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めもめも ...〆(。_。)

認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。

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うおおおおようやく熱ひいたり戻ったり延々咳したりの状態から解放された。
ろんどんの風邪は手ごわかった・・・

なんせ学会会場が病院のLecture Theatreなもんだから、入り口が待合室だったんよなー。
なんか今滞在してるとこのぼすの話によると、南のほうから来たぼすの知り合いも風邪をひいたらしい。それもまた「Welcome to London」なんだそーな。
もうやだこの国。


寝込み続けていても退屈は退屈なので、こっちで購入した映画DVDを寝ながら見ました。
風邪で寝込んだときは映画だよねー。
なぜかうちは小学生ん頃、風邪ひいて学校休んだらふとんからトトロを見るのが定番でした。
風邪と映画の組み合わせはある意味郷愁。
とはいえ映画見る余裕なかった日がほとんどだけど。

というわけで、風邪の間に見たSF映画を紹介しておくの巻。

ずばり、これ。


『PAUL』。
単純にストーリーを紹介すると、
「イギリス人のオタクたちがアメリカのオタクイベントに行くついでにUFOのメッカを巡る旅行に出た。
そしたらなんと・・・出会っちゃった!グレイに!
彼はPaulと名乗った。彼は故郷に帰るため、仲間とコンタクトが取れる場所までヒッチハイクさせてほしいと頼んでくる。
引き受けた彼らだったが、当然黒服たちに追われて・・・!
道中、敬虔なキリスト教徒の美女とも出会って・・・!
果たして、オタクどもはPaulと旅を完遂できるのか!?」
といったかんじで、よーするにオタクのETロードムービーです。

ちなみに、メイン出演者および脚本は『ショーン・オブ・ザ・デッド』の彼らです。


・・・どっちも見終わったあとの感想が
「イイハナシダナー(棒)」
だったのは偶然と言うか必然というか。

まあ、『ショーン・オブ・ザ・デッド』のほうはイイハナシダナー要素を予想してなかったのとストーリー構成がかなりよくできてる(あからさまだけど伏線がうまい)ので、映画として比べるとこっちのほうが高評価になるとは思うのですが。

『Paul』のほうは、やられっぷりがどことなくブルースブラザーズ的です(必要以上に敵を作っちゃうところが)。
そして、明らかに主役の二人がノリノリです。
こいつら、この映画趣味で撮ってるだろ。
その証拠に、こいつらアメリカロケで某星戦争のごみバケツと金色ポンコツのコント撮ってやがるんですよ。



もうアホかとバカかと(褒め言葉)。
映画における趣味にはしりっぷりは、日本でいうところの河崎実監督(代表作:『日本以外全部沈没』『いかレスラー』『かにゴールキーパー』)に近いものがありますが、SF者に対する共感ゆえかこのコンビのほうがなんとなく好感が持てます。あ、単にこのコンビのほうが特殊技術きちんとしてるってだけかもしれない。あと演技と。歌もプロのしかつかってないし。



科学ネタでいえば、敬虔なキリスト教徒であるヒロイン(一応。それ以上に主役コンビがラブラブすぎて同性愛ネタ挟んでくるくらいなんだけど)とPaulが「インテリジェントデザイン」是非について口論するシーンがあるのがちょっとびっくりしたかな。
インテリジェントデザインという考え方があるのは知識としては知っていても、それを(演技だけど)口にするひとというのを初めて見たので。
(・・・あ、そうでもないかもしれん。留学生寮でそれっぽいことをちらっと言ってたひとはいたな。あんましつっこまなかったからはっきりそうだとは言えないけど)
「ヒトの目のような精巧なシステムが、偶然できあがるなんてことがあると思う?」的なこと(意訳&うろおぼえ)をヒロインは口走ってたのですが。
視覚の研究やってる身からしたら、うーんそうくるかー、ってなりました。
確かに、視覚システムの複雑さ&精巧さは文字通り「目を瞠る」ものがあります。
でも眼球ってだけならタコやらイカやらの軟体動物にもあるしなあ(だからタコは悪魔の生き物なのだろうか?)。
それに視覚研究なら、ネコやらマカクザルやらの神経科学研究というのはでかい柱だし、それぞれ相同部位とかあるわけだしなあ。
視覚研究の側からしたら、「視覚システムこそインテリジェントデザインを否定する格好の例だろ」みたいに思ってしまうんですけど、インテリジェントデザイン側からしたらまったく逆に見えてるのかなあ。
ちょっと意外。

