めもめも ...〆(。_。)
認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。
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急に本を読みたくなったのでちょいと図書館で本を借りてみたり。
せっかくだから前から考えてた借り方をする。
何年か前に話題になった『高慢と偏見とゾンビ』と元ネタを一気に借りて一気読み。
……いやあこれ楽しいな!
やっぱりパロディネタと元ネタ一気読みは、ネタを存分に味わい尽くせるのでよいですね。
読書もリファレンスワークも、原典にあたることの重要性はおなじですな!
…といってこのドB級ネタですが。
まあせっかくですから元ネタもいっしょに感想めもっておきましょうかね。
元ネタを一言でいうと、「上巻:ツン期・下巻:デレ期」。
メロドラマや少女マンガに出てくるような愛憎劇を、イギリス文化にたっぷりじっくり漬けこんで発酵させたような味わい。
岩波の訳文があまりなめらかでないのも相俟って、どっちもに耐性ないと読み進めるのがつらいかも。
まあ読書傾向が大変悪食なわたくしとしましては特に問題ございませんことよ。
しかし古典とはいえ、いや古典だからこそ、戯画的なまでの明瞭な人物描写は現代のわれわれをも読ませる力があるね。
「どうせこいつらくっつくんだろ?」と思いながらも、「いやでもこれどうなるんだよ」と不安に駆られて次のページをめくらざるを得ない。
そういう意味では少女マンガの王道を行くのかもしれん。いや逆で、たぶん少女マンガのような明確なプロットを持つべき愛憎劇の典型が、ここらの古典にあるんだろう。
まあ認知のしくみって数百年でそんなに変わらんからなあ。
そんでもって徹頭徹尾「あぁ…イギリスだわ…」って思わせる言い回し。
褒め言葉をつかったあてこすりとかね。ひたすら家具やなんやのしつらえや庭園のりっぱさについて言及するとかね。
あれでもこれ京都とかでもおんなじようなこと聞くな……
まあ似たようなもんだよな…
そんなかんじなので、恋愛ドラマとイギリスか京都が好きな人はきっと楽しめるよ!
そらドラマ化しても人気出るわけだわ。
で、だ。
問題のこれ。
ずるいだろwwwwwこれはずるいだろwwwww
だってしょっぱなに主要登場人物紹介があって(やや年齢層高めラノベにはよくあるよね)、主人公エリザベス・ベネットがベネット家の次女で「優秀な女戦士」って書いてあるんだぜwwwwwww
電車ん中で読んでたから思わず口元とか顔とか覆っちゃったわ!
しかも主要登場人物紹介に少林寺拳法の師匠とか出てくんのwwwwww
なんでだよ!!!ってなったわ……
これは草不可避すぎる……
そんなかんじで正直なところ、この本は人前で読むことをおすすめできない。
絶対読んでる間へんな顔になるから。
んで、中身のほうはというと、これがなかなかどうして捨てたもんじゃない。
訳者いわく、著作権切れ文章だからそのまんま元ネタ文章を持ってきてゾンビを突っ込んでるそうなんだけど、元ネタのほうのほのめかしに過ぎて意味をとりにく い箇所はわかりやすく説明が加えられてるし、ややこしすぎる言い回しも数点簡略化されているし、岩波の名文(イギリス的または京都的表現)も回避されてこなれているしで、かーなーり読みやすい。
ゾンビ以外にも数点原作とかなり違っている点があるので注意は必要だけど、そこだけ押さえておけば原作読まずにこっちだけ読んでおいても何の問題もないかもしれない。
という具合に読みやすい。
作者はアメリカ人だそうで、その分イギリスっぽさ(特有の持って回ったかんじ)は薄れている(特にゾンビ関係の挿入パートにおいて)のだけれど、まあこれくらいの濃度のほうが余裕を持ってイギリス風味を楽しめるんじゃないかな…
