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めもめも ...〆(。_。)

認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。

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リビジョン原稿ちまちま直しながら、ちまちまいろんな情報を読む。
情報の海で泳ぐ。


そのうちのひとつ。
悪い研究の例として教えられたものに、犬猫の話がある。
これは別にいぬとねこのあいのこ、とかではなくて、
イヌで確認されているAという現象をネコでも確認しました、
というような研究。という揶揄。

あたらしいことは「種」とか対象だけで、
なにひとつ「あたらしい知見」がもたらされてない、という揶揄。
たぶん神経系のひとがよく使うっぽい。
神経系の先輩や偉い先生がそんな話を口にしていたから。

ふぅん、と思いつつもずっとこれにひっかかりを感じていた。
今日、ぼんやり↓の案内を読みながら、「ひっかかりのとっかかり」に触れた気がする。
http://www.tokiwa.ac.jp/~jsap2008/workshop.html
せっかくなので企画趣旨をコピペ。
___
ヒトの方法を以外の動物における自己認識研究は,自己鏡映像認識テストを中心に行われてきた。
今なお新奇動物種を対象に,この方法を用いて“自己認識 ”を分析する研究が続いている。
自己鏡映像認識テストは訓練等を必要とせず,幅広い動物種を対象に実験手法であり,当該の動物種が“自己認識”をしているかどうかの示唆を得るうえで非常に有用な方法といえよう。
しかし,自己鏡映像認識テストを用いた,“自己認識”をするか/しないかのYes/No型研究には,様々な限界が存在する。
1)どのように,当該の“自己認識”が達成されているか,Howの部分が分析できない。
2)Gallup自身の指摘にもあるとおり,自己鏡映像認識ができることと,自己を認識していることとは必ずしも一対一で対応するものではない。
3)また,逆に自己鏡映像認識テストに合格しないことも,即,自己認識ができないことを意味するわけではない。
近年,様々な新技術の導入,また新たな着眼点の元,“自己認識”研究は,特にヒトを対象にした分野において新たな局面を迎えている。そこで,本ワークショップでは,最先端で研究をされている先生方に話題提供をいただき,今後どのように,“自己認識”研究を展開していくべきか,また,これからのヒト以外の動物を対象にした“自己認識研究”はどのように進むべきか,を指定討論者の先生方を含めフロア全体で議論する。
___
ふろむ日本動物心理学会。

神経系の犬猫論支持者は、要するに「無神経」なんだと思う。
イヌとネコの差について。
イヌでみられた現象Aが、本当にネコで見られる現象A'と「同じ」かどうか、確かめる必要はないのか?
得られたoutputがおなじように見えても、Howの部分が異なる場合を検討できているか?
結果としての現象が似ていても、それが生体にとってどのような機能を果たすのかは、生体に大きな特徴の差(生活相とかさ)があれば変わってくるのではないか?
そういう観点を抜きにして、「あたらしい知見」という大きな夢を語るから、違和感が拭いきれないのだ。
これまで誰も考えなかったまったくあたらしいパラダイム。それはそれはすてきなことだ。
だけど、なんでもかんでも既存のもので説明されていると思い込んでしまうような態度で、そんなすばらしいパラダイムが築けるのだろうか?
ちゃんと、こまかな違いに目を凝らして、そのうしろにあるおおきな違いを見透かせるようにしなきゃだめだ。
それはそれとして、論文を書くときには犬猫論者のしっぽを踏まないよう、いかにもあたらしげな口ぶりを手に入れなきゃいけない。
ま、こまかな違いから見えるおおきな違いの方をしっかり宣伝すれば回避できる問題なのかもしらん。
問題は、目ですな。やはり。目。
犬猫論なんかで曇らせられないように。
「最早本当に新しいことなんて死以外に無い」というような悲観論者に陥らないように。
「たかが」こまかな違いを、その因果を熟考するために、みとおす目を。
自戒。


ふたつめ。
http://d.hatena.ne.jp/potasiumch/20080827#1219824560
根っこがとっても「文系」な私は、かんたんな(=ほとんど用意されてる)オブジェクト指向もの程度しか扱えないんですが。
リコンパイルの恐怖は聞いたことがある。
つーか実験用プログラムでもそんなかんじのとこがあると聞く。
むう。
やっぱちゃんと自分で書けるようにしとかないとだめだ。
これも自戒。


みっつめ。
http://swingybrain.blogspot.com/2007/11/blog-post_24.html
日本人のお金の考え方…と絡んで研究の話。
日本人は研究に助成を出さない。
某K島先生は、そこをわかった上で、キャッチーだけど不確かなブームを作り、研究所を作ってブームから抜け出していったんだろうか?
あくまで推測だけど。
日本にとって、研究ってそんなに意味がないですか?
この問いを、もう少し誰かにひろげてみたくて。


出張から帰ってきた先輩と(ネタ含め)いろんな話をする。
論文の愚痴。
実験計画。
いつかできればいいなと思い描いてる研究の話。
こんどの学会の話。
そして、就職の話。

うーむ。
知的好奇心だけで研究ができるわけではないのが悲しい現実。
でも、知的好奇心を燃やして立ち向かっていくことはできる。
ひとつひとつ、実験結果の煉瓦を積み上げていくことはできる。
なるべくすきまのないように。
なるべくおおきなものがつくれるように。
そうしたら、誰かがその建物に目を向けてくれるかもしれない?
楽観論かもしれないが、今できることすべきことはそれなんだ。

なんでわざわざ、研究なんかする道を選んだの?
わからなくなるときも、結構いっぱいある。
でも。
先輩と、実験計画を討論し合うとき。
びっくりするような論文を読んだとき。
図書館の集密書庫を歩いて、「まだ私の知らないことがいっぱいある」と思うとき。
分析の結果が、仮説を支持してくれたとき。
ややこしい方法論をようやく咀嚼し終えて、ひらめきがやってきたとき。
自分のすきな先生が、のんびり何でもないような口調で壮大な夢を語ってくれるとき。
どきどきする。
もっと、「知りたい」って思う。
私の知らないことを、もっと見つけたいと思う。
今まで誰も知らなかったことを、私が見つけたいと思う。

だから、ここにいる。

正直ポスドク問題だの大学院重点化のツケだのもっと微妙な問題だのそもそも博論大丈夫かだのいっぱいいっぱいめんどくさいことはあるけど。
基本のきほん、だいじなことは、わすれたくないな。

私は、知りたい。
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