めもめも ...〆(。_。)
認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。
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さらにSFだ!もっとSFを!!
というわけで今回は“SFのごちそう”ベイリーの『時間衝突』。
前回は「うーむなんか好みにヒットしないな…」という感想になってしまったのですが、今回の『時間衝突』はこむずかしい時間SFであるにも関わらず「うっひょー!おもしれえ!」となったので、前文でこの作品を“ごちそう”と評したスターリングはまさに正鵠を射ていたと言えよう。
時間SFなので、「時間とはどういうものなのか?」という疑問が物語の根幹に深く関わってくるのですが、根幹過ぎてこれ説明しちゃうとネタバレもいいとこなのであえて説明しません。
まあ解説とかでもいわれてるように、わりとむちゃくちゃなアイディアなんですけど、物語として面白くて破綻がなければおっけー!派なわたしとしては問題なし。
いやむしろその奇想天外さがいい。
ちなみに作者ベイリーはバーミンガムの生まれらしい。
イギリスSFということか…
ちょびっとネタばれ的になるんだけど、『時間衝突』の舞台となる地球は白人の一種(としか言いようがない)が支配的になってて、他種族(種族?として分化してる?ことになってる???)を圧迫してるんですよねー。
やはり「階級社会」を反映しているのか…
作者は、他人種カップルがぞろぞろうようよいる移民の国になった現在のイギリスを見てどう思うんだろう。
どうもしないか。他人種カップルがいる一方、所属する文化グループの違いにヘイトを募らせる連中を見て「何もかわってねーよw」と笑われるのがオチかもしれん。
と思ってウィキペディア(これ)見たら結構最近まで生きていらっしゃった…
今回紹介してるSFんなかでいうと『ハーモニー』の翌年におなくなりになっている。
後期は社会性のつよい作品だったというから、移民の国となったイギリス絡みの作品もあるのかもしれん。
今度探してみよう。
んで地球と対比される人工宇宙都市「レトルト・シティ」は中国人系なんだよな。
…まあ世界中にチャイナタウンが散在することを考えれば当然ありうる設定か。
彼らの持つ文化はひたすら優雅で、なんとなく清代より前をイメージさせる。
中国(特に文化)って昔はああいうかんじで描かれてたよなー。
今は工業製品とかの絡みやなんやかんやでいろいろきなくさかったりするもんなー。
それはともかくとして、その中国系文化がさらに発展した未来の描写もなかなか面白い。
中国文化をSFにするとこういうのもありかー!と。
やっぱ発想の面白さは「しっくり感」に裏打ちされてないとな。
デウスエクスマキナでもいい。でもそこに至るまでの物語がほしいんだ。
『時間衝突』はそれぞれいろんな思惑を持った人々がそれぞれの目的のために右往左往しているのですが、それぞれに「しっくり感」がある。
まあ「各人の物語がシンプル」と言ってもいいかもしれない。
ただ群像劇よろしくいろんな人々が出てくるんだから、各人は多少シンプルなぐらいが破綻がなくていいのかもしれない。
各人は各人の物語を生きてる。
接触はする。
でも各人の物語は「衝突」しない。
他人に思考は変えられないからなあ。
そして各人が迎えるそれぞれの結末は、なんと各人の望んだとおりなんだよなあ。皮肉にも。
このへんの皮肉なハッピーエンドを「イギリスっぽい」と見るのはちょっとうがちすぎかもしれないが。
結局自分の思考の枠組みの中で自分が望んだものにしか到達できないから、枠の外にはなかなか出られないんだよなあ。
そのへんのビターな味わいは、さっと読んだだけでは楽しめないかもしれないけど、ゆっくりゆっくり反芻すれば見えてくるものもあるはず。
時間SFの名作でありながら、人間SFの名品でもあることだなあ。
それと本筋にまったく関係ないことですが、この作品のエイリアン造形かわいい。
かわいいけど……うん…
異なる文化を理解するのってむずかしいね。
というわけで今回は“SFのごちそう”ベイリーの『時間衝突』。
前回は「うーむなんか好みにヒットしないな…」という感想になってしまったのですが、今回の『時間衝突』はこむずかしい時間SFであるにも関わらず「うっひょー!おもしれえ!」となったので、前文でこの作品を“ごちそう”と評したスターリングはまさに正鵠を射ていたと言えよう。
時間SFなので、「時間とはどういうものなのか?」という疑問が物語の根幹に深く関わってくるのですが、根幹過ぎてこれ説明しちゃうとネタバレもいいとこなのであえて説明しません。
