めもめも ...〆(。_。)
認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。
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例の論文はまだ読んでる途中なんやけど、オブジェクトのカテゴリ話をするにあたっての導入編というか自分の復習をも一度しとこうかと思った。
というわけで昔論文講読に使ったオブジェクト認知のレビュー論文の発表パワポを再利用。
パワポ画像貼るのもあれなんで、文章だけこぴぺして、図に関しては捕捉つけた。
これを読んでもらえれば、論文れびゅるときにちょいちょい出てくるカテゴリ用語(Basic levelとかexemplarとか)がわかる、はず。
まあわかりにくかったらどしどしつっこんでください。
再利用だしてきとーすぎるかもしらん。
タイトルは↓
VISUAL OBJECT UNDERSTANDING
Palmeri & Gauthier (2004)
Nature Reviews Neuroscience, 5, 291-303
というわけで。
というわけで昔論文講読に使ったオブジェクト認知のレビュー論文の発表パワポを再利用。
パワポ画像貼るのもあれなんで、文章だけこぴぺして、図に関しては捕捉つけた。
これを読んでもらえれば、論文れびゅるときにちょいちょい出てくるカテゴリ用語(Basic levelとかexemplarとか)がわかる、はず。
まあわかりにくかったらどしどしつっこんでください。
再利用だしてきとーすぎるかもしらん。
タイトルは↓
VISUAL OBJECT UNDERSTANDING
Palmeri & Gauthier (2004)
Nature Reviews Neuroscience, 5, 291-303
というわけで。
ここからパワポだだ貼り。
●アブストラクト
ものを見てそれが何かわかるというのはどういう仕組みに基づくのか?
過程としては,オブジェクトが知覚され,カテゴリ分類され,想起されるという段階を経る
知覚・認知含め実験心理学的に,また神経心理学的に,生理学的に,さらに計算論モデルも加え包括的に検討する
●問題提起その1
視覚システムにおいてオブジェクトはどのように表現されるのか?
―3次元か2次元か?カテゴリ内で共通する?
オブジェクト知識はどのように表現されるか?
―個々のオブジェクトとカテゴリで異なるか
オブジェクトが何か「わかる」仕組みとは?
「わかる」仕組みは経験によって変化するか?
―熟達者と初心者の違いは?
●問題提起その2
心理学には,「オブジェクトの再認」と「知覚的カテゴリ化」という2つの研究テーマがある
「オブジェクト再認」は知覚心理学で,視覚情報の表現方法に注目して研究されてきた
「知覚的カテゴリ化」は認知科学で,概念知識の構造に注目して研究されてきた
本レビューではこの2つを統合する
●計算論モデル―オブジェクト再認
◇Structural Description Model
3次元立体の要素の組合せで表現
視点に依存しない
輪郭や頂点の検出
・Biedermanのgeon(円柱など基本単位の組合せでオブジェクトを表現するもの)
・Marrのモデル
→2次元的表現になる・カテゴリ判断ができない
◇Image Based Model
さまざまな視点から見たオブジェクトの2次元イメージの集合体として表現
最近では, Structural Description ModelとImage Based Modelの両方を組み合わせたモデルが考えられている
(Hummel & Stankiewicz, 1998; Marsolek,1999)
●計算論モデル―知覚的カテゴリ化
特徴類似度でマッピングしたmultidimensional psychological space
中心となるexemplarを仮定(Prototype Model)
(代表例exemplarがあって、それに似てるやつが同じカテゴリって考え)
→経験による変化を反映できないので,Decision-boundary Modelへ
(よーするに、特徴の変化が線形に並んでて、ある境界までなら同一カテゴリ、境界を越えたら違うカテゴリってするモデル)
●モデルの統合
視点に基づくモデルと類似性に基づくモデルは対立するものではない
Image-based modelはオブジェクト特徴検出に,exemplar-based modelは経験の影響に対応する
2つを統合させたモデルも提案されている
●神経系との対応
視点調整(image-based)とexemplarsを併用したモデル
筆者らは新規カテゴリ学習にGreebleという動物に似たオブジェクトを使用しているので、それを引用
視覚情報のアレイ:網膜やLGN
↓
ガボールフィルタ:V1やV2(いわゆる初期視覚野)
↓ ←注意の影響
大域情報や局所情報の処理:V4やLOC
↓ ←注意の影響
視点非依存の表象:IT &色・テクスチャ・文脈などの情報:他の領域
↓ ←注意の影響 ↓ ←注意の影響
Exemplars:ITの前部・大脳基底核・海馬
↓ ←注意の影響
カテゴリ・オブジェクト同定:前頭前野
というモデル。
●対応根拠
◇方位選択性ニューロン:初期視覚野
◇特徴分析・全体分析: V4・外側後頭葉(Tanaka,1996; Malach, et al., 1995)
◇視点毎のイメージコーディング:下側頭皮質(Logothetis & Pauls, 1995; Logothetis & Sheinberg, 1996)
◇サンプル一致:海馬(Nosofsky & Zaki, 1998; Poldrack, et al., 2001; Palmeri & Flanery, 2002),下側頭皮質前部(Freedman, et al., 2003),大脳基底核(Ashby & Waldron, 1999)
◇判断を下すのは前頭前野か(Freedman, et al., 2003)
●抽象化はどのように?
