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めもめも ...〆(。_。)

認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。

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なにこれこわい。
http://d.hatena.ne.jp/NOV1975/20120524/p2

端的にいうと「うつ」を対象にSNSビジネスをはじめてしまったひとたちがいるらしい、ということ。
これの怖さはわざわざわたしが書くまでもなく指摘されているようなので省くとして、もひとつ怖いのは、日本における心理学の立ち位置の微妙さだなあ、とつくづく思う。

言うまでもないことだが、日本では心理学は「文系」の学問とみなされている。
まあ完全文系少女だったわたしが心理学やれてるんだから、「文系」であることの恩恵も少なからずあるのだろうが、それ以上に日本の「世間」での扱いはやはりどうかと思う。
図書館や書店にいけば、心理学は未だに「哲学」の下位カテゴリであったり、下手したら「スピリチュアル」の仲間だったりするのだ。

わたしは、「文系」と「理系」の1番大きな違いは「検証の必要性」だと思っている。
理系であれば、実験系だろうと理論系であろうと、その主張を検証する必要があるし、他の人が同じ結論・主張に至れるように検証の方法を示す必要がある。
しかし文系ではそうではない。
たとえば、G・スタイナーがアンティゴネーをヨーロッパ文化圏での欲望の対象の象徴と読んでも(うわもう全然記憶にない。まとめ方が間違っててもそこは堪忍してください)、実際にヨーロッパ全土でアンティゴネーに関する調査をする必要はない(実施したらしたでおもしろいとは思うけど、ガチ文系のひとはどう思うんだろう)。
その分発想が自由で、思いもよらなかった連想や帰納が楽しめるわけだけども。

んで、そういう流れでいえば、ラカンやユングを学ぶというのはどうしても「文系」だと思う。
そもそも特定の人物の書籍を読み込むという作業が既に「文系」だよね。
精神分析についてはわたしは「文系」だと思っているけども、臨床心理学なんかで学ぶ分にはどうなんだろうなー。
わたしは臨床系の講義をほとんど受けていないので、臨床系がどれだけ検証必要性を重視しているのか知らない。
だがどうもそれも「学派」によるんじゃないかなーという印象がある。
いろんな療法の有効性を調査してデータを蓄積している人もいれば、神話や絵画を読み込む(いろんな連想をする)ことで病気について知ろうとする人もいる。
わたしの分類でいえば、前者は「理系」アプローチで後者は「文系」アプローチなんだよな。


で、自分が病気したときに「きくかどうか検証してないおくすり」と「きくことが検証されているおくすり」とどっちを選びますか?って聞かれたらどっち選ぶ?


わたしの違和感及び危機感は、ここにあるんだと思う。

勿論、カウンセリングが世の中にまったく必要ないとは思っていない。
ただ、ユングが活躍していたご時勢ならまだしも、PCやネットの普及でかんたんに実験や調査ができるようになった現代で、それをずっと「文系」アプローチのままで、「世間」的には「スピリチュアル」の仲間にしたままでいいのか。
アカデミックな手法でさえ、検証必要性を重視していないように見られるから、うつのSNSビジネスなんて「なめられた」真似を許してしまうのではないのか。
「メールでうつの悪化を防げる」なんて連想、全然検証されてない。
でも精神分析だって検証が全然すすんでいないのに現場でつかわれている。
その差は何なのか、と聞かれたときに、臨床心理のひとびとはなんと答えるのか。
「実際に用いられているかどうか」って答えたら、「じゃあSNSだって実際にやってみたらいいじゃん」って言われちゃうんじゃね?


あ、でもうつ治療に関しては薬物療法がメインって学部のころに習ったような気がするわそういえば。
でもその先生「カウンセリングが重要な精神疾患もありますが、カウンセリングだけで治る精神疾患はありません」って言ってたんだよね・・・
まあそれも「学派」によるもんかもしれんが。


うーん。今日は「いかに学部のころの知識があやふやか」を思い知る日だったなー
(予想外のまとめ)
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