めもめも ...〆(。_。)
認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。
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FFAのはたらきはたいてい顔知覚に関して語られるのだけども、顔記憶のほーはどないやったかなーまとめ。
まあ知覚のほうでも議論はまだ収斂してないのですけども。
わたしの関心がどっちかってーと知覚よりも記憶よりなので。
とりあえずvikingさんとこで解説されてたの貼る。
viking-neurosci.sakura.ne.jp/blog-wp/
すごいざっくりした言い方をしてしまうと、この論文では「顔が記憶されてたら、最初みたときと何回も見たときでFFAの活動パターンが似る」ということか。
乱暴に言うと「記憶されてる=FFAの活動パターンがおなじ」という考え方。
じゃあ今までの研究ではどのように言われていたのか?
とりあえずそれっぽいの拾ってみる。
例1)Prince, Nancy & Cabeza, 2009 Neuropsychologia
Encoding and retrieving faces and places: Distinguishing process and stimulus-specific differences in brain activity
顔画像のエピソード記憶
右FFA活動は符号化時も検索時もおぼえてた試行>わすれた試行
左FFAでは符号化のときだけおぼえてた試行>わすれた試行
ちなみに風景画像のエピソード記憶もやってて
左PPAは符号化時も検索時も覚えてた試行>わすれた試行
右PPAは符号化時のみおぼえてた試行>わすれた試行
刺激の種類によらずおぼえてた試行>わすれた試行となるのは海馬らへんとか前頭のほうとか。
例2)Druzgal & D'Esposito, 2003 JCN
Dissecting Contributions of Prefrontal Cortex and Fusiform Face Area to Face Working Memory
顔画像の遅延見本あわせ
符号化時と再認時+5~6秒のところにFFAのBOLD信号ピークがくる(だってBOLD信号だし)
課題負荷が高いほどFFAの活動も高い
例3)Bunzeck, Schütze & Düzel 2006 Neuropsychologia
Category-specific organization of prefrontal response-facilitation during priming
顔画像・風景画像繰り返し提示
FFAの活動は同じ顔画像が出る<新しい画像が出る
んでそれがInferior frontal gyrus(BA44)やMiddle frontal gyrus(BA8)と相関あるとか。
てけとーに3つ出したけどだいたいこのパタンに落ち着くんじゃなかろか。
つまり
1)長期記憶課題で覚えてる試行のFFA活動高い
2)短期記憶課題で覚えてる試行のFFA活動高い
3)同じものが知覚されるとFFA活動下がる(これを利用したのがadaptation)
問題は2)と3)の違いだけど(「同じものが知覚される」といっても経時的に提示するわけだからこれも短期記憶といえる)、これに言及してるよーな論文ってあるかなあ。
あんましないよーな気もする。
ざっと論文見た所感では、2)と3)の違いは遅延というか保持期間にあるような気がする。
2)は数秒~十数秒オーダーの遅延で、3)は数百ミリ~数秒オーダーの遅延ではないかと。
3)をばっさり「感覚記憶」としてしまえば話は早いと思うが、それにしてはちょと遅延期間長いような。そもそも感覚記憶をBOLD信号で見ようと思ったら手法を工夫しないとだめなんじゃないか。まあadaptationがその工夫のひとつなんだろけど。
何秒遅延したら2)になるのか、その境目はよくわからない。
すんげーいっぱい実験したらつかめてくるんだろうけど、労力のわりに実入りの少ない実験だしなあ。
もしくはFFA出してきてるMRI論文いっぱい集めて遅延期間についてメタアナリシスるか。
最初の「記憶されてるものは活動似てくる」というのと、1)・2)の「活動あがる」というのに対応があるのかどうかも謎。
むしろ、「活動似てくる」のは、単に%SCとかだけ見たら記憶した試行とそうでない試行に差がなさげに見えて、でもパターンで見ると違ってくるんだよ、っておはなしじゃないのか?
いやでも、パターンが似てて%SCとかに差が出るということもありうる。
と、ゆーことは、だ。
FFAで何が起こっているのかをきちんと考えるためには、「同じ顔が知覚(感覚記憶?)されると活動さがる」と「記憶した顔の再認で活動あがる」と「記憶された顔は活動パターン似てくる」とを包括的に説明できるりくつをこしらえなければならん。
これはFFAが顔記憶・顔知覚で(あるいは顔に限らないで)実際何をしているか、という問題に結びつく。はず。
あれこれけっこーまともに研究アイディアじゃね?
問題は何したらいいのかがわからんこととまだりくつがさっぱりこしらえられてないことか。
まあでもこんなことぐらい誰かがもうやってるよーな気もするけど。
実際のとこどうなんだろー。
ちょっとこれは未来の宿題。
まあ知覚のほうでも議論はまだ収斂してないのですけども。
わたしの関心がどっちかってーと知覚よりも記憶よりなので。
とりあえずvikingさんとこで解説されてたの貼る。
viking-neurosci.sakura.ne.jp/blog-wp/
すごいざっくりした言い方をしてしまうと、この論文では「顔が記憶されてたら、最初みたときと何回も見たときでFFAの活動パターンが似る」ということか。
乱暴に言うと「記憶されてる=FFAの活動パターンがおなじ」という考え方。
じゃあ今までの研究ではどのように言われていたのか?
