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めもめも ...〆(。_。)

認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。

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某巨大掲示板ネタに相当するのでおきらいな方はスルーで。

こんなん見つけた。
http://kosodatech.blog133.fc2.com/blog-entry-2869.html

・・・がくしんの印象ですらわるすぎ・・・わらえなさすぎて逆に笑える。
わたしのまわりは理解あるひとばかりでよかったなー。という個人的な感想はさておき。

がくしんって「給付金」(なんかのお手当てみたいな印象)というよりも一応は「給与」という扱いなんじゃなかったっけ?
ちうか、博士に進学した子のことを「論文馬鹿プー」とみなすのか・・・
せつねえなあ。

まあPD問題の議論なんぞ既にし尽くされてるからあえてぶり返す必要なんかないのだけども、「研究者になりたい」というのは「芸能人・小説家・ミュージシャン等になりたい」と似たようなもの、っていう考え方が一般に広まってしまうとしたら多少問題だよなあ。
何が違うかってーと、がくしんやその他省庁系研究費は国の予算をつかっているということ。
そもそも大学院なんぞも国やら公的機関のものが多く(私立もいっぱいあるけど)、税金投入する対象だし。
芸能人や小説家やミュージシャンのための公的資金というのもないわけではないけど、やっぱし投入される額が違うよなあ。
そういう意味では「研究者になりたい」というのは「伝統工芸の職人になりたい」のほうが近いと思うんだよな。
伝統工芸を国のアイデンティティとして保護したい、というりくつだったら“一般に”あんまし反感かわなさそう(これも印象論か)。
それと同様に、科学技術・学問を国力として保持したい(そのために研究者を育てたい)というりくつで国の予算が投入されているのではないかな。

要するに、こまかい部分ではあるけども、「どういう国であろうとしているか」に関わる部分なんだから、十把一絡げに否定してしまうのってその「どういう国」のところも否定してる気がするんだよなー。
伝統工芸だって「技術」なんだから「科学技術・学問」でいえば同じカテゴリか。
「生きてくうえで伝統工芸は必要ないから保護しないでいい」と「生きてくうえで学問は必要ないから保護しないでいい」は似たような主張だよ、と。

即お金に変換できないかもしらんが、「国」を考えたら「科学技術・学問」って国の特徴や国力に直結してると思うんだが。
たとえば、「お金にならない」と揶揄される歴史学でも、歴史認識なんか外交問題にもなるし、ちゃんとした学問があり資料があるっていうのは外交カードになるんじゃないのかなあ。
個人ではお金にできなくても、「国」という共同体を営む上で共同体のちからになる場合ってのがあるんじゃないのかなー。

まあアカデミアの内側にいればそんなことは「当然」のように思うけども、いざ「世間」ってやつをみれば「論文馬鹿プー」とか「マンションも買えない」とかそういう目で見られる(こともある)んだよな、というだけの再確認。

いやでもいまどき30そこそこでマンション買うの普通か?とかそういうこまかい疑問は浮かぶけども。
いやー景気が悪いってやあねえ。

まあでもこんなふうに見るひとがいるんだから、脱アカデミアが「カチグミ」なのは間違いねーなー。

・・・うむ。つよくいきよう。わたしもあなたも。
他の誰がなんて言おうと、本人が幸せならカチグミもマケグミもないさー。
・・・たぶん。

なにこれこわい。
http://d.hatena.ne.jp/NOV1975/20120524/p2

端的にいうと「うつ」を対象にSNSビジネスをはじめてしまったひとたちがいるらしい、ということ。
これの怖さはわざわざわたしが書くまでもなく指摘されているようなので省くとして、もひとつ怖いのは、日本における心理学の立ち位置の微妙さだなあ、とつくづく思う。

言うまでもないことだが、日本では心理学は「文系」の学問とみなされている。
まあ完全文系少女だったわたしが心理学やれてるんだから、「文系」であることの恩恵も少なからずあるのだろうが、それ以上に日本の「世間」での扱いはやはりどうかと思う。
図書館や書店にいけば、心理学は未だに「哲学」の下位カテゴリであったり、下手したら「スピリチュアル」の仲間だったりするのだ。

