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めもめも ...〆(。_。)

認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。

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レポート採点あきた。
文献の引用のしかたについてまとめようかと思ったけど、そもそも文献の引用のしかたを調べる学生はちゃんとした引用のしかたをするよなあ。
かゆいとこに手がとどかない感。

気分転換に最近怠っていた論文チェックをちょみっとだけやる。
あとでだうんろーどするめも。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20462501
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20479174
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20472076

んで、ちょっとおもしろいのがあった。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20463232
ウィリアムズ症候群の患者さんでは、FFAが典型発達のひとの2倍ほど大きいっぽい、というおはなし。



ウィリアムズ症候群のこどものコミュニケーションについて研究してる友人がいるので(やべえ限定的すぎる。まあ実名出してないからいいか)、ちょっと気になってさらっと眺めてみた。

ウィリアムズ症候群という発達障害は、遺伝子の疾患。
たぶん友人の研究のレジュメを掘り出せばどの遺伝子が関係してるかとかそーゆー話も出てきてたと思うけど、掘り出すのがめどいので放置。
まあいいか調べるかあとで友人に直接聞けば。

特徴としては、妖精様顔貌(めがほそくてちょっとつりあがってて、あと特徴なんだっけ忘れた。西洋の絵本の「妖精」っぽい顔、らしい)とか視空間性認知が苦手とか。
あと知能に関しても発達障害あった。
そして、言語能力には障害がなく、対人コミュニケーションに意欲的。
友人の感想としても、ウィリアムズ症候群のこどもでは初対面であっても積極的に話しかけてくれるこが多いそうな。
比較のための典型発達のこどもの実験手伝ったことが何度かあるけれど、典型発達こどもってわりと初対面だとすげーひとみしりしてなかなか話しかけてくれない。
(・・・そうかわたしはこどもだったのか!といらん茶々をいれる)
場合によってはおかあさんにしがみついて泣いちゃって実験できないこともある。
そうでなくても、こどものほうから話しかけてくれるには時間がかかる。
なので発達の研究では、最初の数十分はいっしょにあそんでこどもとうちとけてからじゃないと実験にかかれない。
そんなかんじで、ウィリアムズ症候群では「社会的スキル」に関しては障害がないとされていた。
(ただしそうともいいきれない・・・というのが友人の研究で、ってこれ書いていいのかな。特定しないでね)
おなじ「発達障害」カテゴリでも自閉症なんかは主に「社会的スキル」に問題があるとされているから対照的ね。

んで、こっから論文の話になるけど、ウィリアムズ症候群のこどもは顔への選好がえらいつよいらしい。
(ウィリアムズ症候群患者の「社会的スキル」のよさに関係するのか?)
じゃあFFAみてみるかってことで、紡錘回と扁桃体(なぜだ)をMRIで見てみることになったようだ。
機能的に定義されるFFAと解剖的に定義される紡錘回の大きさと調べてその比とかみる。
んでもってオブジェクト特異か顔特異かコントラストとったり。

リクルートしたのはウィリアムズ症候群成人16人と典型発達成人15人。
うちウィリアムズ症候群成人で3人、典型発達成人で2人、頭部運動とか信号とれなかったとかで除外して、13人ずつのデータを比較。

見せる画像はひとの顔・抽象彫刻みたいなオブジェクト・風景・テクスチャ(オブジェクト画像のスクランブル)。
んでひとの顔見る試行からオブジェクト見る試行引き算して機能的FFAを、オブジェクト見る試行からテクスチャ見る試行を引き算してオブジェクト特異な部位を定義。
そいでROIの% signal changeをひろったりとか。

んで結果見るとたしかにウィリアムズ症候群成人は典型発達成人よりFFAがひろい。
% signal changeのほーは有意差なし。
とかまあいろいろ結果あるんで興味あるかたは元論文ごらんくださいな。

なんでFFAがでかいのか、という議論に関しては、Discussionでいろいろうろうろ議論されとる。
やれ、ウィリアムズ症候群患者の注意の払い方がFFAに現れているんだろー、だの、顔に注意を向け続けた結果FFAがでかくなったんだろー、だの、ウィリアムズ症候群に関する遺伝子が、紡錘回の大きさの発現に関与してるんじゃね?だの。
まありくつはわからんけどとりあえずウィリアムズ症候群においてFFAがなんらかの非典型な発達を遂げるらしいってこった。

これが何を意味するのかは議論になるところだけども、機能的ROIのサイズが変わってくるっていうのはちょっとおもしろいな。
友人に時間があったらちょっと議論をふっかけてみよう。


と、さっきちょっと廊下でその本人に会ったので議論ふっかけてみた。
この論文はチェックしてたけどまだちゃんと読んでないっていってた。
ウィリアム「ズ」なのかウィリアム「ス」なのかわからんくなった。どっちだ。
んでhypersocialibity?とかなんかそーゆーかんじの名前の現象があるのは確からしい。
論点としては、視空間苦手なはずなのになんで顔認知そんなによくできるんだ、ってのがおもしろい。
言われてみれば確かにそうだ。
んでもひとくちに「視空間」といってもいろいろあるからなあ。

あと、この論文のlast authorのReissってひとがウィリアムズ(ス?)症候群研究の大家らしい。
そんなとこにGrill-Spectorはいって共同研究とか豪華だなー。
うちらも自分の研究費もてたら共同研究しようぜ!!!って夢がひろがりんぐな与太話をして盛り上がった。
アメリカやEU圏はひょいひょいっと共同研究できるとこがうらやましーよなー。
日本はなんであんなに共同研究の垣根が高いのやら。
わたしもひょいひょい共同研究できる研究者になりたいなあ。

顔認知
顔の認知はそもそもemotionの要素が強いので、FFAだけでなくamygdalaも当然見る必要があると僕は思うわけですが、いかがでしょうか?

Posner paradigmでsymbolic cueではなくeye gaze cueにするのも半分はsocial、半分はemotionalと言われているように記憶しております。ちなみに僕は顔関係は門外漢ですので、間違っていたらごめんなさい。
by viking URL 2010/06/03(Thu)22:52:33 編集
Re:顔認知
なるほど、emotionの効果を見るためにamygdalaをみてるんですね!
ご指摘ありがとうございます。
ざらっと流し読みすぎてる上に、顔に関する論文を読み始めたのがここ1年という知識のなさですのでぜんぜんわかってませんでした。

しかしこの論文では、amygdalaではWilliamsのひとと典型のひととで差はみられないようです。
ということは顔に関するemotionalな部分には差はないってことになるのでしょうか。
では何が影響するのか・・・?というのは難しい問題ですね。
そもそも「大きい」ということが何を意味するのか、というところも難しいように思います。
逆に、そこがわかればおもしろいのかもしれませんね。
2010/06/04 03:14
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