オブジェクト再認の研究より・・・視点の変化は再認にコストがかかる(Tarr & Bülthoff, 1998)
既知の視点から変化した角度によるか(Tarr, 1995; Tarr & Pinker, 1989)
知覚的カテゴリ化の研究より・・・経験から法則を抽出またはexemplarを生成(Nosofsky & Johansen, 2000; Erikson & Kruschke, 2002; Nosofsky & Kruschke, 2001; Ashby, et al., 2001)
●神経系との対応
下側頭皮質ニューロンで既知視点に似ている新奇刺激に反応(Logothetis & Pauls, 1995)
行動ではprototype抽出よりもexemplar生成のほうが妥当(Sigala, et al., 2002)
下側頭皮質ニューロンでカテゴリ間弁別よりもカテゴリ内弁別に反応するものも(Op de Beeck, et al., 2001)
●カテゴリ化のニューロン反応
◇下側頭皮質ニューロンでカテゴリ判断に重要な特徴に選択的反応(Sigala & Logothetis, 2002)
*異なるカテゴリに属するオブジェクトの特徴と、同じカテゴリに属するオブジェクトの特徴へのニューロン反応調べた研究。
カテゴリ判断を左右する特徴(特徴Aが+ならカテゴリAだけど-ならカテゴリBってかんじ)への反応は異なるカテゴリどうしで違う。
カテゴリ判断に影響しない特徴に対する反応はどちらのカテゴリのものでもかわらない。っていう図
◇前頭前野ニューロンでカテゴリ特異的な反応(Freedman, et al., 2003)
*3DCG画像で、イヌとネコを作って、そこからイヌとネコを合成した画像を作った。
画像を見せてるときの前頭前野ニューロンを記録。
イヌ100%・イヌ80%・イヌ60%の画像に対する反応と、ネコ100%・ネコ80%・ネコ60%の画像に対する反応で分かれた。って図
●ヒトfMRI
ヒト相同領域でサルのimage-based研究と同様の結果(Kourtzi, et al., 2003; James, et al., 2002)
心的回転は頭頂葉だが視点効果あり再認は紡錘回という結果も(Gautheir, et al., 2002)
→心的回転と視点変換は別の処理かも
●カテゴリ化レベル
カテゴリには階層がある
・同一カテゴリ内のオブジェクトを弁別する働き
・異なるカテゴリ間のオブジェクトを一般化する働き
ひとつのモデルでさまざまな階層に対応できるか検討
(オリジナル例として、みけねこ&とらねこはどっちも「ねこ」だけど区別できるよねって絵)
●最適なカテゴリレベル
◇Basic level:弁別性が最大になるような機能的・知覚的属性の組み合わせのカテゴリ(Rosch, et al., 1976)
◇Entry level:オブジェクトが知覚されるときに一番に引き起こされるカテゴリ(Jolicoeur, et al., 1984)
(オリジナル例として、樫の木はBasic levelもEntry levelも「木」だけど、椰子の木はEntry levelが「椰子の木」になってしまう、という絵)
●オブジェクト再認のカテゴリレベル
basic levelはstructural Description Modelで,下位レベルはimage-based modelか
大脳の機能非対称性…左半球はカテゴリ化に優位,右半球はexemplar符号化に優位(Marsolek, 1999; Laeng, et al., 2003; Vulleumier, et al., 2002)
ERP…下位レベルカテゴリ化は外側後頭葉で早期の活動,上位レベル・意味処理は前頭で後期活動 (Tanaka, et al, 1999)
●知覚的カテゴリ化のカテゴリレベル
Basic levelも下位レベルもmultidimensional psychological spaceで処理できる
どの特徴に選択的注意を向けるかは課題次第で決定
●カテゴリ化の熟達
初心者は下位レベルよりbasic levelの判断が早いが,熟達者は2つのレベルが同程度(Johnson & Mervis, 1997; Tanaka & Taylor, 1991)
