めもめも ...〆(。_。)
認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。
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寒くなってくるとやたらとイギリスのことが思い出される。
そう長く滞在したわけでもないのに。
そういうわけでイギリスの本を読むことにした。
まずはかるく、岩波さんのディケンズ短編集だ。
イギリスものだからってべたすぎるとかいうツッコミは禁止。
ディケンズといえば、ブラッドベリが焚書坑儒ディストピアものの 中で、「クリスマス・キャロル」に幽霊を出したせいで不本意ながら書を燃やされる側に立たされるキャラとして有名ですし(主にわたしの中だけだろいいかげんにしろ)、明るく写実的な書き手であってポーだのビアスだのといったブラッドベリ好みからかけ離れた作家かと思いきや、なかなかどうして、この短編集はどストレートにそっち系じゃないですか。
悪魔も幽霊も殺人事件もひょいひょい出てくるし、読んでるだけでこっちがいらいらしてくるような鬱屈した話(「ある自虐者の物語」とか)もあって、おまえこれどう言い訳したところで燃やされる側確定だろ!!と叫びたくなるくらいブラッドベリ好みです。
「子守り女の話」なんかは(自伝的色彩がつよいものらしいけど)、こどもが怖い話を聞かされてガクブルする話で、ブラッドベリの短編集に混じってても気付かずに読み過ごしてしまうんじゃないかってくらい親和性が高い。
それと、「子守り女の話」では童謡のような歌が登場する。まあ悪魔が歌うんですけど。
チップスというキャラクターに向かって
レモンに入っているのは、たね。
造船所に入っているのは、ふね。
おれさまの手に入るのは、チップスさね!
(小池滋・石塚裕子訳より引用)
とな。
この語尾の揃え方からいってさては脚韻しているな、と思ったのですが、ふね(Ships)とチップス(Chips)はすぐわかったもののたねに当たるものなんだ…?と首を傾げた次第。
ぴょっぴょと調べるとどうもPipsが相当するようす。
この単語つかったことねえー。語彙少ないなー自分…。
てーかディケンズならもう原文公開されてんのじゃね?と思ったけど、この短編集はあっちこっちの小説から挿入話をひっぱってきたものらしいし、「子守り女の話」自体はもともとはエッセイ集に収録されたものらしくてグーテンブルグプロジェクトにそれっぽいの が見当たらない。
まあいっか。
それよか、英語でだらだら読む訓練に他のを読んだ方がいいかもしれない。
とりあえずグーテンブルグのリンクを貼っておく
http://www.gutenberg.org/ebook s/search/?query=Dickens
岩波さん収録の中でわたしが気に入ったのは、最初の「墓堀り男をさらった鬼の話」、「追いつめられて」、「信号手」ですな。
「墓堀り男をさらった鬼の話」は超コンパクト版クリスマス・キャロル。だけど陰鬱なイングランドの風景、とくにお墓の風景がブラッドベリ好みを直撃する。
「追いつめられて」はミステリというかサスペンスというかまあそういう話なんだけど、ものすごくブリティッシュサスペンスドラマっぽい味わい。いやまあ逆だろうけどさ!こういうの好む視聴者向けに、サスペンスドラマ作ってるんだろうけどさ!
BBCとかがドラマ化してないのかなあ。してたら見たい。
「信号手」もまたブラッドベリ好みを直撃というか、百閒先生とかの幽暗な空気も近い、いかにも古典幻想小説といった味わい。お好 きな人にはたまらないタイプのやつですな。
心理っぽい話をするなら、「狂人の手記」はあからさまに統合失調症っぽい。
テンションの乱高下といい人が自分の悪口を言っていると思い込んでしまうさまといい内なる声との対話といい、これ現代なら診断つくよなあ、と思わせられる。
やっぱり医療の進歩ってだいじだなあ。
今、難治といわれている疾患も、将来的にはもう少しよいアプローチが開発されるのかなあ。
そうだといいなあ。
まあそんなかんじで、言い訳の利かないレベルでブラッドベリ好みをぶん殴ってくる短編集でしたので、ブラッドベリ好きならやはりこのあたりは押さえておくべきだな…と実感した次第。
古典ってけっこう読まずにスルーしてるの多いけど、時間と国境のフィルタで濾されて残ってるだけあって、やっぱ読んでみると面白いんだよなあ。
古典パワ、あなどれない。
そう長く滞在したわけでもないのに。
そういうわけでイギリスの本を読むことにした。
まずはかるく、岩波さんのディケンズ短編集だ。
イギリスものだからってべたすぎるとかいうツッコミは禁止。
ディケンズといえば、ブラッドベリが焚書坑儒ディストピアものの 中で、「クリスマス・キャロル」に幽霊を出したせいで不本意ながら書を燃やされる側に立たされるキャラとして有名ですし(主にわたしの中だけだろいいかげんにしろ)、明るく写実的な書き手であってポーだのビアスだのといったブラッドベリ好みからかけ離れた作家かと思いきや、なかなかどうして、この短編集はどストレートにそっち系じゃないですか。
悪魔も幽霊も殺人事件もひょいひょい出てくるし、読んでるだけでこっちがいらいらしてくるような鬱屈した話(「ある自虐者の物語」とか)もあって、おまえこれどう言い訳したところで燃やされる側確定だろ!!と叫びたくなるくらいブラッドベリ好みです。
「子守り女の話」なんかは(自伝的色彩がつよいものらしいけど)、こどもが怖い話を聞かされてガクブルする話で、ブラッドベリの短編集に混じってても気付かずに読み過ごしてしまうんじゃないかってくらい親和性が高い。
それと、「子守り女の話」では童謡のような歌が登場する。まあ悪魔が歌うんですけど。
チップスというキャラクターに向かって
レモンに入っているのは、たね。
造船所に入っているのは、ふね。
おれさまの手に入るのは、チップスさね!
