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めもめも ...〆(。_。)

認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。

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夏が終わろうというのに夏っぽい話をしてなかったので、今のうちに夏っぽい話をば。
もしくは流行のすてまなるものをしてみむ(なんかちがう)。

そんなわけで、関西圏居住の方におすすめなおでかけスポットを紹介するよ!
某「探偵ナイトスクープ」でも紹介された有名なアミューズメントパーク、「さかなとあそべるパラダイス」の南郷水産センターだよ!!!
公式→http://www.eonet.ne.jp/~suisancenter/
秋~春はマス釣りが楽しめるし、年中やってるフナ釣りは「ガチ」の人ばっかりで空気が違うし、夏はアユつかみどりやプールがあるんだよ!
そんな夏の南郷水産センターの様子を紹介するよ!
よいこはつづきをみようね!

ひさしぶりに古典再訪シリーズ。
これでたぶん3つめぐらいだろうからそろそろシリーズを名乗ってもおかしくないだろう。
とはいえ不定期だからあてにはならんな。

それはともかく、今回はDual-coding theryですよ。
これはPicture Superiority Effectの(http://azcog.blog.shinobi.jp/Entry/441/)を参照してもらったほうがよい話。
この2つは切り離せないというかコインの裏表というか、まあDual-coding theoryが原因でPicture Superiority Effectが結果、とPaivioらは考えているわけで。
教科書的に言えば片方に言及するときもう片方は勝手に内包されていると仮定されてるのかな。
ただ、Picture Memoryをがっつりやってるひとたちならわかると思うけども、常にPicture Superiorityがあるわけでもないし、encodingはdualってだけでなくあらゆるモダリティで行われていると考えるのがふつうではないかな。
まあヒトは視覚優位なとこがあるし、代表的なモダリティを拾うのであればdualって言っても問題はないかも?いやさすがにちょっとざっくりしすぎか?

とりあえず、

Paivio, A., & Csapo, K. (1973). Picture superiority in free recall: Imagery or dual coding. Cognitive Psychology, 5, 176-206.
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/0010028573900327

で紹介されている分をざっくりざっくりまとめると以下のようになる。
ここでは、はっきり「theory」といわずに「dual-coding approach」と言ってるので、この時点ではtheoryとしての確立はしていないけども、この論文の実験はdual-codingをtheoryとするための検証という側面もあるので、この論文をdual-coding theoryの代表と考えてもいいのかな。
とりあえず以下まとめ。

情報処理は、言語みたいなsymbolによる過程と、言語に依存しないimageryによる過程の2種類がある。
この2つは別個に処理されるけども、記憶の諸過程(符号化とか貯蔵とか検索とか)においてちゃんと関連付けされている。
んで、imagery過程は具体的な事象のrepresentationに特化してて、symbol過程は言語などの抽象的な過程に特化している。
画像なんかはimagery過程とsymbol過程両方で処理できて、一方のrepresentationをもう一方のにおきかえることも可能で、手がかり増えるから記憶パフォーマンスがよい。というのがPicture Superiority Effectだったわけですね。

モダリティごとの処理というのはBaddeleyのワーキングメモリモデルなんかにも引き継がれていくわけですが、dual-codingの考え方単体でもそれなり生き延びている様子。
まあ何よりもびっくりなのがPaivioもBaddeleyも現時点で生きてることですよ。
教科書的人物が生きてるのってなんかすごいよねー。たぶん本人らにしてみれば「何抜かす若造め」ってもんなんでしょうけど。

実際dual-codingを扱ったものとしては、以下に出すようにいろいろあるようす。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21656220
は本人含む研究グループで、ERPつかっての検証。
本人以外でも
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1141833
などでdual-codingの検証はなされているようす。

展開としては、
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21585499
はmental imageryにおける空間情報のdual-codingの話。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8794554
はちょっと変わってて、嗅覚に関するdual-codingの話。

ワーキングメモリとの関連も、
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17932697
のレビューなどにまとめられている。
研究の例を挙げると、
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21942734
はギリシャでこどものワーキングメモリと読解能力の関係を調べる上でdual-codingに基づく解釈を行っている。

しかしなんといっても関連が多く論じられているのはSemantic研究で、
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8711012
は本人含むグループでPicture namingについてのレビューでdual-codingもその1要素として語られているし、
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15893940
は単語のimageabilityに絡めている。
そんなdual-coding絡みのsemantics研究の中でも、「具体性(concreteness)」の効果
に関するものは特に相性がよいようす。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8064248

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17651011
などが挙げられる。

さらにsemanticsメインじゃなくても、
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16861011
のように再認における具体性効果についても絡められておるもよう。

それからcontext availabilityでも援用されているみたい。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16550855
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10924219
など。

