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めもめも ...〆(。_。)

認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。

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地味~に、祭に乗り遅れてしまったので脳トレネタ追加するのを放棄。
とはいえ追加できるネタなんて「じゃあ何を訓練して、何の課題で調べればよかったのか?」ぐらいしかない。
でもそれってあらましはもう言っちゃったしな。あとは文献探すかー、ぐらいだし。
そして文献探すのって気が乗らないとけっこーめんどい。
ということで祭気分が乗れば文献など追加します。祭が一過性だったらそれはまあそんときで。
他にべんきょうせなあかんこといっぱいあるしなあ。


きょうは生理学の基礎を新入生向けにあら~くざざっと解説する講義をちょもっと傍聴できて、しかもなんか理解した気分になれたのでそれをめもっとく。
学部んときに生理学の講義いちおうとったはずだし、神経科学の入門書もいくつか読んで、基本は知ってるつもりだったけどわかってないことをようやくわかった気がする。
「え、今更!?」と思われる向きもあるかもしれないが、きほんのおさらいはだいじだし、「わかってるつもりでわかってなかった」ことなんであえて恥をぶちまける。
まあ所詮めも書きだしぃー。

でも基礎すぎて恥ずかしいので続きんとこに隠す。



ニューロン活動の基本。
神経系の電気信号は2種類ある。
緩電位(Graded potentials)と活動電位 (Action potentials)。

緩電位ってーのは数百ミリ秒単位でぶぶぶって続いてるやつ。
活動電位は、なんか刺激があってぴこーん!ってなるやつ。
神経科学で測定するのはたいがい活動電位。
(少なくとも、心理学に絡んでくる神経科学では)。

活動電位を測定するには、MRIでいうところのベースラインが必要になる。
それを静止膜電位 (resting membrane potentials) という。
細胞外(生理食塩水とか体液とか)の電位は0mv。そこを基準に細胞内の電位はかるとだいたい-60mVで、これが静止膜電位。

静止膜電位が生じるしくみ。
細胞の外はNa+イオンが多い。
細胞の内側はK+イオン、有機イオン(-)が多い。
ので細胞膜の外側は、内側にくらべると+。
これはイカの細胞でもヒトの細胞でも同じ。
イカの場合は細胞の外は海水。ヒトの場合は体液。
(おおうやはり生命は海から来た…!ってかんじがしてかるく感動した。
イカでもヒトでもおなじしくみ。生命すごい。)
んで、細胞内のK+イオンは、膜透過性が高く、細胞内のK+こゆいからってしょっちゅう細胞外に流出しよる。
それで-の電位が生じる。

んで、イオンの流入・流出が平衡状態になるときの電位は、イオン濃度がわかってたら計算できるらしい。
その計算式をネルンストの式というそーな。
ややこい元の式を省いて、K+とNa+のだけ抜書きすると、

K+の平衡電位=61.54×{(細胞外のK+の濃度)÷(細胞内のK+の濃度)}の常用対数

Na+の平衡電位=61.54×{(細胞外のNa+の濃度)÷(細胞内のNa+の濃度)}の常用対数

だそうな。

んーでだいたいK+の平衡電位は-80mVくらいになって、Na+の平衡電位は62mVくらいになるんだって。
それで相殺しあって、静止膜電位は-65mVくらいになるらしい。

相殺っていっても、ふつーのときの細胞膜は、K+は透過しまくりんぐですがNa+はそうでもないので、この透過具合の比(相対的透過性というそうな)がわかれば、静止膜電位はゴールドマンの式というもので計算できるらしい。
K+とNa+だけを想定するとその式は、

静止膜電位=61.54×[{(細胞外のK+の濃度)×(K+の相対的透過性)+(細胞外のNa+の濃度)×(Na+の相対的透過性)}÷{(細胞内のK+の濃度)×(K+の相対的透過性)+(細胞内のNa+の濃度)×(Na+の相対的透過性)}]の常用対数

だそーな。
んでこれが-60とか-65mVとかになるわけね。



活動電位が生じるしくみを知るには、「脱分極」という現象がキーワード。
「脱分極」とは何か。
細胞は、内側が-、外側が+というふうに極が分かれている。すなわち分極。
そのバランスが崩れて、分極状態が保てなくなること=脱分極。
(なんで-が+になることが脱分極?という疑問がここで氷解した)