どうでもいいことで言うと、ちっさいころに見た「宇宙人の解剖映像!」というやつはむちゃくちゃ怖かった記憶があるのに、オトナになった今この映画で見ると笑えてくる不思議。
ああーオトナになったんだなあー。
同様に、グレイってこどもの頃めちゃめちゃ怖かったんだけど、今見ても怖くはないけどちょいきもいよな。不気味というか。
グレイのデザイン考えたひとはなかなかオカルトに通暁していると見た。
誰か知らんけど。

そしてわたしのよーなライトなSF者にはわからない、ディープなSFネタがわりとみっちり詰まっているようなので、この映画『Paul』は是非ディープなSF者に見ていただきたい。
来たれディープなSF者!


ついでに、『ショーン・オブ・ザ・デッド』のラストについての感想もちょみっと書いておく。
「ラストについて」なので当然ネタバレなんだけど、わりと心理学的というか認知神経科学的な問題提起を含んでいると思うので、ネタバレながら「つづき」に書いておく。

先週はロンドンでやってたNeuropsychologyな学会を冷やかしに行った。
学会自体はたいへん有意義だったのだが、学会時間以外ではひどい目にあった。
泊まった安宿は部屋は汚いわ(壁にガム屑つきっぱ!)設備は整ってないわ暖房は壊れてるわWiFi使えるという売り込みに反して使えないわ、最悪だった。
てきとーに入った食べ物屋も概ね外れ。
会場近くのピザ屋さんでは塩辛いアンチョビが3缶分くらいのっかったピザを食べることになってしまい、塩辛さで身震いするような目に。
「フィッシュレストラン」の看板見て入ったら、フィッシュアンドチップスを席について食べられるというだけの店で、ぎっとぎとのフィッシュとチップス(いもなのに魚くさい)が山盛りで絶賛胸焼け。なんせ近くの席のおばあさんが「こんなに食べられないわ、あなたたち食べてくれない?」と交渉しに来る。もちろん丁寧にお断りした。

あげく風邪をひいた。
声がまだがらがら。
最悪のロンドン滞在だった。
おかけでいろいろ進んでいない。

教訓:ロンドンは物価高い。事前に入念な下調べをしとかないと、ひどいめにあう。

なんでかしらんけど、「オプトジェネティクス実験(脳の神経活動を光で誘発・抑制)」なるもの用の機器の広告メールが日本語で来た。大学名・氏名つきで。
ガチ神経生理学じゃないですかー。
なんでよ。
英語なら「ああPubMedから流れてきたのね」でわかる。PubMedは生理学も心理学もいろんなジャンルごっちゃだし(だからこそ便利なんだけど)。
日本語だとわたしは心理学関連しか痕跡ないはずなんだけどな・・・
まあおもしろいからいいや。

謎スパムといえば、1~2ヶ月ほど前におもしろいのがきてたな。
「おまえら神経科学者・心理学者どもは俺の脳に電波をとばす研究してるだろう」みたいなやつ。これは英語だったのでたぶんPubMedかなにか論文アーカイブで来たのだと思う。
あれもなぜかBccじゃなくてToできてた。しかもあて先に同期まじってた。
いったいわれわれ研究者(タマゴ含む)の個人情報保護ってどうなっとるんですかね。
おもしろいからいいけど。
あれか、国民の血税をつかって研究させてもらってる身分だから、半ば「公人」みたいなものなのか。
そう考えると世の中公人ばかりだな。
もっと出世すると、おもしろスパムがさらに増えるのだろか。
今んとこ出世するあてはぜんぜんないけど、期待しておこう。

