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めもめも ...〆(。_。)

認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。

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ー後日更新としてましたが更新しましたー

アーサー・C・クラーク『幼年期の終わり』


古典。
読んだ感想をひとことで言うなら「そーくるかー・・・」だった。
分類としてはいわゆる「ファースト・コンタクト」ものになるのかな?

ある日突然到来したエイリアン“オーバーロード”によって統治された地球。
地球上の諸問題はオーバーロードの統治によって解決した。
でも奴らの統治の目的は明らかにされない。
はたしてオーバーロードは何のために地球にきたのか?統治された人類はどうなってしまうのか?

という話なので、この「謎」の核心についてどう思うか、という点がどうしても感想の中心になってしまうのです。
ネタバレ不可避なので以下は隠します。






・・・いやー、まさか超心理学というか超常現象系のとこにオチつく(あえてこの表記)とはねー。
まあそれらしい説明もあるっちゃあるんだけど。
そいや最初のほうにウィジャ盤(こっくりさんの元ネタ)出てきて「ん?」ってなったけどさ。
そもそも肉体の発展より精神の発展が上!ってなところで結局キリスト教(だけじゃないけど)の影響下を脱け出せてないんじゃ・・・
とはいえ、実際のところ今の方法で太陽系の惑星より遠くに有人飛行ができるかってーと難しいわけで。
中学生くらいんときに読んだ宇宙本でも、宇宙飛行ロケットの解説に「未来はなんかすごいエンジンが開発されてすごいロケットができると期待してる」みたいなくだりあったしなあ。
今の方法に限界があるのは古くから知られてたわけで。
・・・だからって「超常現象的パワー」出すのは・・・ねえ?

ちうか人類が超常現象的パワー手に入れる“進化”する方向にある、ってこれ前に言及したグールドの進化論におもっきり反してるんじゃないの?
「いやこの世界設定では現実の進化論は正しくないから」って反論も成り立つけどさ。
やっぱ進化論って誤解されがちなんだなあ。

そんなかんじで、途中から(というかわりとラストのほうで)SFなんだけどオカルト寄り、というおはなしになります。
これオカルトの素養ないと読んでて辛くなるんじゃないかなー。
わたしはオカルト読み物もけっこう好きなので大丈夫だったけど。

たとえば、「オーバーロードの容姿がキリスト教でいわれる悪魔に似ている」理由が、「オーバーロードが現れてから人類が滅亡するので、オーバーロードの姿に不吉さを重ね合わせた」こと、つまり未来の記憶を思い出して恐怖していた、という話とか。
時空オカルト話読んでたら「あーそういうアレねー」ってなるけど、そういうのに疎いひとだと「えっなにそれ循環型時空?仏教?」ってなって混乱しかねないかと。
時空オカルトはホラー要素少ないからオカルト初心者にもおすすめ!
でも基本的にオカルトは理不尽な話だから、読んでみて「うわー理不尽おもしれー」ってなればいいけど「は?なにこの理不尽な話?」って感想になる場合は向いてないと思う。
とりあえず時空オカルトの耐性試したかったら「時空のおっさんまとめ(http://syarecowa.moo.jp/jikuu/ossann/ossann-menu.html)」でてきとーな小話いくつか読んでみるといいと思う。
玉石混合だけど。

あと、オカルトよりも何よりも理不尽に感じたのが、人類が滅亡するからって早々に自死しちゃうことかな。
最後を見届けるのが密航者の青年だけとか。
好奇心ごと衰退したのかよ。
自分の人生なんだから最後までゆっくりすればいいじゃない。
なんか新人類よりも脱個体じゃねーか。
そこは最後まで 旧人類=個体 vs. 新人類=一体化 の対比出しといたほうがよかったんじゃないのか。

そいやーヒト種は幼形成熟だっていうのはグールドの『ダーウィン以来』にも書いてあったけど、現在の「幼形」からの発達に関するモノガタリってどうして超常現象よりの発想になるんだろーねー。
『天使の蝶』とかさ。


短くて理不尽さを感じさせる要素が無い分、わたしは『天使の蝶』のが好きかなー。
もうちょいリアリティのある「幼形」からの発達が読みたい。

リアリティどうこうでは、今回描写されるエイリアンたちがなぜその姿になったのかについてはそれなり理由があって面白かった。
やっぱわたしは生物学SFが好きなのかもしれん。
イーガンの『ルミナス』も好きな話なんだけど、あれはふつー数学SFに分類されるのかな、でも相手のことを考えたらあれも生物学SFと言えなくもない。
まだ見ぬ不思議な生き物(それも予想もつかなかったかたちで!)ってすげー心そそられるよねー。


結論。
おもしろ生物学SFを探したい。
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