訳者あとがきで知ったけど、この作者はこいつの成功に味を占めて他にも古典破壊小説を書いているらしいが、例のリンカーンが吸血鬼ハンターする映画の原作もこいつらしいwwwww
てめえwwwwwwww好みですwwwwww
以前、映画一気鑑賞プログラムとして『パラノーマル・アクティビティ』と『ドラゴンタトゥーの女』と例のリンカーン映画と、『パラノーマル・アクティビティINドラゴンタトゥーの女』を見よう!と計画していたわたしとしては最早これは約束された出会いだったわけです。
(『パラノーマル・アクティビティINドラゴンタトゥーの女』はタイトルに反して主な部分はリンカーン映画でできているらしい)
結局時間と会場と観客を用意できなくて(ほぼ全てじゃねえか)映画一気鑑賞会は開催できなかったのだけど、やっぱりここはしっかり実行すべきだなーとおもいました。
思い返せば数年前にイギリスにいったとき、本屋でこの本がしっかり平積みされてたような気がする。
アメリカ人が書いたとはいえ、元ネタはイギリスだしゾンビネタだしで、どう考えてもイギリスでウケないわけがない。
ピンポイントでいいとこ狙ってきやがる(褒め言葉)わー。
これ日本に置き換えたらどうなるんだろうな。
ドラマにもなった文学という路線では、「真珠夫人とゾンビ」あたりか?
みんな知ってる古典という意味では、「ゾンビIN源氏物語」とかのがしっくりくるかもしれない。
まあ源氏物語自体悪霊出てくるからな……
とはいえ源氏物語も著作権切れてるはずなので、おんなじ手法がつかえなくもないかもしれん。
訳文のほうはつかっちゃだめだろうけどね。
でも長すぎるから「ゾンビIN竹取物語」のがよくね。
カレーメシCMのMADかよ。
以下ネタバレを含む感想。
せっかくだから前から考えてた借り方をする。
何年か前に話題になった『高慢と偏見とゾンビ』と元ネタを一気に借りて一気読み。
……いやあこれ楽しいな!
やっぱりパロディネタと元ネタ一気読みは、ネタを存分に味わい尽くせるのでよいですね。
読書もリファレンスワークも、原典にあたることの重要性はおなじですな!
…といってこのドB級ネタですが。
まあせっかくですから元ネタもいっしょに感想めもっておきましょうかね。
元ネタを一言でいうと、「上巻:ツン期・下巻:デレ期」。
メロドラマや少女マンガに出てくるような愛憎劇を、イギリス文化にたっぷりじっくり漬けこんで発酵させたような味わい。
岩波の訳文があまりなめらかでないのも相俟って、どっちもに耐性ないと読み進めるのがつらいかも。
まあ読書傾向が大変悪食なわたくしとしましては特に問題ございませんことよ。
しかし古典とはいえ、いや古典だからこそ、戯画的なまでの明瞭な人物描写は現代のわれわれをも読ませる力があるね。
「どうせこいつらくっつくんだろ?」と思いながらも、「いやでもこれどうなるんだよ」と不安に駆られて次のページをめくらざるを得ない。
そういう意味では少女マンガの王道を行くのかもしれん。いや逆で、たぶん少女マンガのような明確なプロットを持つべき愛憎劇の典型が、ここらの古典にあるんだろう。
まあ認知のしくみって数百年でそんなに変わらんからなあ。
そんでもって徹頭徹尾「あぁ…イギリスだわ…」って思わせる言い回し。
褒め言葉をつかったあてこすりとかね。ひたすら家具やなんやのしつらえや庭園のりっぱさについて言及するとかね。
あれでもこれ京都とかでもおんなじようなこと聞くな……
まあ似たようなもんだよな…
そんなかんじなので、恋愛ドラマとイギリスか京都が好きな人はきっと楽しめるよ!