活動電位の生じるしくみ。
まず刺激がやってくる。

その刺激のせいで膜が脱分極する。

Na+チャネルが開く。こいつが開かないとNa+は細胞の中にはいれない。要するにNa+の入り口オープン。

せっかくだから俺はNa+チャネルを通るぜ、Na+が細胞内に流入する

Na+が入ってきたせいでよけいにバランス崩れてさらに膜は脱分極

よけいにNa+チャネルが開く

よけいにNa+が流入

しばらくやってる

脱分極でじわじわ+方向にひっぱられていた電位が閾値突破

活動電位がぴこーん!と生じる

活動電位が生じたら満足したのかNa+チャネルが不活性化する、ようするに閉店です

K+チャネルが開く

K+が細胞外に流出する

過分極

過分極というのは、分極しすぎるってことっぽい。
ようするに細胞内が-にひっぱられまくるってことですな。
Na+も入れない状態で、K+がどんどん出てったらそうなりますな。

じゃあどうやって元に戻るの?
そこで登場するのがK+ポンプさんとNa+ポンプさんですよ。
K+ポンプは、細胞外に流出してしまったK+を細胞内に取り込む。
失われたイオンを求めて。
Na+ポンプは、細胞内にぎうぎう入ってきたNa+を細胞外に排出する。
濃度勾配に逆らうのでけっこー力仕事。
ここでATPを消費する。
ATPってのはあれですよ、高校の生物で習いましたよねアデノシン3燐酸。
呼吸や消化の仕組みを勉強するときに出てくる、いわば「体内通貨」。
こいつがエネルギーコインになってくれるわけですね。
ATPを支払ってポンプを動かすわけです。
ATPを運ぶのは体液・血液なわけで、つまりMRIやNIRSが見てるのはこの作業に伴う血流動態とみた。
たとえて言うなら、お店の前の道路で待ち構えて、仕入れのトラックが入ってくる台数数えて、その数でお店が繁盛してるかどうかを推測するわけだ。
だから大通りの前(=ぶっとい血管)だとうっかりお店の繁盛具合を高く見積もりすぎてしまうこともある。
仕入れの様子だから直接売り上げを見てない推測にしか過ぎないって言われたらしょんぼりするしかねえ。
んでも閉店してるとこに仕入れトラックは来ないろー。だから血流動態もそんなに意味なくないやい。
という閑話休題。

活動電位の話に戻る。
基本的に活動電位についてはある/なしで語られることが多いが、入力される刺激が強いと、活動電位の発生頻度や持続時間が増えるので、その分神経伝達物質がいっぱい放出される。
頻度や持続時間もだいじ。

軸索に刺激を与えると、軸索のどこをとっても電位は同じ。ただし速さは秒速10Mくらい。
軸索はよく絶縁されてて伝達効率がいい。
ふつーの電線なんかだとけっこーな割合で電位が減衰する。
なぜ軸索は減衰しないか?についてはちょっとよくわからん。
髄鞘でよろしく絶縁されていること、軸索じたいも発火できること、ランビエ絞輪のおかげで跳躍伝導できること…が候補にあげられるけど、どれが正解かわからん(あるいはどれは関係ないのかわからん)し違う答えかもしれんので保留。



シナプスのしっぽ部分、シナプス前終末に活動電位が伝わると、神経伝達物質 (neurotransmitter) が放出される。
そのしくみ。
電位くる

脱分極

Ca2+チャネルひらく

細胞外のCa2+がシナプス前終末に入ってきよる

Ca2+が入ってくると、シナプス小胞というコブクロが動けるようになる。
コブクロといっても当然歌を歌うわけでもなく、中には神経伝達物質がちょときもちわるいくらいみっしり入っている。