わたしは、「文系」と「理系」の1番大きな違いは「検証の必要性」だと思っている。
理系であれば、実験系だろうと理論系であろうと、その主張を検証する必要があるし、他の人が同じ結論・主張に至れるように検証の方法を示す必要がある。
しかし文系ではそうではない。
たとえば、G・スタイナーがアンティゴネーをヨーロッパ文化圏での欲望の対象の象徴と読んでも(うわもう全然記憶にない。まとめ方が間違っててもそこは堪忍してください)、実際にヨーロッパ全土でアンティゴネーに関する調査をする必要はない(実施したらしたでおもしろいとは思うけど、ガチ文系のひとはどう思うんだろう)。
その分発想が自由で、思いもよらなかった連想や帰納が楽しめるわけだけども。

んで、そういう流れでいえば、ラカンやユングを学ぶというのはどうしても「文系」だと思う。
そもそも特定の人物の書籍を読み込むという作業が既に「文系」だよね。
精神分析についてはわたしは「文系」だと思っているけども、臨床心理学なんかで学ぶ分にはどうなんだろうなー。
わたしは臨床系の講義をほとんど受けていないので、臨床系がどれだけ検証必要性を重視しているのか知らない。
だがどうもそれも「学派」によるんじゃないかなーという印象がある。
いろんな療法の有効性を調査してデータを蓄積している人もいれば、神話や絵画を読み込む(いろんな連想をする)ことで病気について知ろうとする人もいる。
わたしの分類でいえば、前者は「理系」アプローチで後者は「文系」アプローチなんだよな。


で、自分が病気したときに「きくかどうか検証してないおくすり」と「きくことが検証されているおくすり」とどっちを選びますか?って聞かれたらどっち選ぶ?


わたしの違和感及び危機感は、ここにあるんだと思う。

勿論、カウンセリングが世の中にまったく必要ないとは思っていない。
ただ、ユングが活躍していたご時勢ならまだしも、PCやネットの普及でかんたんに実験や調査ができるようになった現代で、それをずっと「文系」アプローチのままで、「世間」的には「スピリチュアル」の仲間にしたままでいいのか。
アカデミックな手法でさえ、検証必要性を重視していないように見られるから、うつのSNSビジネスなんて「なめられた」真似を許してしまうのではないのか。
「メールでうつの悪化を防げる」なんて連想、全然検証されてない。
でも精神分析だって検証が全然すすんでいないのに現場でつかわれている。
その差は何なのか、と聞かれたときに、臨床心理のひとびとはなんと答えるのか。
「実際に用いられているかどうか」って答えたら、「じゃあSNSだって実際にやってみたらいいじゃん」って言われちゃうんじゃね?


あ、でもうつ治療に関しては薬物療法がメインって学部のころに習ったような気がするわそういえば。
でもその先生「カウンセリングが重要な精神疾患もありますが、カウンセリングだけで治る精神疾患はありません」って言ってたんだよね・・・
まあそれも「学派」によるもんかもしれんが。


うーん。今日は「いかに学部のころの知識があやふやか」を思い知る日だったなー
(予想外のまとめ)
金環日食でおまつりさわぎしてぼけっとしてたら、祭に関係なくここにアクセスしてくださる方も多く、よろこばしい限りで・・・

ん?

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1086773050
で、「心理学レポート支援のサイト」としてうちが紹介されとるうううううう。
しかもぱっと見、これ書いたの無関係者じゃね?
てことはあれか、非身内でも拙めもぶろぐを参考にしてくださってるひとがいるということかー。
ひー。
ありがたいような申し訳ないような。
なんかこんなんですんません。

えー、当めもぶろぐは、心理学に関係することや関係しないことをめもしております。
まあこんなんでも、1ミリでも誰かのお役に立てるなら幸いです。

・・・うーむ。レポートネタで人気でるなら、レポート添削ネタとか書いたらいいんじゃなかろーか。
と思うけど気が向いたらでいいや。
基本的にゆるゆるのスタンスなので。


・・・まあそれでも、もちょっと学術的な話したほうがいいような気がするなー。
うーむ。

ちょいとひきこもっている間に、世の中では発達障害絡みでの議論が巻き起こり収束していた(ひょっとしたらまだ続いてるのかもしれない)。

大阪での「家庭教育支援条例案」というのがあって
http://osakanet.web.fc2.com/kateikyoiku.html
これに
「第4章 (発達障害、虐待等の予防・防止)
(発達障害、虐待等の予防・防止の基本)
第15条 乳幼児期の愛着形成の不足が軽度発達障害またはそれに似た症状を誘発する大きな要因であると指摘され、また、それが虐待、非行、不登校、引きこもり等に深く関与していることに鑑み、その予防・防止をはかる」
って条文があり問題視されていたもよう。
ちなみに(当然といえば当然だけど)この条例案は否決されたようです。
http://www.j-cast.com/tv/2012/05/08131291.html
http://mainichi.jp/select/news/20120508k0000m010085000c.html
謝罪いただけたようで、「問題」は共有されたとみなしていいのかな。

