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めもめも ...〆(。_。)

認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。

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後期いそがしすぎてめもぶろぐおざなりになりがち。

とりあえずひろっておいたネタはそれなりに回収します。

講義用ネタになるかとおもってひろったやつ
ナショジオニュースより
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20110415001&expand#title
鉱物でできた「目」とか・・・!
知覚話のつかみになるかなあ。
こういう単純な「目」とヒトの視知覚の仕組み対比させて見せたらおもしろい?
いやでもこれある程度視知覚に興味がないとおもしろく思えないかも。
「一般的におもしろい」ってかんじがよくわからん。


あと単純なナショジオネタ。
http://www.nationalgeographic.co.jp/animals/prehistoric/xiphactinus.html
見て、「なにこれ古代の肉食魚類こわい」って思ってたら、こいつを捕食するさめがいて
http://www.nationalgeographic.co.jp/animals/prehistoric/cretoxyrhina.html
「なにこのさめこわい」って思ってたら、さらにこいつを捕食するやつがいた。
http://www.nationalgeographic.co.jp/animals/prehistoric/tylosaurus.html

古代こわい。
深海こわい。
でもおもしろい。


というわけでやじうまその2です。

その2は、ミラーニューロンで有名なRizzolattiで。
ミラーニューロンの鏑矢となった論文が1992年出版だそうで、この20年をざっとふりかえったりふりかえらなかったりします。

ウィキペディアみるとウクライナ生まれだったんですね。
http://en.wikipedia.org/wiki/Giacomo_Rizzolatti
見たかんじでは「お茶ノ水博士(アトムの博士)みたい」とわたしは思いました。
会場では「ジャムおじさんみたい」って言ってるひとがいました。
まあそういうことです。

ミラーニューロンにたどりつく前に、1981年の論文があって、
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7248054
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7248055
まあ視覚と体性感覚と両方に反応するニューロンがあるよねーという話。

あとFree viewingでの話がたぶんこれ
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/3416965

まあこういうのがあってミラーニューロンに至るわけですね。

で、問題のミラーニューロン事始な論文は
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1301372
だろうか?
頭頂やpremotorのあたりでviewing graspingとgraspingに共通して発火するニューロンがあったよ、的な話。

で、いろんな方向にミラーニューロン研究が展開していくわけですが、ターゲットとなる領域は基本的にマカクのF5(ときどきF1)のようです。
んでいろんな研究を紹介していく。

○ペンチ的な道具をつかう話
論文はhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7571012か?
サルがペンチっぽい道具でえさをつまんで食べるときのニューロン発火記録の話。
ペンチってふつう握り締めると開くよね。だから「手握ってペンチ開く→手を開いてペンチ閉める」という動作でえさをつまむ。
これと逆のペンチ的道具、つまり握り締めると閉まる道具を与えると、「手開いてペンチ開く→手握ってペンチ閉める」という動作でえさをつまむことになる。
だけど両方で似たような発火が見られた。
こまい動作じゃなくて、「えさをつかんで食べる」というgeneral (?) な動作を表象しているのではないかな。という話。

○'motor schema'みたいなもんがあるのではという話
サルに動作を見せてミラーニューロン発火記録。
見せるのは、りんごをつかむ動作/空をつかむ動作(つかむオブジェクトが存在しないけどりんごをつかむのと同様の動作をする)/りんごを途中で隠しながらりんごつかむ動作/空を途中で隠しながら空をつかむ動作、の4種類。
隠してると実際りんごつかんでるかどうかは見えないのだけど、それでもりんごをつかむ動作と隠されたりんごをつかむ動作のときにミラーニューロンは発火し、空をつかむ動作では発火しなかった。
単なる手の動きを表象しているのではなく、「物をつかむ」というスキーマみたいなものを表象しているんじゃね?という話。

他に、動作のようす・音・ようす+音・対象を隠した動作で共通して発火がみられるという研究も。
例)紙をびりびりするようすとか音とか
モダリティ普遍的なスキーマを表象してるのでは。

○「近くのものをつかむ」と「遠くのものをつかむ」話
なんか該当論文がどれだったかわからんくなった。
 (さる)(ものA)   (ものB) (ひと)
みたいな配置したとき、「さるがAをつかむ」と「ひとがBをつかむ」がおんなじような発火で、「さるがAをつかむ」と「ひとがAをつかむ」っていうのは違った、というような話だったような(よくわからなかった)。
絶対的な「Aをつかむ」っていう表象じゃなくて、「自分に近いものをつかむ」という表象なんじゃね、ということだろう。

○動作の「目的」も表象されてるという話
りんごとかを「食べるためにつかむ」のと、「動かすためにつかむ」のとで違う発火パタンだったよと。
動作はいっしょなんだけど、口にもってくor肩かなんかに置く、で動作の目標が違うとパタンが異なったという話。
あと、顔とかtactile mapみたいなんあるけど、直接くっつけなくても反応するしimagenary tactile mapみたいなんがあるねーとかそんなん

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22647599
の話
感情(話にあがったのはdisgust)のミラーニューロンもあるよー。ってさ。
感情のミラーニューロンはinsulaで見出されたそうな。

○ヒトEEGで、ポットを「動かすためにつかむ」のと「お茶とか注ぐためにつかむ」刺激をapparent motionで提示したら(どこのかはめもしそこねた)320~340msくらいにピークきた。動きない画像だけなら140~160msにピークあったのにとかそんなん