(小池滋・石塚裕子訳より引用)
とな。
この語尾の揃え方からいってさては脚韻しているな、と思ったのですが、ふね(Ships)とチップス(Chips)はすぐわかったもののたねに当たるものなんだ…?と首を傾げた次第。
ぴょっぴょと調べるとどうもPipsが相当するようす。
この単語つかったことねえー。語彙少ないなー自分…。
てーかディケンズならもう原文公開されてんのじゃね?と思ったけど、この短編集はあっちこっちの小説から挿入話をひっぱってきたものらしいし、「子守り女の話」自体はもともとはエッセイ集に収録されたものらしくてグーテンブルグプロジェクトにそれっぽいの
まあいっか。
それよか、英語でだらだら読む訓練に他のを読んだ方がいいかもしれない。
とりあえずグーテンブルグのリンクを貼っておく
http://www.gutenberg.org/ebook
岩波さん収録の中でわたしが気に入ったのは、最初の「墓堀り男をさらった鬼の話」、「追いつめられて」、「信号手」ですな。
「墓堀り男をさらった鬼の話」は超コンパクト版クリスマス・キャロル。だけど陰鬱なイングランドの風景、とくにお墓の風景がブラッドベリ好みを直撃する。
「追いつめられて」はミステリというかサスペンスというかまあそういう話なんだけど、ものすごくブリティッシュサスペンスドラマっぽい味わい。いやまあ逆だろうけどさ!こういうの好む視聴者向けに、サスペンスドラマ作ってるんだろうけどさ!
BBCとかがドラマ化してないのかなあ。してたら見たい。
「信号手」もまたブラッドベリ好みを直撃というか、百閒先生とかの幽暗な空気も近い、いかにも古典幻想小説といった味わい。お好
心理っぽい話をするなら、「狂人の手記」はあからさまに統合失調症っぽい。
テンションの乱高下といい人が自分の悪口を言っていると思い込んでしまうさまといい内なる声との対話といい、これ現代なら診断つくよなあ、と思わせられる。
やっぱり医療の進歩ってだいじだなあ。
今、難治といわれている疾患も、将来的にはもう少しよいアプローチが開発されるのかなあ。
そうだといいなあ。
まあそんなかんじで、言い訳の利かないレベルでブラッドベリ好みをぶん殴ってくる短編集でしたので、ブラッドベリ好きならやはりこのあたりは押さえておくべきだな…と実感した次第。
古典ってけっこう読まずにスルーしてるの多いけど、時間と国境のフィルタで濾されて残ってるだけあって、やっぱ読んでみると面白いんだよなあ。
古典パワ、あなどれない。
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カテゴリ説明
もっさり:日々の雑感をもっさり。
がっつり:論文や研究関連をがっつり。
びっくり:科学ニュースでびっくり。
まったり:空想科学などでまったり。
ばっかり:デザイン系自己満足ばっかり。
ほっこり:お茶を嗜んでほっこり。
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びっくり:科学ニュースでびっくり。
まったり:空想科学などでまったり。
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分野は視覚認知。視知覚にがて。
あと記憶全般。
カテゴリ (semanticsか?) とかも。
最近デコーディングが気になる。
でも基本なんでもこい。
好奇心は悪食。
好きな作家(敬称略)
川上弘美
小林秀雄
津原泰水
森茉莉
レイ・ブラッドベリ
イタロ・カルヴィーノ
グレッグ・イーガン
シオドア・スタージョン
分野は視覚認知。視知覚にがて。
あと記憶全般。
カテゴリ (semanticsか?) とかも。
最近デコーディングが気になる。
でも基本なんでもこい。
好奇心は悪食。
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