で、この問題への反応が
http://togetter.com/li/297282
http://b.hatena.ne.jp/entry/osakanet.web.fc2.com/kateikyoiku.html
http://d.hatena.ne.jp/lessor/20120502/1335985207
など。
もっといっぱいあったけど拾いきれないのでとりあえず。

んで、わたしが見た範囲ではアカデミックなソースが引用されてないなーと思ったので、発達心理学は専門外なれどすぐにアクセスできるソースを用意してみた。
まあ条例案が否決された今となっては騒ぎも沈静化してるだろーし、そもそもここに来るひと自体が少ないのであんまし意味はないのだけども、もしかしたらどこかの誰かの役にたつかもしれないのと、あと単純に自分がもやもやするのはいやなので。

縛りとしては
・日本語で読める
(いやまあわたしは英語でもいいけど。と言い訳しておく。ほんとだってば。)
・学外で読める
の2点。
英語が読めて大学なり何らかの研究機関にいればもっと正確で的を得たソースにアクセスできると思うが、それだと大阪のニュースでふっと不安になったひとの役に立てるにはちょっと大変(誰かが翻訳とか解説しないといけないし)。
ということでこの縛り。

タネを明かしておくと、単にCiNii(http://ci.nii.ac.jp/)で検索しただけです。
なので「もっといい資料あるだろ」と思ったら自ら検索するのがおすすめ。

で、検索しようと思ってはたと困り果てたのだけど、この「発達障害」ってなんのことをさしてるんだ?
「発達障害」とひとくちにいっても、自閉症スペクトラムに含まれるあれこれや学習障害注意障害といろいろあるし、大きくとればダウン症やウィリアムス症候群などの染色体や遺伝子の異常によるものも含まれる気もする。
まあでもまさか「遺伝子疾患も愛着形成で予防できる」なんてタイムトラベリングな話を行政機関が主張すると思えないから、先天性であることが明確になっているダウン症やらは今回の対象には含めないことにしよう。ダウン症とか生物の教科書にも載ってるし。

というわけで、まず発達障害の代表として「自閉症」に関して調べてみた。
上のニュースでも、自閉症に関する団体から抗議があったようだし。

とりあえずおさえておきたいのは、自閉症の原因は現状では完全な特定ができてない点。
んでもって、日本語で学外アクセスできるソースがねええええええええ。
オープンアクセスってだいじだな・・・
しかたないのでCiNiiでそれっぽいの貼る。
図書館利用できて興味のある方はここからたどってみてもいいかもよ。

http://ci.nii.ac.jp/naid/40016871095
http://ci.nii.ac.jp/naid/40016809150
http://ci.nii.ac.jp/naid/40016643813
この3つは同じ雑誌のシリーズっぽいね。

http://ci.nii.ac.jp/naid/40016259350
これは原因とされるものが何かタイトルから不明だけどレビューっぽいのかな。
同じひとが
http://ci.nii.ac.jp/naid/40015334224
で「多因子説」って言ってるからいろんな要因があるんだと思う。
そうでなきゃ雑誌でシリーズ組めないわなあ。

原因についてはろくすっぽ成果を挙げられませんでしたが、大阪市が問題にしていた「愛着」の問題と自閉症についてはオープンアクセスなソースがいくつかありました。
PDFを直接貼れるかと思ったのだけど、どうもちゃんとCiNiiをくぐらなければならないっぽいので、本文を見たいひとはCiNiiのページから「論文PDF」のとこをクリックして見てくださいな。

まず「鎌倉女子大学学術研究所報」というところから。
http://ci.nii.ac.jp/naid/110008447774
本文中に「原因を家庭でのしつけや育ちの中に探ろうとしたりされてきたため、長く家族や本人を苦しませてきた」って書いてありますがな・・・
さらに重要なのが「報告2」でとりあげられている事例で、発達障害(後に診断される)をもつこどもが虐待されていた件。
で、幼児児童養護施設での「「修復的愛着療法」に類似した養育」が「発達障害の軽減」の一因になったと推測されている。
要するに、
(原因)発達障害→(結果)虐待
という例なのだが、大阪市の案は「因果関係の逆転」を起こしているというわけだな。
あと
(原因)愛着療法→(結果)発達障害の軽減
という因果関係を、
(原因)愛着形成→(結果)発達障害が発生しない
という部分にまで拡大してしまった、と解釈できるわけだ。
まあ発生の原因と軽減した原因が違う、という点をすっとばしてしまったわけですね。