そらドラマ化しても人気出るわけだわ。
で、だ。
問題のこれ。
ずるいだろwwwwwこれはずるいだろwwwww
だってしょっぱなに主要登場人物紹介があって(やや年齢層高めラノベにはよくあるよね)、主人公エリザベス・ベネットがベネット家の次女で「優秀な女戦士」って書いてあるんだぜwwwwwww
電車ん中で読んでたから思わず口元とか顔とか覆っちゃったわ!
しかも主要登場人物紹介に少林寺拳法の師匠とか出てくんのwwwwww
なんでだよ!!!ってなったわ……
これは草不可避すぎる……
そんなかんじで正直なところ、この本は人前で読むことをおすすめできない。
絶対読んでる間へんな顔になるから。
んで、中身のほうはというと、これがなかなかどうして捨てたもんじゃない。
訳者いわく、著作権切れ文章だからそのまんま元ネタ文章を持ってきてゾンビを突っ込んでるそうなんだけど、元ネタのほうのほのめかしに過ぎて意味をとりにく い箇所はわかりやすく説明が加えられてるし、ややこしすぎる言い回しも数点簡略化されているし、岩波の名文(イギリス的または京都的表現)も回避されてこなれているしで、かーなーり読みやすい。
ゾンビ以外にも数点原作とかなり違っている点があるので注意は必要だけど、そこだけ押さえておけば原作読まずにこっちだけ読んでおいても何の問題もないかもしれない。
という具合に読みやすい。
作者はアメリカ人だそうで、その分イギリスっぽさ(特有の持って回ったかんじ)は薄れている(特にゾンビ関係の挿入パートにおいて)のだけれど、まあこれくらいの濃度のほうが余裕を持ってイギリス風味を楽しめるんじゃないかな…
訳者あとがきで知ったけど、この作者はこいつの成功に味を占めて他にも古典破壊小説を書いているらしいが、例のリンカーンが吸血鬼ハンターする映画の原作もこいつらしいwwwww
てめえwwwwwwww好みですwwwwww
以前、映画一気鑑賞プログラムとして『パラノーマル・アクティビティ』と『ドラゴンタトゥーの女』と例のリンカーン映画と、『パラノーマル・アクティビティINドラゴンタトゥーの女』を見よう!と計画していたわたしとしては最早これは約束された出会いだったわけです。
(『パラノーマル・アクティビティINドラゴンタトゥーの女』はタイトルに反して主な部分はリンカーン映画でできているらしい)
結局時間と会場と観客を用意できなくて(ほぼ全てじゃねえか)映画一気鑑賞会は開催できなかったのだけど、やっぱりここはしっかり実行すべきだなーとおもいました。
思い返せば数年前にイギリスにいったとき、本屋でこの本がしっかり平積みされてたような気がする。
アメリカ人が書いたとはいえ、元ネタはイギリスだしゾンビネタだしで、どう考えてもイギリスでウケないわけがない。
ピンポイントでいいとこ狙ってきやがる(褒め言葉)わー。
これ日本に置き換えたらどうなるんだろうな。
ドラマにもなった文学という路線では、「真珠夫人とゾンビ」あたりか?