わりと地獄の日々だった。
迷走の記録を残しておく。

つかいたいプログラムでは、Linux環境でしかつかえないものが必要になるときいたので、Cygwinを入れてみることにした。
・・・これが迷走のはじまりだった。

Cygwinのインストールのときに参考にしたのは
http://bell.sd.tmu.ac.jp/~baba/class/index.php?menu=cygwin

ええ、最初「Skip」のどこをクリックするのかわからんくて無駄にsetup.exeを起動しまくってましたよ・・・
わたしのよーなおまぬけさんが他にいるとは思いませんが念のための図。
Cygwin_python1.PNG

このときついでにCygwin用Pythonをダウンロードできます。
インストールするものを選ぶ画面でpythonを検索すると必要なものがパッケージで入っているのでそれごとインストールすればよろしい。

あとgccというやつが必要になるのでそれもいれておく。
上で言われていた、
    * Devel(Developmentの略)カテゴリの Make, GCC/G++ パッケージ
    * Graphicsカテゴリの OpenGL パッケージ
はいれといたほうがいいっぽい。
OpenGLってMATLABでも出てきたね。
研究にはやくにたつものなんですね。

それと、fftw3とかいうやつも。

このあと、Cygwinのパスを環境変数んとこにいれておかんとあとあとたいへん。
環境変数の設定は
http://www.kkaneko.com/rinkou/cygwin/cygwinxdevel.html
のとこを参考にした。

んでCygwin上でパッケージをいろいろせねばならんので、Cygwinのカレントディレクトリを変更せねばならん。チェンジディレクトリはcdなんだけど、Cygwin上のルートディレクトリがCドライブのCygwinのとこなので、そこ基準に移動することになる。
なので、たとえばc直下に移動する場合は

$ cd /cygdrive/c/

となる。

Cygwinのとこにあるやつ(たとえばusrなど)なら、

$ cd /usr

でよい。
なのでパッケージとかはCygwin内においとくほうが移動が楽ね。


で、最初にいれるべきパッケージ。
GSLという略称の、なんか計算とかべんりなやつ、その名もGNU Scientific Library。
http://www.gnu.org/s/gsl/
日本語の解説サイトが親切なので、そっちをみながらダウンロード。
http://na-inet.jp/na/gsl.html
Linuxじゃないけど、tarファイルをおとしてきてCygwin上で

$ ./configure; make; su;

を書いたらむにゅむにゅなるのでしばらく待ち。
そのあとで

$ make install

したらおk。

さらに、必要そうなもの。
ATLASとLAPACKというものがいるそうなので、↓のとおりにしてみる。
http://www.kkaneko.com/rinkou/cygwin/atlas.html
自分のPCのスペック情報が必要になるので各自ぐぐること。
わたしゃ自分のPCのしょんぼりさ具合にちょっとわびしくなったけど。
だってこれが整うまで何日かかったことか・・・

そしていよいよ、研究用に必要なNumpyとScipyというのをいれる。
これも計算用パッケージ。ただしGSLとATLASとLAPACK(後ろ2つは別のでも代用できるらしい)が入っていることが前提、っぽい。
ほかにもnoseというのが入ってないとあとでエラーはかれるので、いれておいたほうがいいかも。
ここでnose手に入れろとはNumpyじきじきのご指名。
http://readthedocs.org/docs/nose/en/latest/
公式(http://www.scipy.org/)ではWindows用のインストールファイルに誘導されてしまうが、それではCygwin上で使えないので、解凍して中身をいじれるやつを探してくる必要がある。
Numpyはhttps://github.com/numpy/numpy/
Scipyはhttps://github.com/scipy/scipy
でそれぞれおとせるのでこいつを持ってくる。
んで、開いたフォルダをCygwinから参照しやすいてけとーな場所に放り込み、Cygwinでそこの場所にcdしてから