愛着形成で自閉症をもつこどもの発達が促される例としては
http://ci.nii.ac.jp/naid/110004679543
がある。事例報告なので解説よりも読むが一番である(という投げっぷり)。

事例報告では他に母子支援に注目したものもあった。
http://ci.nii.ac.jp/naid/110004652517
これは「自閉症の疑いあり」と診断されたこどもとその母親に支援を行って、愛着関係が形成されて、最終的には「自閉症状が不鮮明になる」段階に至ったという話。
これを「自閉症を予防した」と勘違いパラフレーズすることは可能だろうか?
いやそもそも自閉症というのが、定型発達のこどもとかけ離れてぽこんと生じるものではなくって、定型発達を含む連続体の一部って考えられてるんだから、かつて自閉症状があって「(疑いなく)自閉症」と診断されなくて、その「症状が不鮮明になった」からといって「予防」というのがへんなんだよな。
症状はあったわけだし非定型発達って言われればそうだし。
非定型と定型の境目ってはっきりあるわけじゃないし。

しかしまあ、事例報告とか見てると某パン男さん関係の人気っぷりにびっくりするわ。
そいやー某発達の研究室にも某パン男さん関係のおもちゃあったしうちの弟もちっこい頃奴に夢中だったしなあ。
某パン男さんとその仲間たちのいったい何がこどもたちを惹きつけるのか、その要因が知りたくなりますな。

あともう1つ事例報告で、自閉症だけでなく注意障害や広汎性発達障害に関するもので、早期介入の効果について報告したものがあった。
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006455099
これは「育て方」に注目しているようで、「親子関係」に注目している。
報告した研究者たちは、自閉症を「認知機能の障害」というよりも「関係性の障害」ととらえており(まあぶっちゃけ「どっちに主眼をおくか」って問題だと思うけども)、早期介入で親子関係の悪化を防ごうという話。
要するに、
発達障害でこどもが親子関係に重要なサインをうまく送れない→親がこどもの愛着欲求に気づけない→親子関係がうまく定型発達しない→こどもの発達への刺激がうまくいかない→こどもは親にサインをうまく送れない
という悪循環があって、早期介入でこのループを切れたらいいなって話っぽい。

で、自閉症を「関係の障害」ととらえることで自閉症と愛着の関係が注目されるようになったといえる(少なくとも注目される要因の1つだろう)。
そのへんは
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006454971
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006454980
で読める。
後者のほうは自閉症の原因論にもふれているが、「原因が何かよりもこどもが対人関係どうするかが問題なんじゃあ(わたしの乱暴なまとめ)」という立場で、あくまでも自閉症を個人の資質・能力の問題に帰せず、こどもと周囲のひとびととの関係に生じた問題として、その関係を改善するためにどう介入すべきかということを論じている。

愛着(と自閉症をもつこどもの発達)については
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006390058
がレビューっぽく解説しているのでこちらを読むとよい。

あと気になったけどオープンアクセスじゃなかったのが
http://ci.nii.ac.jp/naid/40019029400
・・・って、自閉症と誤診されてたけど実際は「反応性愛着障害」だったという例(らしきもの)。
つまり自閉症と愛着障害はまったくの別物であることがタイトルだけでも窺い知れますね。

で、自閉症関連のオープンアクセスなソースをだいたい見終わったわけだけども、学習障害や注意障害についておなじようなリファレンスワークは・・・ちょっと今日は勘弁してください。
ちゅーか学習障害とか注意障害とか自閉症以上にややこしいし!