有名人の顔は「ヒト」としてより個人が特定される(Tanaka, 2001)
漢字の熟達者と英字の熟達者の比較で,熟達した文字で反応早くなる(Wong & Gautheir, 2003)
●神経系との対応
上に示したモデルがオブジェクト情報表現の脳部位の全てではないかも
Frontal Eye Fieldのニューロンもカテゴリ化に反応(Schall, 2004)
ヒトfMRIで下位レベルカテゴリ化にoccipito-temporal stream(紡錘回含む)活性化(Gautheir, et al., 1997)
●モジュール性
カテゴリ化の領域特異的な下位システムとしてのモジュールは存在するか?
二重分離…行動実験(Marsolek,1999; Waldron & Ashby, 2001),脳損傷の症例(Farah, et al., 1998; Moscovitch, et al., 1997)
二重分離=モジュールの存在とは限らない
●オブジェクト再認でのモジュール
ヒトfMRIでカテゴリ特異的反応・・・顔(Kanwisher, et al., 1997),場所(Epstein & Kanwisher, 1998),身体部位(Kanwisher, et al., 2001)
マカクザルのfMRIでも同様の結果(Tsao, et al., 2003)
「相貌失認」顔の再認や知覚ができなくなる(Farah, et al., 1995)
→「顔」特異性について批判もある
●顔特異性批判
情報表現が脳全体で行われていて,紡錘回で反応が最大であっただけかもしれない
顔モジュールが生得的だという説(Farah, 2000)もあるが,新生児は要素が上に集まった視覚刺激を好むだけという説も(Turati, et al., 2002)
顔刺激に熟達しただけかも・・・車熟達者は顔と車で行動的にもERPも干渉(Gautheir, et al., 2003)
●知覚的カテゴリ化でのモジュール
カテゴリ化と再認は別モジュール説
健忘症ではカテゴリ化はできるが再認はできない(Knowlton & Squire, 1993; Squire & Knowlton, 1995)
パーキンソン病ではカテゴリ化はできないが再認はできる(Ashby, et al., 1998; Knowlton, et al., 1996)
学習なくてもカテゴリ化できる=記憶不要?(Palmeri & Flanery, 2002; 1999; Zaki & Nosofsky, 2001)
●知覚と概念の相互作用
再認=知覚的/カテゴリ化=概念的
金管楽器熟達者の脳損傷患者は,弦楽器名の連合学習より金管楽器名の連合学習が成績がよい(Dixon, et al., 2002)
概念学習の後の刺激弁別は成績がよい(Gauthier, et al., 2002)
ヒトfMRIで概念学習後のMatchingで前頭葉が活性化(James & Gauthier, 2004)
●学習と熟達化
初心者のうちは法則に従ってカテゴリ化するが,熟達するにつれ長期記憶よりexemplarを検索してカテゴリ化する
熟達者には全体処理しがちな’holistic effect’がある(Gauthier & Tarr, 2002; Gauthier, et al. 2003)
部分毎の処理とholisticな処理が並行し,holistic処理にはimage-basedが適用できるか
●読後のまとめ
Marrのモデルやgeonでうまくいかない点は,image-based modelで補える
モデルは併用できる
上に示したモデルがだいたいのキモ
熟達は素早いexemplar
→果たしてそれだけなのか疑問は残る
カテゴリ特異的な現象はあるがモジュールと言えるのか筆者らは疑っている
以上。
いやー結構だいじなはなしやのに忘れてることとかあった。
あとこないだひとに聞かされて「ふんふん」いうてたけどここで読んでた話とか。
自分の記憶内論文アーカイブってけっこーてきとーなのな。
まあだからこそ、こういう外部メモリに頼っちゃうんですけどね。
●アブストラクト
ものを見てそれが何かわかるというのはどういう仕組みに基づくのか?