酵素が出てきてシナプス小胞をシナプス前終末のほうにえっさほいさ。

シナプス小胞の膜がシナプス前終末の膜とくっついちゃった。
膜が融合すると、コブクロがやぶけたもんだから中に入ってた神経伝達物質は細胞外にばらまかれる。

熱運動で神経伝達物質どもは拡散していく。
拡散した先(=シナプス後膜)にある受容体にひっつく。

Na+チャネルやK+チャネルがひらく。
あとは…わかるな?
要するに次のニューロンでも活動電位が生じて、興奮が伝達されていくわけだ。

神経伝達物質で重要なものをあげておく。
まずアミノ酸でだいじなグルタミン酸。
うまみ成分として有名なアレ。
昔、グルタミン酸が神経活動に重要だからって経口摂取してたひともいたらしい。
中華料理店でてんかん様の発作を起こしたひとがいたそうな。
原因はグルタミン酸の過剰摂取だったそうな。
興奮性物質とりすぎてもイクナイよね。
だいたい経口摂取して発作ってどんだけ大量やねんと。

んで抑制的に作用するやつで有名な、γアミノ酪酸、略してGABA。
ここ数年で食品にGABAを配合してるのがあるけどあれってどうなん?
食品に配合される分量を経口摂取して何が起こるの?
1回調べようかとしたけどわかんなかった。
だいたい経口摂取して何か起こるならそれはグルタミン酸の教訓を活かしてないんちゃうんかと思うんですが。
これはまあそのうちわかるひとをつかまえて訊こう。

他に、アミン系ではアセチルコリンとか。
こいつはアルツハイマー病との関連が注目されているらしい。
アルツハイマー病の患者さんの死後剖検で、アセチルコリンが欠乏してることがあったそーな。
ただし因果関係が不明(アセチルコリンが欠乏してアルツハイマー病になったのか、アルツハイマー病だからアセチルコリンが欠乏したのか、どっちかわからんということ)。

あとセロトニンとか。
これはうつ病に関連するといわれているらしい。
セロトニン再吸収剤(プロザックというなまえがあるそうな)がうつ病に処方されたりする。

他に、カテコルアミン系でドパミンとか。
大脳基底核の黒質で、チロシンから生成されるそーなー。
パーキンソン病や統合失調症、ADHDとの関連が注目されている。
てゆかパーキンソン病の原因ほぼこれっぽい。
統合失調症はドパミン受容体阻害薬に薬効があるらしい。
(つまり統合失調症はドパミン過剰なのか)
ADHDに、ドパミン分解を阻害するリタリンを処方すると薬効あったりするらしい。
(つまりADHDはドパミン不足なのか)
ただ、リタリンは依存性が高いといわれていて、昔はうつ病にも処方されてたのが最近では重度うつ病や統合失調症にのみ限って処方されるようになったと聞いた。
のでADHD患者さんはちょっと困ってるらしいとも聞く。

あとエピネフリン(アドレナリン)とノルエピネフリン(ノルアドレナリン)とか。
エピネフリンと呼ぶかアドレナリンと呼ぶかは単なるローカルルールだったよーな気がする。
たしかアメリカ系がエピネフリンでヨーロッパ系がアドレナリン(うろ覚え)。
名前違うけどおなじもの。
ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)もADHDに関与してる可能性があるそうな。

他にもニューロペプタイドとか伝達物質いろいろある。

つーか、単一神経伝達物質になんでもかでも帰すことができるほど、心的機能そしてその機能障害は単純ではない。
(パーキンソン病なんかは例外的だと思う)
結局心的機能は「態」なんだよなあとつくづく。

んで、伝達物質が受け取られる方法は、イオンチャネル共役型(Ionotropic receptor)と 代謝共役型(Metabotropic receptor)の2種類。

イオンチャネル共役型は、イオンチャネルそのものに伝達物質の受容体がある。
受容体が伝達物質を受け取るとチャネルが開く。

代謝共役型は、イオンチャネルと受容体が別々。
これは、受容体が伝達物質を受け取ると、Gたんぱく質という物質を出して、イオンチャネルはGたんぱく質を受け取ったときに開く。
一見しちめんどくさいようだけど、イオンチャネルが開くまでの時間を調整できたり、開くイオンチャネルの数を調整できたりするらしい。


つかいわけとか受容体とか作動薬とか拮抗薬とかのはなしは講義に出てこなかったので、このめもはこれまで。
まあ電極アプローチはご縁がないので、電極系でおもしろい論文を読むときにでもまた神経生理学基礎を復習する機会があるかもね。ないかもね。
そのへんてきとう。

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