みんな知ってる古典という意味では、「ゾンビIN源氏物語」とかのがしっくりくるかもしれない。
まあ源氏物語自体悪霊出てくるからな……
とはいえ源氏物語も著作権切れてるはずなので、おんなじ手法がつかえなくもないかもしれん。
訳文のほうはつかっちゃだめだろうけどね。
でも長すぎるから「ゾンビIN竹取物語」のがよくね。
カレーメシCMのMADかよ。
以下ネタバレを含む感想。
これゾンビって言ってるのになぜかニンジャが出てくるwwwwww
アメリカ人の中でニンジャはどういう消化のされ方をしてるんだ…
そしてヒロインがニンジャスレイヤーもよくつかう「ハートキャッチ(物理)」をつかってるシーンがあって「あぁこういう理解なのね…」ってなった。
なんかそういう共通理解があるのかね……
原作との大きな違いは、コリンズ氏とウィカム氏の扱いなので、ゾンビの方だけ読む人はこの点注意。
原作ではただの愚鈍な男で終わったコリンズ氏ですが、ゾンビの方では最期(変換違いではない)に矜持(と言っていいのか?)を見せます。
そのせいで物語終盤でメインカップルの障壁となる手紙の差出人が原作とゾンビ版とで違うのに注意。
まあこの部分の話の持って行きようとしては、わたしはゾンビ版のほうが好きですね。
原作ではヒロインの親友がただの愚鈍で凡庸な女でしかないのに対し、ゾンビ版では愚鈍なのではなく「ふつうのしあわせ」を求めるあまりに悲劇を起こすという筋書きになって動機が明瞭になるし不要に貶められるキャラも減るし物語性も増すしいいことづくめ。
まあ悲劇だから悲劇的な最期を迎えるのだけど。
んでもってゾンビ版のほうには「読書の手引き」という人を食ったようななぞかけページが最後にあるんですが、この中に彼らの悲劇とキリスト教は関連するか?という問題が含まれてるんですよね。
聖職者であるコリンズ氏は、彼らの悲劇の結末に対してもっと忌避感を持ってしかるべきなのに、あっさり流されているのはなぜなのか。
単に物語上めんどくさいしうっとうしいから片付けられたのか。
まあせっかく(?)の悲劇なんだから、わたしは「ゾンビが跋扈する“神に見捨てられた世界”という考えにとりつかれた」説を支持しておきます。
愚鈍に自分の崇めるもの(神やレディ・ド・バーグ)に仕え続けてきたコリンズ氏にとって、訪れた悲劇に対し彼らが何も救いをもたらしてくれなかったというのはすべてに絶望するに足るのではなかろうか。
これこそゾンビ版に掲載されているアメコミ劇画調挿絵に似つかわしい解題ではないかと勝手に思っている。
もう一方のウィカム氏に関しては、たぶん明快な勧善懲悪を好む層向けへのアレンジじゃないかな。
単純に言えば「ざまぁ」分。
まあそれくらいされても仕方がないようなキャラクターだからね。
それと、ダーシー氏が不必要におげふぃんなのはなんなのだろうか。
イギリスのめんどくせー上流階級っぽさが減るじゃん!
まあアメリカっぽいくすぐりということでいいのだろうか…
このへんの改変は本当意義がよくわからない……
まあでも二人がらぶらぶ戦闘(マジで)するシーンは本当によかったと思うよ!
「読書の手引き」ネタをもう少し拾っておくと、「嘔吐」に意味があるのかないのかは本当に解釈に悩むところ。
やっぱりそこは実存とかこの世界の在り方に関する恐れとしての「嘔吐」なのではないかとかベタなことを言いそうになるけど、単にそういうスノッブをからかうためだけの装置という気もしなくもない。
それとイギリス人がゾンビあふれるイギリスを動かないのは、京都人があの気候にも関わらず京都を出ないのと似たり寄ったりな理由だと思うよ。
本当なんなんだよあの「読書の手引き」って!
完全に読者をもてあそぶためだけのページじゃねーか!作者はニンジャスレイヤーほんやくチームか!与太話スタッフか!
アアアーッ!アアアーッ!
(謎の光)
あと作者はたぶんカリフラワーに他意がある。
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もっさり:日々の雑感をもっさり。
がっつり:論文や研究関連をがっつり。
びっくり:科学ニュースでびっくり。
まったり:空想科学などでまったり。
ばっかり:デザイン系自己満足ばっかり。
ほっこり:お茶を嗜んでほっこり。
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分野は視覚認知。視知覚にがて。
あと記憶全般。
カテゴリ (semanticsか?) とかも。
最近デコーディングが気になる。
でも基本なんでもこい。
好奇心は悪食。
好きな作家(敬称略)
川上弘美
小林秀雄
津原泰水
森茉莉
レイ・ブラッドベリ
イタロ・カルヴィーノ
グレッグ・イーガン
シオドア・スタージョン
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