過程としては,オブジェクトが知覚され,カテゴリ分類され,想起されるという段階を経る
知覚・認知含め実験心理学的に,また神経心理学的に,生理学的に,さらに計算論モデルも加え包括的に検討する
●問題提起その1
視覚システムにおいてオブジェクトはどのように表現されるのか?
―3次元か2次元か?カテゴリ内で共通する?
オブジェクト知識はどのように表現されるか?
―個々のオブジェクトとカテゴリで異なるか
オブジェクトが何か「わかる」仕組みとは?
「わかる」仕組みは経験によって変化するか?
―熟達者と初心者の違いは?
●問題提起その2
心理学には,「オブジェクトの再認」と「知覚的カテゴリ化」という2つの研究テーマがある
「オブジェクト再認」は知覚心理学で,視覚情報の表現方法に注目して研究されてきた
「知覚的カテゴリ化」は認知科学で,概念知識の構造に注目して研究されてきた
本レビューではこの2つを統合する
●計算論モデル―オブジェクト再認
◇Structural Description Model
3次元立体の要素の組合せで表現
視点に依存しない
輪郭や頂点の検出
・Biedermanのgeon(円柱など基本単位の組合せでオブジェクトを表現するもの)
・Marrのモデル
→2次元的表現になる・カテゴリ判断ができない
◇Image Based Model
さまざまな視点から見たオブジェクトの2次元イメージの集合体として表現
最近では, Structural Description ModelとImage Based Modelの両方を組み合わせたモデルが考えられている
(Hummel & Stankiewicz, 1998; Marsolek,1999)
●計算論モデル―知覚的カテゴリ化
特徴類似度でマッピングしたmultidimensional psychological space
中心となるexemplarを仮定(Prototype Model)
(代表例exemplarがあって、それに似てるやつが同じカテゴリって考え)
→経験による変化を反映できないので,Decision-boundary Modelへ
(よーするに、特徴の変化が線形に並んでて、ある境界までなら同一カテゴリ、境界を越えたら違うカテゴリってするモデル)
●モデルの統合
視点に基づくモデルと類似性に基づくモデルは対立するものではない
Image-based modelはオブジェクト特徴検出に,exemplar-based modelは経験の影響に対応する
2つを統合させたモデルも提案されている
●神経系との対応
視点調整(image-based)とexemplarsを併用したモデル
筆者らは新規カテゴリ学習にGreebleという動物に似たオブジェクトを使用しているので、それを引用
視覚情報のアレイ:網膜やLGN
↓
ガボールフィルタ:V1やV2(いわゆる初期視覚野)
↓ ←注意の影響
大域情報や局所情報の処理:V4やLOC
↓ ←注意の影響
視点非依存の表象:IT &色・テクスチャ・文脈などの情報:他の領域
↓ ←注意の影響 ↓ ←注意の影響
Exemplars:ITの前部・大脳基底核・海馬
↓ ←注意の影響
カテゴリ・オブジェクト同定:前頭前野
というモデル。
●対応根拠
◇方位選択性ニューロン:初期視覚野
◇特徴分析・全体分析: V4・外側後頭葉(Tanaka,1996; Malach, et al., 1995)
◇視点毎のイメージコーディング:下側頭皮質(Logothetis & Pauls, 1995; Logothetis & Sheinberg, 1996)
◇サンプル一致:海馬(Nosofsky & Zaki, 1998; Poldrack, et al., 2001; Palmeri & Flanery, 2002),下側頭皮質前部(Freedman, et al., 2003),大脳基底核(Ashby & Waldron, 1999)
◇判断を下すのは前頭前野か(Freedman, et al., 2003)
●抽象化はどのように?