とりあえずそれっぽいの拾ってみる。
例1)Prince, Nancy & Cabeza, 2009 Neuropsychologia
Encoding and retrieving faces and places: Distinguishing process and stimulus-specific differences in brain activity
顔画像のエピソード記憶
右FFA活動は符号化時も検索時もおぼえてた試行>わすれた試行
左FFAでは符号化のときだけおぼえてた試行>わすれた試行
ちなみに風景画像のエピソード記憶もやってて
左PPAは符号化時も検索時も覚えてた試行>わすれた試行
右PPAは符号化時のみおぼえてた試行>わすれた試行
刺激の種類によらずおぼえてた試行>わすれた試行となるのは海馬らへんとか前頭のほうとか。
例2)Druzgal & D'Esposito, 2003 JCN
Dissecting Contributions of Prefrontal Cortex and Fusiform Face Area to Face Working Memory
顔画像の遅延見本あわせ
符号化時と再認時+5~6秒のところにFFAのBOLD信号ピークがくる(だってBOLD信号だし)
課題負荷が高いほどFFAの活動も高い
例3)Bunzeck, Schütze & Düzel 2006 Neuropsychologia
Category-specific organization of prefrontal response-facilitation during priming
顔画像・風景画像繰り返し提示
FFAの活動は同じ顔画像が出る<新しい画像が出る
んでそれがInferior frontal gyrus(BA44)やMiddle frontal gyrus(BA8)と相関あるとか。
てけとーに3つ出したけどだいたいこのパタンに落ち着くんじゃなかろか。
つまり
1)長期記憶課題で覚えてる試行のFFA活動高い
2)短期記憶課題で覚えてる試行のFFA活動高い
3)同じものが知覚されるとFFA活動下がる(これを利用したのがadaptation)
問題は2)と3)の違いだけど(「同じものが知覚される」といっても経時的に提示するわけだからこれも短期記憶といえる)、これに言及してるよーな論文ってあるかなあ。
あんましないよーな気もする。
ざっと論文見た所感では、2)と3)の違いは遅延というか保持期間にあるような気がする。
2)は数秒~十数秒オーダーの遅延で、3)は数百ミリ~数秒オーダーの遅延ではないかと。
3)をばっさり「感覚記憶」としてしまえば話は早いと思うが、それにしてはちょと遅延期間長いような。そもそも感覚記憶をBOLD信号で見ようと思ったら手法を工夫しないとだめなんじゃないか。まあadaptationがその工夫のひとつなんだろけど。
何秒遅延したら2)になるのか、その境目はよくわからない。
すんげーいっぱい実験したらつかめてくるんだろうけど、労力のわりに実入りの少ない実験だしなあ。
もしくはFFA出してきてるMRI論文いっぱい集めて遅延期間についてメタアナリシスるか。
最初の「記憶されてるものは活動似てくる」というのと、1)・2)の「活動あがる」というのに対応があるのかどうかも謎。
むしろ、「活動似てくる」のは、単に%SCとかだけ見たら記憶した試行とそうでない試行に差がなさげに見えて、でもパターンで見ると違ってくるんだよ、っておはなしじゃないのか?
いやでも、パターンが似てて%SCとかに差が出るということもありうる。
と、ゆーことは、だ。
FFAで何が起こっているのかをきちんと考えるためには、「同じ顔が知覚(感覚記憶?)されると活動さがる」と「記憶した顔の再認で活動あがる」と「記憶された顔は活動パターン似てくる」とを包括的に説明できるりくつをこしらえなければならん。
これはFFAが顔記憶・顔知覚で(あるいは顔に限らないで)実際何をしているか、という問題に結びつく。はず。
あれこれけっこーまともに研究アイディアじゃね?
問題は何したらいいのかがわからんこととまだりくつがさっぱりこしらえられてないことか。
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カテゴリ説明
もっさり:日々の雑感をもっさり。
がっつり:論文や研究関連をがっつり。
びっくり:科学ニュースでびっくり。
まったり:空想科学などでまったり。
ばっかり:デザイン系自己満足ばっかり。
ほっこり:お茶を嗜んでほっこり。
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分野は視覚認知。視知覚にがて。
あと記憶全般。
カテゴリ (semanticsか?) とかも。
最近デコーディングが気になる。
でも基本なんでもこい。
好奇心は悪食。
好きな作家(敬称略)
川上弘美
小林秀雄
津原泰水
森茉莉
レイ・ブラッドベリ
イタロ・カルヴィーノ
グレッグ・イーガン
シオドア・スタージョン
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あと記憶全般。
カテゴリ (semanticsか?) とかも。
最近デコーディングが気になる。
でも基本なんでもこい。
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