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めもめも ...〆(。_。)

認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。

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ひさしぶりに論文読んで紹介とかするかーとか思ってたら、だいぶ前にその前提となる話を紹介しようと思ってまるっと忘れてたのを思い出した。
まあ他にも手をつけかけてまるっと忘れてる話もいっぱいあるんですが、そういうのは気が向いたときにやります。
(つまり気が向かないとさっぱりぱったり)

今回紹介するのは「Feature Norms」という手法について。
日本ではあんましつかわれてないのか、たぶん定訳がないんだけど、むりくり訳すなら「特徴規範」か。
考え方としてはわりと単純なので、さっくり言ってしまうと、とある意味/概念を表現する(representation的な話なので、文系にとっちゃ「表象」のがぴんとくるか)のに、それが持つ特徴を使おう、というもの。

具体的にいえば、「ぞう」という意味/概念は、「大きい」「灰色だ」「哺乳類である」「ぱおーんと鳴く」「訓練することができる」「動物園で見られる」「アフリカで見られる」「乗り物になる」などのたくさんの特徴によって表現されている、と考えられる。
まあそれだけっちゃそれだけの話なのだけども。
この「特徴」の集まりとして記述することで、より上位の概念(べたなところだと自然物or人工物カテゴリ)も表現できるとか、概念的な近さも表現できるというところがポイント。

調査方法はだいたい質問紙。
調べたい概念について、「is ___」とか「has___」とか「can____」といった文章で記述してもらって、被験者間で共通して記述される特徴をまとめるかんじ。
これ日本語だとどうやるのが適切なんだろうね?

代表的な研究としては、CreeやMcRaeのグループのものがあげられます。
この論文では、アメリカ英語の541個の名詞の意味/概念を表す特徴データベースを作って検証してます。
もともとは論文誌のサイトでデータベースも公開されてたっぽいのですが、今はそこからはおとせないっぽい。
ただ著者の一人であるMcRae教授が自身のホームページでデータベースを公開(ここ)しているのでそこから見ることができます。

実際、このFeature Normsに基づいた意味記憶のモデルの研究もされているようですね。
意味記憶の階層構造を表現するモデル(これ)とか。
上位カテゴリを弁別するモデル(これ)とか。
後者はコメントも併せて読んどくのがいいかもしれない。

わりとナイーブなかんじの行動実験で定義される指標なので、認知的な側面の説明にはすごい便利なんだけども、便利すぎるというか「まあそんなもんだよね」感があるっちゃーある。
逆に、計算論系の研究のほうがこういう行動指標とりいれるのむずかしかったり(理想的に特徴がばらついてくれる保証はないし)、実装できたらそれなりに「スゲー」ってなるのかな。

あと、当たり前だけど文化というか経験依存だよねー。
そこらへんの話はこの論文など参照。
ただしこれはイギリス英語で意味/概念の数も少なく(64個)被験者も少ないという弱みはある。
とはいえ、Feature Normsと意味階層構造の例としてはこれが一番な気がする。
特徴の種類分けしているのもおもしろいところ。


まあこういう研究に限らず、モデル系のは変数増やせば妥当性あがりそうな気もするけどその分モデルとして立ち行かなくなることもあるので加減がむつかしいね。
んでも、「じゃあどうすればいい?」ってのを考えるとたいそうおもしろい。

そのうち、このFeature Normsを活用した研究を紹介したいと思います。
(まあ「そのうちと幽霊は…」と古くから言いますけどね)
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