オブジェクト再認の研究より・・・視点の変化は再認にコストがかかる(Tarr & Bülthoff, 1998)
既知の視点から変化した角度によるか(Tarr, 1995; Tarr & Pinker, 1989)
知覚的カテゴリ化の研究より・・・経験から法則を抽出またはexemplarを生成(Nosofsky & Johansen, 2000; Erikson & Kruschke, 2002; Nosofsky & Kruschke, 2001; Ashby, et al., 2001)
●神経系との対応
下側頭皮質ニューロンで既知視点に似ている新奇刺激に反応(Logothetis & Pauls, 1995)
行動ではprototype抽出よりもexemplar生成のほうが妥当(Sigala, et al., 2002)
下側頭皮質ニューロンでカテゴリ間弁別よりもカテゴリ内弁別に反応するものも(Op de Beeck, et al., 2001)
●カテゴリ化のニューロン反応
◇下側頭皮質ニューロンでカテゴリ判断に重要な特徴に選択的反応(Sigala & Logothetis, 2002)
*異なるカテゴリに属するオブジェクトの特徴と、同じカテゴリに属するオブジェクトの特徴へのニューロン反応調べた研究。
カテゴリ判断を左右する特徴(特徴Aが+ならカテゴリAだけど-ならカテゴリBってかんじ)への反応は異なるカテゴリどうしで違う。
カテゴリ判断に影響しない特徴に対する反応はどちらのカテゴリのものでもかわらない。っていう図
◇前頭前野ニューロンでカテゴリ特異的な反応(Freedman, et al., 2003)
*3DCG画像で、イヌとネコを作って、そこからイヌとネコを合成した画像を作った。
画像を見せてるときの前頭前野ニューロンを記録。
イヌ100%・イヌ80%・イヌ60%の画像に対する反応と、ネコ100%・ネコ80%・ネコ60%の画像に対する反応で分かれた。って図
●ヒトfMRI
ヒト相同領域でサルのimage-based研究と同様の結果(Kourtzi, et al., 2003; James, et al., 2002)
心的回転は頭頂葉だが視点効果あり再認は紡錘回という結果も(Gautheir, et al., 2002)
→心的回転と視点変換は別の処理かも
●カテゴリ化レベル
カテゴリには階層がある
・同一カテゴリ内のオブジェクトを弁別する働き
・異なるカテゴリ間のオブジェクトを一般化する働き
ひとつのモデルでさまざまな階層に対応できるか検討
(オリジナル例として、みけねこ&とらねこはどっちも「ねこ」だけど区別できるよねって絵)
●最適なカテゴリレベル
◇Basic level:弁別性が最大になるような機能的・知覚的属性の組み合わせのカテゴリ(Rosch, et al., 1976)
◇Entry level:オブジェクトが知覚されるときに一番に引き起こされるカテゴリ(Jolicoeur, et al., 1984)
(オリジナル例として、樫の木はBasic levelもEntry levelも「木」だけど、椰子の木はEntry levelが「椰子の木」になってしまう、という絵)
●オブジェクト再認のカテゴリレベル
basic levelはstructural Description Modelで,下位レベルはimage-based modelか
大脳の機能非対称性…左半球はカテゴリ化に優位,右半球はexemplar符号化に優位(Marsolek, 1999; Laeng, et al., 2003; Vulleumier, et al., 2002)
ERP…下位レベルカテゴリ化は外側後頭葉で早期の活動,上位レベル・意味処理は前頭で後期活動 (Tanaka, et al, 1999)
●知覚的カテゴリ化のカテゴリレベル
Basic levelも下位レベルもmultidimensional psychological spaceで処理できる
どの特徴に選択的注意を向けるかは課題次第で決定
●カテゴリ化の熟達
初心者は下位レベルよりbasic levelの判断が早いが,熟達者は2つのレベルが同程度(Johnson & Mervis, 1997; Tanaka & Taylor, 1991)
有名人の顔は「ヒト」としてより個人が特定される(Tanaka, 2001)
漢字の熟達者と英字の熟達者の比較で,熟達した文字で反応早くなる(Wong & Gautheir, 2003)
●神経系との対応
上に示したモデルがオブジェクト情報表現の脳部位の全てではないかも
Frontal Eye Fieldのニューロンもカテゴリ化に反応(Schall, 2004)
ヒトfMRIで下位レベルカテゴリ化にoccipito-temporal stream(紡錘回含む)活性化(Gautheir, et al., 1997)
●モジュール性
カテゴリ化の領域特異的な下位システムとしてのモジュールは存在するか?