古典といえど現役なのだなあ。

そいや、dual-coding approachがdual-coding theoryになる境目というか'dual-coding theory'の初出は発見できず。
どうも本っぽいな・・・
Picture Superiority Effectんときに言及した本のうち、
1971年の「Imagery and verbal processes.」がそれっぽい?
1986年の
「Mental representation: A dual coding approach.」のGoogle books()で見られる限りでは4章タイトルがまんまdual-coding theoryなので、少なくともこれより前であるのは確か。
4章見ると、1971年のやつの考えにさらに手を加えたってことらしいから、これをdual-coding theoryの代表としてもよいかもしれない。

上であげたの
以外では、

も候補にあげられそう。
つーかあまぞんにあるんだ・・・すげーなあまぞん。
・・・ただまあ躍起になって初出を探してもあんましメリットがないので、とりあえずdual-coding theoryの引用としてはPaivio (1986)かPaivio & Csapo(1973)でいいのかも・・・
・・・いいのかな?
図書館で本を見つけられたら初出を確認してみてもいいかも。

うーむ。思ったより奥が深いなdual-coding theoryは。
古典もあなどれないぜ!



ーーー追記ーーー
あまぞんさんの

にてなか見!検索が使えることに気づきました。
この中で検索をかけたら、ちゃんとdual-coding theoryって書いてある箇所がありました。
なのでdual-coding theoryの初出は1971年のこの本みたいです。
いやーネットべんりだなー。
謎が解けてよかったよかった。

ー後日更新としてましたが更新しましたー

ウィリアム・ギブスン『ニューロマンサー』


これも古典。
これでとりあえず古い本読むシリーズをいったん終了とする。

古典は古典でもサイバーパンクの代表ですからね。
ウィキペディアにも堂々「代表」として名指しされております。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%B3%E3%82%AF

が、読みにくい!
いや読みにくいのは知ってたんですけどね。知ってて避けてたんですけどね。
まあ避けようにもぶつかるときもあるってことさ。

ルビふりまくりの翻訳で、しかもその当時の日本の若者言葉を反映していたりしてとっつきにくい日本語文体になってるのも読みにくさの一因ではあるのですが、そもそも大量に出てくるガジェットや人名にほとんど説明がつかないというスタイルが読みにくさを生み出しているのではないかと。

この本に関してはネタバレもへったくれもありませんね。途中で挫折するひとも多いでしょうが、そもそもストーリーらしいストーリーを追っかけることよりも、サイバーパンクの空気感を楽しむのがメインとなるでしょうから。

ざっとあらすじを言うと、
「ハッキングを生業としていたヤク中の主人公が、へまをやらかしてネットに接続できなくなって荒れてた。そしたらなんか力のあるあやしい奴が、ネット接続を回復してやるかわりにハッキング仕事を依頼してきた。ぐずぐずしてたら恋人も殺され、否応なしに仕事にひきずりこまれていく。護衛のおねーちゃんもエロス。今までのつてをいろいろつかってハッキング成功したけど、依頼主もおねーちゃんも消えた。仮想現実むなしい」
とかそんなかんじかなー。

ぶっちゃけ、現在これをがんばって読む必要なくね?
仮想現実と実在うんぬんしたけりゃ『攻殻機動隊』シリーズ読んだほうがまだ情報量多いしストーリーそれなりにあるし(正直いってあの悪評高い『攻殻機動隊2』よりも『ニューロマンサー』のがとっつきにくいと思う)、サイバーパンク&日本を楽しみたけりゃネットで『ニンジャスレイヤー』が読めるし本も出るし。
ニンジャスレイヤーのウィキは→http://www10.atwiki.jp/njslyr/pages/1.html
本は→

あ、そういえば、『ニューロマンサー』でも日本がサイバー最先端ってことになってますね。
やっぱ精密機器類のイメージがつよいのか?
そしてやっぱり出てくるのが日本の「さらりまん」。
そんなに日本のサラリーマンって特殊かなあ?って思ったけど、春夏秋冬常にスーツ着てるわ朝から晩まで働いてるわバカンスもとらないわでめちゃめちゃ特殊だったわ。
そんな生き物たぶん日本以外いない。
しかしそのへん以外、そんなに日本っぽさを出してるところないのよなー。

どうせだったらニンジャスレイヤーみたいに間違っててもいいからへんな世界観作りこみまくればよかったのにー。
ニンジャスレイヤーなら、登場人物一覧とか用語集とかあるから途中でわけわかんなくなってもちゃんと解説読めるし、それぞれの話は関連してるけど独立してるからすきな話から読んですきなとこでやめられるし(ただし中毒になったら読むのをやめられなくなるけどな!)、今サイバーパンクしたいならニンジャスレイヤー読むほうが絶対よい。
第一部んなかでわたしのお気に入りの話は
『キルゾーン・スモトリ』http://www10.atwiki.jp/njslyr/pages/42.html(例の「さらりまん」が出てくるよ!バイオ・スモトリという生物の生態が観察できる楽しいおはなし)