$ python setup.py build
$ python setup.py install

してやるとだいたいインストールできる。

の、はずが、エラーはきまくってぜんぜんうまくいかない。
Numpyはむりくりなんとかなったけど、Scipyはもうわけがわからん。


というわけで他のサイトに頼ることにした。
http://cens.ioc.ee/~pearu/scipy/BUILD_WIN32.html
ここの方法では、MinGWというソフトウェアにのっかってScipyをダウンロードするようす。
なんかダウンロードしたものの対応付けをしてくれるmsysとかいうPythonのファイルがあるのが便利そうではある。
英語がある程度読めるひとはこのページを読むだけでよいと思うが、英語がだるくてしかたがない場合を想定して、ある程度日本語で手順書いておく。

Cygwinをインストール

MinGWをインストール
(引用元ページでは別途MSYSをインストールするように言われているが、現在のMinGWではMSYSも選択すれば同時にインストールできるようになっている)

元ページにあるPythonスクリプト、msys.pyをダウンロード

ワードパッドか何かでmsys.pyを開いてMSYSのある場所指定とPythonのバージョン記述とを自分のに合わせて書き直す。他にも自分のと合わない記述がないか確認して保存

$ msys.py python -i

>>> import sys; sys.exit()

元ページではNumericをインストールするように指示してあるが、今回はNumpyを使いたいのでスキップ

F2PYをインストール。わたしが取った方法は、Tarファイルをダウンロード→解凍→中身フォルダをCygwinフォルダ内につっこむ→cd そのフォルダ

$ python setup.py install
$ msys.py python setup.py install

BLASのLibraryをつくる。LAPACKをおとしてきたときのBLASフォルダ→SRCフォルダに移動

MinGWでライブラリを作る。
msys.py g77 -O2 -fno-second-underscore -c *.f
msys.py ar r libfblas.a *.o
msys.py ranlib libfblas.a
export BLAS=~/src/blas/libfblas.a
んでlapackについても同様。
まあぶっちゃけライブラリは試行錯誤の段階で既にあるんだけどね。

ATLASをインストール。
悪夢再びはいやなのでとばした。
まあ、tarおとす→解凍→
$ make xconfig
$ ./xconfig -t c:/cygwin`pwd`
→Makeファイルいじる→
→$ make install
なかんじらしいので、ATLASをここでいれるひとはがんばれ。

ATLASをここでいれた場合はLapackライブラリをもっかいつくる
$ cd ~/src/ATLAS/lib/WinNT_P4SSE2
$ cp liblapack.a liblapack_orig.a # make a backup
$ mkdir tmp; cd tmp
$ ar x ../liblapack.a
$ cp ~/src/LAPACK/lapack_MINGW.a ../liblapack.a
$ ar r ../liblapack.a *.o
$ cd ..; rm -rf tmp

いよいよScipyに。

んで肝心のScipyなんだけど、CVSというのをつかってファイルをおとしてくるらしい。
CVSはなんかネットのやつ(なんてひどい説明だ)。
http://www.trust-service.co.jp/it/nomihodai/cygwin_cvs/cygwin_cvs.shtml
http://www.eclipsewiki.net/eclipse/index.php?Cygwin%A4%C7CVS%A5%B5%A1%BC%A5%D0%A1%BC%A4%F2%CE%A9%A4%C6%A4%EB
このへんをみながらCVSというやつをつくる。
まあこれ作らなくても、前におとしてきたやつがあるからいいや。

でもこの方法でもぐだぐだぐだぐだエラーはく。
あたまぱーん。
無理。

ぶっちゃけ、Windows上のCygwinのPythonにScipyを仕込むことは「Painful」だと言ってるひともいるし、「Windowsはパッケージ以外無理じゃね」と言うひともいる。
がっつりまとめて有料でお買い上げも可能みたい(http://www.enthought.com/products/epd.php
)だがこちとらNo money & No futureなわけで。
はい詰んだ詰んだ。

というわけでこの方法は詰んだ。
やっぱ慣れない言語にいきなり手出してひとさまのプログラムいじろうとか無謀ですわ。
別の方法を模索する。

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