二重分離…行動実験(Marsolek,1999; Waldron & Ashby, 2001),脳損傷の症例(Farah, et al., 1998; Moscovitch, et al., 1997)
二重分離=モジュールの存在とは限らない
●オブジェクト再認でのモジュール
ヒトfMRIでカテゴリ特異的反応・・・顔(Kanwisher, et al., 1997),場所(Epstein & Kanwisher, 1998),身体部位(Kanwisher, et al., 2001)
マカクザルのfMRIでも同様の結果(Tsao, et al., 2003)
「相貌失認」顔の再認や知覚ができなくなる(Farah, et al., 1995)
→「顔」特異性について批判もある
●顔特異性批判
情報表現が脳全体で行われていて,紡錘回で反応が最大であっただけかもしれない
顔モジュールが生得的だという説(Farah, 2000)もあるが,新生児は要素が上に集まった視覚刺激を好むだけという説も(Turati, et al., 2002)
顔刺激に熟達しただけかも・・・車熟達者は顔と車で行動的にもERPも干渉(Gautheir, et al., 2003)
●知覚的カテゴリ化でのモジュール
カテゴリ化と再認は別モジュール説
健忘症ではカテゴリ化はできるが再認はできない(Knowlton & Squire, 1993; Squire & Knowlton, 1995)
パーキンソン病ではカテゴリ化はできないが再認はできる(Ashby, et al., 1998; Knowlton, et al., 1996)
学習なくてもカテゴリ化できる=記憶不要?(Palmeri & Flanery, 2002; 1999; Zaki & Nosofsky, 2001)
●知覚と概念の相互作用
再認=知覚的/カテゴリ化=概念的
金管楽器熟達者の脳損傷患者は,弦楽器名の連合学習より金管楽器名の連合学習が成績がよい(Dixon, et al., 2002)
概念学習の後の刺激弁別は成績がよい(Gauthier, et al., 2002)
ヒトfMRIで概念学習後のMatchingで前頭葉が活性化(James & Gauthier, 2004)
●学習と熟達化
初心者のうちは法則に従ってカテゴリ化するが,熟達するにつれ長期記憶よりexemplarを検索してカテゴリ化する
熟達者には全体処理しがちな’holistic effect’がある(Gauthier & Tarr, 2002; Gauthier, et al. 2003)
部分毎の処理とholisticな処理が並行し,holistic処理にはimage-basedが適用できるか
●読後のまとめ
Marrのモデルやgeonでうまくいかない点は,image-based modelで補える
モデルは併用できる
上に示したモデルがだいたいのキモ
熟達は素早いexemplar
→果たしてそれだけなのか疑問は残る
カテゴリ特異的な現象はあるがモジュールと言えるのか筆者らは疑っている
以上。
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がっつり:論文や研究関連をがっつり。
びっくり:科学ニュースでびっくり。
まったり:空想科学などでまったり。
ばっかり:デザイン系自己満足ばっかり。
ほっこり:お茶を嗜んでほっこり。
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分野は視覚認知。視知覚にがて。
あと記憶全般。
カテゴリ (semanticsか?) とかも。
最近デコーディングが気になる。
でも基本なんでもこい。
好奇心は悪食。
好きな作家(敬称略)
川上弘美
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分野は視覚認知。視知覚にがて。
あと記憶全般。
カテゴリ (semanticsか?) とかも。
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でも基本なんでもこい。
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