めもめも ...〆(。_。)
認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。
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今度は非SFだけどS。
つまり、フィクションじゃないサイエンス読み物。
スティーヴン・ジェイ・グールド『ダーウィン以来』
『パンダの親指』も好きだけど今手元にないので。
言わずと知れた進化論エッセイの名手。
進化論の研究者というよりももうサイエンスコミュニケーションのお手本みたいなかんじで知られてるのではないかな。あてずっぽうだけど。
端的に言ってしまえば、「ダーウィン進化論とは何か」っていうのをさっくりわかりやすく解説してくれている。
あと進化論の説明にとどまらず、「どうやって進化論はうまれてきたのか」と時代背景など含めていろいろと語られている。
ダーウィンってビーグル号おつきの博物学者じゃなかったんだね。とか。
キリスト教では世界は神様の保護下にあるから生物は絶滅なんてしないと信じられてた。とか。
知らなんだわー。
翻訳者の解説みると、筆者は進化論だけじゃなくって科学史も研究しているらしい。
だからこそ、事象の解説にとどまらず背景に目を向けた話ができるわけだな。
「進化」で誤解されがちなのが(わたしもちょっと誤解してた)、「進化には目指す方向などない」という点。
端的に言うと、「きりんは高いところに生えたはっぱを食べるために首を長くした」のではなく、「首の長いきりんが生き残った」ということ。
そんなんあたりまえやろー、と思ってしまうが、複雑怪奇な進化の例を目の当たりにするとうっかり
「~するために・・・」系の思考に陥ってしまいがち。
たとえば、魚のひれから陸上生物のあしを考えるときに、あしみたいなひれをもっている魚がいると「ああ、このひれは(陸上生活のための)あしに進化する途中なんだな」と思ってしまう。
実際には、あしっぽいひれは水底を蹴って泳ぐことに適応したものだそうな。「あしにするために」進化したわけではない。
進化には、目的も決まった方向もないのだ。
そういう意味では、神経科学での「高次脳機能」の高次って何?という疑問もでてくるな。
ようするに「連合野」に関する機能、というのが正解らしいけども。
低次ー高次っていっちゃうと語弊があるよね。
あと、ヒトを進化の「頂点」とみなす考え方とかね。
他種の生物を「○歳の子どもと同じくらいの知能」って言っちゃったりとか。
「知能」ってやつがそもそもヒト種のものさしなんだからねえ。
確かにヒトの抽象化能力とかそこから生まれる「思考」ってやつはものすごいが、それが生物の最高の指標ってわけでもないし、ましてや他の哺乳類とかが“進化”してヒトみたいになるという御伽噺はナンセンス。
実際、ヒトに近い霊長類よりも高度な社会性を示す他種動物とかけっこういるわけだし。
進化の賜物である「こころ」や認知能力について考えるときに、進化論的におかしな考えに至らないよう注意しとくのはいいことかもしれないね。
正直なところを言うと、この手の本については、単純にいろんないきものが出てきておもしろい、というのが実は一番メインな感想だったりする。
いきものおもしろいよね!
つまり、フィクションじゃないサイエンス読み物。
スティーヴン・ジェイ・グールド『ダーウィン以来』
『パンダの親指』も好きだけど今手元にないので。
言わずと知れた進化論エッセイの名手。
進化論の研究者というよりももうサイエンスコミュニケーションのお手本みたいなかんじで知られてるのではないかな。あてずっぽうだけど。
端的に言ってしまえば、「ダーウィン進化論とは何か」っていうのをさっくりわかりやすく解説してくれている。
あと進化論の説明にとどまらず、「どうやって進化論はうまれてきたのか」と時代背景など含めていろいろと語られている。
ダーウィンってビーグル号おつきの博物学者じゃなかったんだね。とか。
キリスト教では世界は神様の保護下にあるから生物は絶滅なんてしないと信じられてた。とか。
知らなんだわー。
翻訳者の解説みると、筆者は進化論だけじゃなくって科学史も研究しているらしい。
だからこそ、事象の解説にとどまらず背景に目を向けた話ができるわけだな。
「進化」で誤解されがちなのが(わたしもちょっと誤解してた)、「進化には目指す方向などない」という点。
端的に言うと、「きりんは高いところに生えたはっぱを食べるために首を長くした」のではなく、「首の長いきりんが生き残った」ということ。
そんなんあたりまえやろー、と思ってしまうが、複雑怪奇な進化の例を目の当たりにするとうっかり
「~するために・・・」系の思考に陥ってしまいがち。
たとえば、魚のひれから陸上生物のあしを考えるときに、あしみたいなひれをもっている魚がいると「ああ、このひれは(陸上生活のための)あしに進化する途中なんだな」と思ってしまう。
実際には、あしっぽいひれは水底を蹴って泳ぐことに適応したものだそうな。「あしにするために」進化したわけではない。
進化には、目的も決まった方向もないのだ。
そういう意味では、神経科学での「高次脳機能」の高次って何?という疑問もでてくるな。
ようするに「連合野」に関する機能、というのが正解らしいけども。
低次ー高次っていっちゃうと語弊があるよね。
あと、ヒトを進化の「頂点」とみなす考え方とかね。
他種の生物を「○歳の子どもと同じくらいの知能」って言っちゃったりとか。
「知能」ってやつがそもそもヒト種のものさしなんだからねえ。
確かにヒトの抽象化能力とかそこから生まれる「思考」ってやつはものすごいが、それが生物の最高の指標ってわけでもないし、ましてや他の哺乳類とかが“進化”してヒトみたいになるという御伽噺はナンセンス。
実際、ヒトに近い霊長類よりも高度な社会性を示す他種動物とかけっこういるわけだし。
進化の賜物である「こころ」や認知能力について考えるときに、進化論的におかしな考えに至らないよう注意しとくのはいいことかもしれないね。
正直なところを言うと、この手の本については、単純にいろんないきものが出てきておもしろい、というのが実は一番メインな感想だったりする。
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カテゴリ説明
もっさり:日々の雑感をもっさり。
がっつり:論文や研究関連をがっつり。
びっくり:科学ニュースでびっくり。
まったり:空想科学などでまったり。
ばっかり:デザイン系自己満足ばっかり。
ほっこり:お茶を嗜んでほっこり。
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分野は視覚認知。視知覚にがて。
あと記憶全般。
カテゴリ (semanticsか?) とかも。
最近デコーディングが気になる。
でも基本なんでもこい。
好奇心は悪食。
好きな作家(敬称略)
川上弘美
小林秀雄
津原泰水
森茉莉
レイ・ブラッドベリ
イタロ・カルヴィーノ
グレッグ・イーガン
シオドア・スタージョン
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あと記憶全般。
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