研究に頻繁に出てくるアレですよ。
しかしもはや「陳腐」に見えるまでにいろんなひとがあれよあれよと飛びついたがために、もはやSVMを使っただけでは有名ジャーナルには載らない、というのは最近の神経科学の流れ。
著者らは、ここはひとつキャッチーなネタを!と意気込んだんでしょうな。
去年、著者らの受け持つ実験実習を受講する新入生をつかまえて、レポートの書き方に関する説明(…うちも毎年この回の講義がカオスだものね…)をMRI装置の中で聞かせて、提出レポートをTA(著者には含まれてない、仮説にナイーブな大学院生だそうな)に採点させて、説明を聞いている間の脳活動を分類して採点結果を予測できるか!?ってやったらしいです。
んで、ちゃんと予測できた確率はだいたい7~8割ぐらい。
これはけっこう高い確率じゃないのかね!!??
なんならもううちのとこでもやってほしいぐらいだよ!

というわけで、詳細を見ていきましょうか。

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