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めもめも ...〆(。_。)

認知心理学・認知神経科学とかいろいろなはなし。 あるいは科学と空想科学の狭間で微睡む。

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とりあえず今回の一連SFの締めは、ファウアー『数学的にありえない』で。


読みかけて冒頭で何度も躓いていたのをようやく読破。
何がだめだったのかって、要するに自分の知らんトランプ博打を丁寧に解説されるのがわたしには面白くなかったというだけだった。
まあ博打うちはあんましすきではないんですよ。
博打シーンをさっと読み流すとあとはさくさくっと読めた。
こんなことなら最初っから博打のとこ飛ばせばよかった。

んでこれは何のSFかというと、なんと統計SF。
いや、どっちかってーと確率論SFか?
でも最小二乗法とか出てくるから統計SFでいいような気もする。「ありえない」というタイトルだけど原題は「impossible」ではなく「improbable」だし。
まあ確率も統計も不可分だからいいか。
…ってそれを「数学」に代表させる邦題はちょっとやらかしちまってるのでは?という気もするな。

もちろん統計だけじゃなくて、物理要素や医学要素も絡んでくる。
特に医学要素として側頭葉てんかんが重要な役割を果たすのに注目。
側頭葉てんかんがなんで?と思うところがなくもないものの、まあそこらへんはぐっと飲み込んで物語の奔流に身を任せるのがベストの楽しみ方であろう。

『ニューロマンサー(前めも参照…って前めも全然ニューロマンサーの話してねーじゃねえか!!)』でいうところのモリイみたいな女性(美人でマッチョで完璧超人)が現れたりして、ピンチがピンチを呼びハラハラドキドキできるのは確か。
しかしなんでこういう護衛のおねーさんは美人でグラマラスで感情が読み取れない超人なんだ…なんかそういうテンプレなの?
まあそのへん以外にもちょっと「えっそういうことになるんだ…」的なところはあるものの、物語のジェットコースターに既に乗り込んでいるこちらとしてはもういきつくところまで覚悟決めるしかない。
怒涛のようにラストに流れ込むべし。

特に、これは上下巻に分かれているのですが、上巻のほうがかなり「えっそこで切るのかよ!?」と思うようなところで締められているので、「上巻だけ買って下巻はあとでいいや」という姿勢でいるとえらい目にあいます。
なので読むときはいっき読みできる環境を整えておきましょう。

または、ともだちに「これおもしろかったから読んでみない?」といってあえて上巻だけ貸して、次の日うらみがましい目で見られたりするといいかもよ!
そのへんは臨機応変に。


ところで、この続編として『心理学的にありえない』という本があるんですが…


あらすじ見るだけでもうだめだ。
心理アナリストっていうのが心理学的にありえんから!なんだよその謎職業!?
『Johnny English Reborn』でも出てきたけど、わたしが知らんだけで実際にあるのか心理アナリストなんて職業が!??
いやまあJohnny Englishはアレなギャグ映画だからいいんだけど、シリアスな顔して「心理アナリスト」とか言われたらちょっとつらいな…

これはアレか、「食い詰めたときには脳科学占い師になろう」というネタのヴァリエーションとして「食い詰めたときに心理アナリストになろう」というのをつけくわえよということか。
心理アナリストのほうは機材いらん分元手が少なくてすむな…

なんかあまぞんレビューみてたら心理学は心理学でも、「超心理学」のほうらしい。オカルトかよ!!!
いやオカルトも嫌いではないっていうか、まあどっちかっていうと好物なんですけど、SFとオカルトは混ぜてほしくないっていうか、別々に楽しみたいんですよ。
「オカルト現象と思われていたが科学的にこう解明できた!」とか「このオカルトはSFとしてこういうことだと説明してやろう!」というタイプは好きなんですが、「SFだと思った?ざーんねん、オカルトでしたー!」は好きじゃない…
オカルトならオカルト一直線のほうが縛りが少なくて自由な奇想が楽しめるだろうがあああああああ。

牡蠣もチョコレートも好きだからといって、両者を混ぜて食べてうまいわけがあるかあああああああああああああ。

この怒りを抱いてしまうと、なんだが『数学的にありえない』のほうもストレートに楽しめなくなってきてしまう…
そいやこれもオカルトっぽいとこあるな…

うーむ。
科学っぽい説明が長いわりに、科学的知識を麻痺させて読まねばならぬところがあるのがマイナスなのか。
どっちかに専念できたほうが、想像力も広がりやすいと思うんだけどなあ。
たとえばブラッドベリはもう科学的な説明とかを放棄してるところがあって、オカルティックな話もかーなーり多いんだけど、その圧倒的なまでの叙情性で読ませてくれるんだよなあ。
イーガンなんかは「いやそれ科学的にはどうなん」みたいなとこがあっても科学的説明が物語の根幹に結びついていて、SFアイディアを理解することと物語を楽しむことが直結しててそれが楽しいんだよなあ。
イーガンの語り口調でブラッドベリのオカルトファンタジーやっちゃったらつまんないだろうな…いやそれはそれでありなのか?
オカルトとSFの共存については、もうちょっと考えてみたい。
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