まあ解説とかでもいわれてるように、わりとむちゃくちゃなアイディアなんですけど、物語として面白くて破綻がなければおっけー!派なわたしとしては問題なし。
いやむしろその奇想天外さがいい。
ちなみに作者ベイリーはバーミンガムの生まれらしい。
イギリスSFということか…
ちょびっとネタばれ的になるんだけど、『時間衝突』の舞台となる地球は白人の一種(としか言いようがない)が支配的になってて、他種族(種族?として分化してる?ことになってる???)を圧迫してるんですよねー。
やはり「階級社会」を反映しているのか…
作者は、他人種カップルがぞろぞろうようよいる移民の国になった現在のイギリスを見てどう思うんだろう。
どうもしないか。他人種カップルがいる一方、所属する文化グループの違いにヘイトを募らせる連中を見て「何もかわってねーよw」と笑われるのがオチかもしれん。
と思ってウィキペディア(これ)見たら結構最近まで生きていらっしゃった…
今回紹介してるSFんなかでいうと『ハーモニー』の翌年におなくなりになっている。
後期は社会性のつよい作品だったというから、移民の国となったイギリス絡みの作品もあるのかもしれん。
今度探してみよう。
んで地球と対比される人工宇宙都市「レトルト・シティ」は中国人系なんだよな。
…まあ世界中にチャイナタウンが散在することを考えれば当然ありうる設定か。
彼らの持つ文化はひたすら優雅で、なんとなく清代より前をイメージさせる。
中国(特に文化)って昔はああいうかんじで描かれてたよなー。
今は工業製品とかの絡みやなんやかんやでいろいろきなくさかったりするもんなー。
それはともかくとして、その中国系文化がさらに発展した未来の描写もなかなか面白い。
中国文化をSFにするとこういうのもありかー!と。
やっぱ発想の面白さは「しっくり感」に裏打ちされてないとな。
デウスエクスマキナでもいい。でもそこに至るまでの物語がほしいんだ。
『時間衝突』はそれぞれいろんな思惑を持った人々がそれぞれの目的のために右往左往しているのですが、それぞれに「しっくり感」がある。
まあ「各人の物語がシンプル」と言ってもいいかもしれない。
ただ群像劇よろしくいろんな人々が出てくるんだから、各人は多少シンプルなぐらいが破綻がなくていいのかもしれない。
各人は各人の物語を生きてる。
接触はする。
でも各人の物語は「衝突」しない。
他人に思考は変えられないからなあ。
そして各人が迎えるそれぞれの結末は、なんと各人の望んだとおりなんだよなあ。皮肉にも。
このへんの皮肉なハッピーエンドを「イギリスっぽい」と見るのはちょっとうがちすぎかもしれないが。
結局自分の思考の枠組みの中で自分が望んだものにしか到達できないから、枠の外にはなかなか出られないんだよなあ。
そのへんのビターな味わいは、さっと読んだだけでは楽しめないかもしれないけど、ゆっくりゆっくり反芻すれば見えてくるものもあるはず。
時間SFの名作でありながら、人間SFの名品でもあることだなあ。
それと本筋にまったく関係ないことですが、この作品のエイリアン造形かわいい。
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カテゴリ説明
もっさり:日々の雑感をもっさり。
がっつり:論文や研究関連をがっつり。
びっくり:科学ニュースでびっくり。
まったり:空想科学などでまったり。
ばっかり:デザイン系自己満足ばっかり。
ほっこり:お茶を嗜んでほっこり。
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まったり:空想科学などでまったり。
ばっかり:デザイン系自己満足ばっかり。
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分野は視覚認知。視知覚にがて。
あと記憶全般。
カテゴリ (semanticsか?) とかも。
最近デコーディングが気になる。
でも基本なんでもこい。
好奇心は悪食。
好きな作家(敬称略)
川上弘美
小林秀雄
津原泰水
森茉莉
レイ・ブラッドベリ
イタロ・カルヴィーノ
グレッグ・イーガン
シオドア・スタージョン
分野は視覚認知。視知覚にがて。
あと記憶全般。
カテゴリ (semanticsか?) とかも。
最近デコーディングが気になる。
でも基本なんでもこい。
好奇心は悪食。
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