とりあえずのまとめ&感想
  • 発達障害の定義を明確にしてから議論して欲しいよな
  • 自閉症に関して言えば、愛着形成によって症状が「不鮮明」になった事例はある
  • 因果関係ひっくりかえしたらいかんですよ
  • 親子支援はだいじ。だが条例案は親の不安を煽ってどうするつもりだったんだ
  • やっぱ「脳科学」って言っちゃうひとって(ry
  • 探したらまともな神経科学者や本職の発達心理学者のわたしなんかより正確で詳細なコメントがどこかにありそうだけどきにしないことにした

ふーむ。まあ条例案問題は沈静化してるっぽいからどうしても今更感が漂うなあ。
まあいいや。自己満足めもだし。

ぼちぼち学内が落ち着きつつある時期ですが。

景気のよいえらいひとがぽんぽん神経系の実験機器を買うという話をちょくちょく聞きます。
NIRSとか脳波計とかtDCSとか眼球運動測定装置とか。
すごいですね。
わたしには無縁の話ですが。

というか、わりとどストレートに心理なひとたちってそこまで神経系の機器にfamiliarじゃないですよね。
MRIはだいぶ広まってきたとはいえ、MRI自体はやっぱり購入可能なものではないし(まあ某所は購入したっぽいですが)、どこかの施設にMRI貸してもらって(=協力してもらって)実験するにしてもものっそいお金がかかる。
そもそも「つて」が必要だったりするし。
ちょっと弱小な研究者や研究者のたまごが、ぽっと出で手を出せるものではない。

MRIよかおきがるに購入されてるNIRSや脳波計はどうなんだろーか。

「かけんひの効率的な運用」という話題で必ず出てくるのが「実験機器の共用を認めれば機器の購入代金が浮く」という話。
工学系やバイオ系だとけっこう重要な話らしいですね。

一方心理屋さんはどうなのか。
ひとむかし前であれば、「あご台ちょっと貸してー」っていうのが他大学の研究室間でもあったりなかったりといううわさを聞いたことがあるのですが(まああご台つかうのって視覚系だけに限られるだろうから心理学全体の話ではないわな)、それって公式にはアウトなのかセーフなのか。
「備品」カテゴリだとややまずいかもしれませんね。借用書みたいなのが必要になるのかな?

てゆかさ。
運営費?だっけ、常に毎年入ってくるおかねが削減されて、「研究費は自分でとってこい」って時代なわけでしょ。
今かけんひ持ってるひとが、次もおかねもらえるとは限らないわけでしょ。
じゃあ購入した実験機器をあまり高くないおねだんで他研究室にリースできれば、「自分でおかねを稼ぐ」という旗印にも合致して、他研究室のぽっと出研究者もお安く実験機器をつかえてWin-Winじゃないのか。
ようするに、「かけんひで購入した実験機器で商売するのってなにがだめなの?」って話。
いや、商売を目的に実験機器を購入するのはアウトくさいなーとは思いますけど。
大学関係者以外が、「ちょっと脳波とかどんなんか見てみたい」って言ったとして、「じゃあ500円で脳波とってあげる」って研究者が言うのはなんでアウトなの?
かけんひの共同研究者とかじゃないけど、どっかの大学院生が「脳波計ってどんなのか実験してみたいんですけど」って言ってきたときに、脳波計持ってる先生が「じゃあ1時間500円でうちの脳波計つかう?」って言うのなんでアウトなの?
あ、機器そのものを貸すんじゃなくって、機器は当該研究室にあって、実際の操作は当該研究者がやるとか、勉強したいひとといっしょに動かすとかそういう想定ね。
つーか、「うちにはこんな機器があります。さわってみたいひとはメールで申し込んでね!」っていう機器の紹介と申し込みのウェブサイトをたちあげて、いちげんさんでも実験計画がちゃんとなくっても機器をさわれるようにしたらなんかおもしろくね?んでもってちょびっとおかねをもらったらだめなの?
やってることは某研究機関がMRIとかMEGとかの講習を講習料とってやってるのと大して変わらんよね。
それをオープン&規模縮小しただけで。

まあ、TMSとかtDCSとかがアウトなのはわかる。
日本ではいわゆる「医療行為」扱いになるから、ってのは。
それ以外ならいけるんじゃないのかなあ。
ひょっとしてもうやってるとこあるんじゃない?
それとも大学でそういうことするとまずいの?
それともかけんひで購入したもので商売するのはまずいの?
わからん。

要するに、ポケットマネー程度で実験機器さわれたらいいのになあ、というだけの話。
残念ながらわたしは実験機器購入する側の立場ではないので・・・
でも、あご台を融通するレベルでも、いちげんさんが利用できてほんのちょっとおかねの流れができればおもしろいと思うんだけどな。
まあ部外者だから言えることかもしれない。
結局わたしにはわからない。

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