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めもめも ...〆(。_。)

認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。

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ではどんどんSFだ。

今回はド古典、タイポグラフィーSFで有名なベスターの『虎よ、虎よ!』です。


よくラノベを批判するやつをひっかけるために、タイポグラフィーの実験してるページが貼られるアレですね。
まあこれを持ち出すまでもなく、『不思議の国のアリス』でもねずみのしっぽにひっかけたりしてたと思うのですが、一応「アリスはこども向け」ということなのかな…

あ、あといわゆる「ワープ」「テレポーテーション」を「ジョウント」と呼ぶ元ネタでもあります。

そんなふうに古典として愛され引用されている『虎よ、虎よ!』でありますが……

……うん、これひとを選ぶわ。
ものっそい疾走感、徹底してダークなアトモスフィア(なにげにばれないように忍殺語を混ぜればいいってもんじゃない)、ひたすら自己中心的な人物たち、それがぶつかりあってぶつかりあってタイポグラフィーであらわされるような「メエルシュトレエム」に収束していくというスタイル。
いやもう本当に「メエルシュトレエム」としか呼びようがないよ。
辻褄とか情緒とかふっとばして突き進んでいくさまは、ふだんブラッドベリの短編をちまちま読んでいるような軟弱ものには咀嚼しきれない恐ろしさがあります。
…これまさにハリウッド映画向きなんじゃないかなあ。
この爆走っぷりは、むしろ映像で見たい気がする。
でも、映画化権はやりとりされてるものの映画自体はまだ音沙汰ないみたいね(だがソースはウィキペディアだ)。

…個人的に言うならば、SFとしてはそんなに好みじゃなかったな……
まあブラッドベリ好きという情緒寄り本読み向けじゃないのと、「復讐譚」というアオリを真に受けて読んじゃったのとが問題か。
これ「復讐譚」として読んだらすんげーもやもやするので、そこだけは注意を促したい。
これ絶対復讐譚じゃないから!

最初っから「すんげーパンクSFだよ」とか聞いて読めばよかった。

あ、どうでもいいけどこのプロットの一部は『宇宙クリケット戦争(前めも参照)』に併録された「若きゼイフォードの安全第一」にも生かされているような気がする。
いやあ本当に影響力の高い作品なんだなあ(判断基準がそれってどうよ)。

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