○ミラーニューロン系fMRIのメタ分析もしたらしい

○自閉症と動作模倣
とかも最近のトピックにはある


ちょっといろいろあって最後のほうぐだりぐだり。
ミラーニューロンとかそういう話はヒト研究のほうで盛り上がってしまってたけど、Rizzolatti本人はあくまでサルでの研究がメインなんだなーというか、サル研究の話はがっつりしてたけどヒト研究の話はそこまで力点ないっぽいかんじだった。

まあなんにせよやじうまできたのでまんぞく。


今年の学会は有名人が複数きててすごかったなー。
とはいえ自分の今までの仕事をざっくり紹介するだけだったので、若干物足りなさがあったのも事実。

というわけで今年やじうましてきたのまとめ。

まずはPascual-Leoneから。
心理屋さんにとってはTMS大御所のイメージがある(というか不勉強なのでそれしかない)。
英語ウィキペディアもあるのね。
http://en.wikipedia.org/wiki/Alvaro_Pascual-Leone

学会では自分の仕事をいくつかざーと紹介されました。
わたしのしょぼ耳&不勉強っぷりで間違って聞いてることもあるかもしれないが、わたしなりに整理してめもっておく。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7500130の話
ピアノの練習したら(1週間くらいって言ってたけど、今アブストみたら5日って書いてあった)指の運動に対応してる脳の領域がでかくなるそうな。
(ちなみにこの効果はイメージの中だけで練習しても見られるそうな)
でもピアニストはそんなにでかい領域になってないらしい。
んで、ピアノ練習やめたら対応領域縮んで、練習再開したらまた領域ひろくなって・・・を繰り返すと、練習再開したときのでかくなり方がだんだん小さくなる(つまりそんなにでかくならなくなってく)そうな。
ピアニストだって対応領域でかくないし、これは「熟達していってる」ということなのだろう。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16022601の話
「可塑性」というのは、「dynamic change of connection」と「establishment of new connection」である、という話。
日本語にするとどうなるんだろう?「神経結合の動的(変化の余地を残した)変化」と「新しい結合の確立」???
なんか違和感ありまくり。にほんごむずかしいな

○グラスゴーでrTMS&EEG開発したという話
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18533272
とか
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22429242
の話らしい。

さっきの話みたいな練習による変化を調べる研究で、練習前後にTMS&EEGしたら、練習後にLTDみたいなかんじの波がみられたそうな。
(この研究についての論文はめもりそこねた)

また、memantineというNMDAレセプターを阻害する薬をつかうと可塑性が低くなるそうな。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17573373

○自閉症では'hyper-plasticity'的という話
なんかめもった論文情報と検索して出てくる論文情報とが食い違うんだがたぶんこれ↓
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21248685
または
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21423512
なんかtheta-burst stimulationとか言ってたし。
TMSでtheta-burst stimulationというやつをすると、健常者でも可塑性高い状態になるのだけども、自閉症(論文ではX染色体の異常と絡められてるみたいだけど学会でそんな話してたっけ?聞き逃しただけかもしらんが記憶にない)ではさらに可塑性高い状態になるらしい。
学習は速く成立するんだけど、忘れるのもさらに速くなるそうな。

同様に、統合失調症でも
'hyper-plasticity'がみられるそうな。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21571254

あと高齢化では可塑性下がる。
食事とか運動とかいろんな要因でさらに下がる。
前頭とか頭頂らへんで顕著っぽい。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21519394

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21842407

○resting-state MRIとTMSの話
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22160708
TMSうつ前後にresting-state MRIとって比較。
20Hzうっても1Hzうっても似たようなネットワークが見られたそうな。
IPLとmPFC (medialだったかmiddleだったかめもしていない自分はあほだと思う)に抑制的な結合があったらしい。
1Hzだと抑制か促進かはわりと個人差っぽかったけど、20Hzだとだいたい抑制か変化なしだったそうな。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21676037の話
自閉症(論文タイトルみたらアスペルガーって書いてるがな)の成人にPicture naming課題で
左BA45(三角部)にTMS→RT短くなる
左BA44(弁蓋部)にTMS→RT長くなる

○アルツハイマー症患者にtheta-burstした話
めもがぐだぐだすぎて解読不能。

○うつ病患者にTMSうつ話
まだ効果的な領域探し続けてるみたいね。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22658708
のresting-state MRIでターゲットにする領域をさがすというのはほうほうと思いました。


だいたいこんなかんじ。
Pascual-Leone本人は颯爽としてて思ったより若かったです(大御所=お年寄りという思い込みがある)。
しょうもない質問にもていねいに答えていらっしゃったようだ。

やじうまやじうま。

学会シーズンおわってからこんなネタひろった
http://togetter.com/li/307960
いやー先生方ってたいへんだなー(棒読み)

・・・ノーコメントということで。


あとこんなんも拾った。
http://togetter.com/li/300610
バイオ系マジ修羅の国。

うちらであてはまるのは統計かけずに・・・らへんか。
あと、「学会発表申し込み締め切り日に、実験終わってないのに見切り発車で要旨出す」ぐらいかなー。
・・・途中で結果が変わっちゃうとかね!もうね!

よいこはまねをしてはいけません。

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