『フィスト・フィルド・ウィズ・リグレット・アンド・オハギ』http://www10.atwiki.jp/njslyr/pages/145.html(オハギに中毒性がある・・・だと・・・!?悲しみの、ヒョットコ・オハギ・ニンジャレクイエム!!?)
です。
オハギが出てくるのは後者の話くらいしかないのだけども、オハギの扱いがおもしろいので、うちの弟なんかもよく「アマイ・・・ウマイ・・・」とニンジャのまねをするくらいのお気に入り。

結局『ニューロマンサー』よりも『ニンジャスレイヤー』の話になってしまった。
うむ。やっぱサイバーパンクたるもの、世界観どこまでごちゃごちゃ作り上げられるかが醍醐味だよなー。
サイバーパンクものは、世界観にそれなりに評価のあるもの以外は敷居が高いよ、ということだな。

とかいいながら、伊藤
計劃の『ハーモニー』がまだ積読状態であるという矛盾。
(読めてないから矛盾じゃないのか?)
プログラミングSFだということだが・・・てゆかあれはサイバーパンクに入るのか?
まあそのへんは読んでから考える。

ー後日更新としてましたが更新しましたー

アーサー・C・クラーク『幼年期の終わり』


古典。
読んだ感想をひとことで言うなら「そーくるかー・・・」だった。
分類としてはいわゆる「ファースト・コンタクト」ものになるのかな?

ある日突然到来したエイリアン“オーバーロード”によって統治された地球。
地球上の諸問題はオーバーロードの統治によって解決した。
でも奴らの統治の目的は明らかにされない。
はたしてオーバーロードは何のために地球にきたのか?統治された人類はどうなってしまうのか?

という話なので、この「謎」の核心についてどう思うか、という点がどうしても感想の中心になってしまうのです。
ネタバレ不可避なので以下は隠します。


今度は非SFだけどS。
つまり、フィクションじゃないサイエンス読み物。

スティーヴン・ジェイ・グールド『ダーウィン以来』


『パンダの親指』も好きだけど今手元にないので。



言わずと知れた進化論エッセイの名手。
進化論の研究者というよりももうサイエンスコミュニケーションのお手本みたいなかんじで知られてるのではないかな。あてずっぽうだけど。

端的に言ってしまえば、「ダーウィン進化論とは何か」っていうのをさっくりわかりやすく解説してくれている。
あと進化論の説明にとどまらず、「どうやって進化論はうまれてきたのか」と時代背景など含めていろいろと語られている。
ダーウィンってビーグル号おつきの博物学者じゃなかったんだね。とか。
キリスト教では世界は神様の保護下にあるから生物は絶滅なんてしないと信じられてた。とか。
知らなんだわー。
翻訳者の解説みると、筆者は進化論だけじゃなくって科学史も研究しているらしい。
だからこそ、事象の解説にとどまらず背景に目を向けた話ができるわけだな。

「進化」で誤解されがちなのが(わたしもちょっと誤解してた)、「進化には目指す方向などない」という点。
端的に言うと、「きりんは高いところに生えたはっぱを食べるために首を長くした」のではなく、「首の長いきりんが生き残った」ということ。
そんなんあたりまえやろー、と思ってしまうが、複雑怪奇な進化の例を目の当たりにするとうっかり
「~するために・・・」系の思考に陥ってしまいがち。
たとえば、魚のひれから陸上生物のあしを考えるときに、あしみたいなひれをもっている魚がいると「ああ、このひれは(陸上生活のための)あしに進化する途中なんだな」と思ってしまう。
実際には、あしっぽいひれは水底を蹴って泳ぐことに適応したものだそうな。「あしにするために」進化したわけではない。
進化には、目的も決まった方向もないのだ。

そういう意味では、神経科学での「高次脳機能」の高次って何?という疑問もでてくるな。
ようするに「連合野」に関する機能、というのが正解らしいけども。
低次ー高次っていっちゃうと語弊があるよね。

あと、ヒトを進化の「頂点」とみなす考え方とかね。
他種の生物を「○歳の子どもと同じくらいの知能」って言っちゃったりとか。
「知能」ってやつがそもそもヒト種のものさしなんだからねえ。
確かにヒトの抽象化能力とかそこから生まれる「思考」ってやつはものすごいが、それが生物の最高の指標ってわけでもないし、ましてや他の哺乳類とかが“進化”してヒトみたいになるという御伽噺はナンセンス。
実際、ヒトに近い霊長類よりも高度な社会性を示す他種動物とかけっこういるわけだし。
進化の賜物である「こころ」や認知能力について考えるときに、進化論的におかしな考えに至らないよう注意しとくのはいいことかもしれないね。

正直なところを言うと、この手の本については、単純にいろんないきものが出てきておもしろい、というのが実は一番メインな感想だったりする。
いきものおもしろいよね!


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