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めもめも ...〆(。_。)

認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。

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学会まとめ続き、復活。

改めて学会めも読み返してみたら結構ぐっだぐだだった。
やはりバックグラウンドを理解していない領域をただだらだら聞いてもあまり実入りは期待できないなあ。

とりあえず拾えるものだけ拾っとく。

まずはシンポジウムから。




サテライトシンポジウムでも取り扱われたMetacognitionに関するシンポ。
風の噂に聞いたところによると、サテライトのほーはそもそもMetacognitionとは何をさすのかというのに合意がとれてないから、みんな好き放題言ってまとまんなかったらしい。
まあ機能に関するシンポジウムならよくあることですな。
機能って観察(実験)によって定義するしかないから。


Flemingの“Decisions about decisions: neural construction of metacognitive confidence"というタイトルのものについて。
Metacognitionの正確さに関する神経基盤を調べた、と。

前頭葉に障害があると、Metacognitionが損なわれることがあるらしい。
再認課題さして、再認のたんびに自分の解答の正確さに関する確信度評定をしてMetacognitionを調べた。
まずは伝統的な信号検出理論のアレで解答をHit/Miss/False Alarm/Correct Rejectionに分類。
さらに、確信度があたってるかどうかでもHit/Miss/False Alarm/Correct Rejectionに分類。
んでd’やらROC曲線やら出した。
確信度と%Correctは正の相関があった。
個人差かなり大きかった。
(Awareness levelと成績に正の相関、という走り書きがあるが、なんでここでAwareness levelが出てくるのかは不明。たぶんなんか聞き飛ばしてる)

んで今度はvoxel-based morphometory analysisとかいうのした。
左PFCのGray matterで関連する個人差があった。
White matterならanterior corpus callosumで。

成人とadolescents(この場合の訳って青少年??)とで比較した。
IQとMetacognitionの能力(確信度がいかに正確か)には相関なし。
年齢を共変数にしたらgray matter volumeはBA10でMetacognition精度と相関。

(あとSelf Consciousnessに関する実験で右DLPFCらへんの結果が出たらしいが理解おいつかず)

たいていはPerformanceとAwareness of Performanceはくっついているものだが、これは分離できるのだろうか?
(という問題提起があった)


んでHamptonの“Metacognition and memory system in primates: success and limitation"の話。

潜在記憶は、ヒトであっても(意識的に)アクセスできない。
Metacognitionとは、潜在記憶にアクセスする術である、というイントロ。
(じゃあ顕在的な記憶にアクセスするのは何なんだろう。実行機能?)

健忘症でもSkill Learningは可能。
でも練習したエピソードは忘却される。

顕在的な記憶というのは自然淘汰の賜物?
他の種の記憶へのアクセスはどうなっているのか?
という問題提起。

Perirhinal cortexを損傷したサルは忘却が早いそーな。

遅延見本あわせ課題で、課題に成功するとピーナツ(おさるだいすき)がもらえる、失敗すると何も報酬がもらえない、課題をキャンセルするとサル用ペレット(あまりおいしくはないが腹はふくれる)がもらえる、という実験状況にすると、サルはちゃーんと自分が記憶できてる試行では正解してピーナツをもらい、自分の記憶に自信がない(?)と課題をキャンセルしてペレットをもらって、何ももらえない状況を避けるそーな。
つまりサルにもMetacognitionがあるよ!と。

そしてノートにはみみずがのたくる。
なんかいろんなものに負けている・・・。


Carrunthersの”Primate Metacognition?"というプログラムよりシンプルな題のものに関しては、おサルにもSelf-Knowledgeがあるか?という問題提起の時点で力尽きている。
うん。疲れていたんだ。ごめん。



以下感想。

・・・まあ、サテライトのほうで指摘された「Metacognitionとは何か」という議論が決着つかなかったので、それぞれで定義するしかないようですね。
Metaなんで直接被験者に聞くわけにもいかないし。
その分、もともと言語的方法に頼ることができない霊長類の研究者に利があるような気もする。
(別に齧歯類でも鳥類でも魚類でもいいけど)
彼らは機能を行動で定義せざるを得ないから、定義も明確になりやすいしね。

神経科学のほーは逆にこーゆーの苦手っぽい?
いや、それなりの研究数はあるんだけど、そもそもMetacognitionに関心があるのか脳の性質に関心があるのかという点からして違うから、後者の場合だとMetacognitionについての議論は二の次になりがち。
まあ別にそれでもいいんだけど、それで他の研究者との議論に齟齬が生じたらどうすんのかなーと思う。
今更な話やけど。

そして、この問題がさらに激化しているのが、次まとめる予定のAttention&Consciousnessである。
知覚のひとらってけっこうミクロ議論好きだしなー。

というわけで次回に続く。

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